一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

軽音楽部 5

「そんなにベースやりたいのか来蘭ちゃん?」
廣瀬部長が来蘭に聞く

コクっと頷いて
「わたしはベースがやりたい...」
という来蘭に、ここに居る男子6人は全員やられた...絶対...

緩んだ顔して廣瀬先輩がたまらずに言う
「そうかそうか、うんうん、わかったわかった、よしじゃーおにーちゃんがベース教えてあげるからな?」

完璧に堕ちちゃってるじゃないかよー!廣瀬パイセンよー!

「廣瀬ーもぅ来蘭ちゃんが可愛くてしょーがないんだろー?」
笑いながらドラムの菊池先輩が言う

「そりゃ可愛いだろー!妹みたいだよなんかもぅ」
廣瀬先輩の顔は緩みっぱなしだ...

ギターの菊池先輩までもが
「なんかあれだね、むさ苦しい野郎だけの部活の、マスコットみたいだよね、来蘭ちゃんは」

ちょっと待ってくれよー!
先輩たち来蘭にデレデレじゃないかよー!

何かを察した吉井先輩が俺の肩を抱き
「うかうかしてるとこのオオカミたちに、可愛い来蘭ちゃん食べられちゃうぞ!そうちゃん?」
と耳もとでいじわるくささやかれ、ニヤリと不敵な笑みを浮かべて離れて行った...

「吉井先輩!あなたがいちばん来蘭を喰っちゃいそうじゃないですか!!」
と叫ぶ俺に

「あら?わかる?」
と色気のある声でサラリと言ってのけた

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