一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

赤青コンビ

ガラガラと扉が開き、担任が入ってきた。
「HR始めるぞー」
優しそうな30代半ばくらいの男の先生だ。

「まずは新学期は出席番号順の席順ではじめるからなー  ちゃんと自分の席確認して席に付けよー」
と言う担任に対してそうちゃんが
「俺ら1番だから間違えようがないよなぁ?なぁ来蘭?」
って笑いかけてくる
「うん、そうだね」
ってあははと笑ったら、先生の目線が1度出席簿に落とされ、顔が上がり
「おーいそこー!〈赤青コンビ〉!!うるさいぞー」
の担任の言葉に、そうちゃんとわたしは顔を見合わせて同時に叫んだ
「赤青コンビー!!」
そして2人で爆笑した。
更に怒られたのは言うまでもない。
HR中、そうちゃんもわたしも笑いを堪えるため、下を向いてた。横目でそうちゃんをチラッと見ると、肩が小刻みに揺れているのが見えた。

HRが終わるのを待ってたようにそうちゃんが
「赤青コンビ、俺絶対言われると思ったんだよ
 そしたら案の定担任が言ったからおかしくておかしくて!」
そう言うと、お腹を抑えてまだひーひー笑ってる。
「うん、わたしも絶対赤青コンビって言われそうだなってクラス分けの紙見た時に思った!
ってゆーか、先生が〈赤青コンビ〉って言った瞬間にそうちゃんがこっち見るから、絶対これ同じこと思ってるー!って思ったらおかしくておかしくて!」
 2人でひとしきり笑い合っていたら、教室の扉が勢い良く開いて、爽やかで見るからに明るそうな男の子が入ってきた。
「お!奏太いた!」

「おー!陽介!お前何組?」

「俺1組だったよー 一緒のクラスになれなかったなー」
と言って泣き真似をしてる
「気持ちわるいよ」
って言いながら笑うそうちゃん
そんな仲良し男子2人のやり取りを見て、フフっと笑うわたしに
「気持ちわるいよなぁ?来蘭ー」
と振ってきた
えっ?!と思う間もなく、そうちゃんが陽介と呼ぶ男の子が
「奏太もう隣の子と仲良くなったの?やるなぁー!しかもなに?もう呼び捨て?やらしーなぁー」
その言葉に、過去に男子にからかわれたり心無い言葉を浴びせられた記憶が甦り、きゅっと身体が強ばる
気がついたら鞄を掴んで下駄箱へと走っていた。
下駄箱で我に返る。
ドキドキと心臓が鳴り、嫌な汗が額に滲む。
あぁ、やっちゃったな...
いきなり逃げちゃうようなことしちゃって感じ悪かったなぁわたし...別にあの男の子、変なこと言ったわけじゃなかったのに...

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