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運命に刃向かえますか?神様に歯向かえますか? 。

白海

6、可哀想な神様



 ___  クラパディアン 、それがこの世界の名前だった。クラパディアンと云う世界には、"魔法"が存在し、それに伴い害を成す魔物達も生きている。


 クラパディアンには、昔から伝えられている神話があった。この世界は、一度 破壊の神であり創造の神、ラプラタス・ヴァイオレット により 造られたのだと云う神話が。神は、愛する者を奪われ 怒り狂い、天地を裂き 一度世界を滅ぼした。しかし、また新たに世界をお造りになる。… つまり、それが この世界なのだ。





「 __ 僕が創ったんだ。この世界をね。」


  いとも簡単に言う彼は、やはり神なのだろう。もはや疑う気力すら消え、呆然と彼を見詰めた。


「君の一番最初の前世は、僕の愛する子だったんだ。本当に、世界で一番 … なのに、突然 奪われたんだ。だから、壊した。それだけの話。」



 私は、彼の愛する人だったらしい。

でも、やっと 分かった。きっと、先程から疼くこの気持ちは、その人のものなのだと。
 理由を知ったら、急に可哀想に思えてしまう。彼は、引き裂かれるような絶望に心を殺されたのだろう。


 ___ 私も、大切なものを失う痛みは知っていた。唐突に 、大切な人が奪われる。何て理不尽で、何て残酷何だろうか。もうこの世界には居ないと理解していても、気付けば 探している。

 哀れにも思えるけれど、身近な死と云うのは 現実味がない。まだ生きているんじゃないか、なんて 惨めな 期待が、頭を掠める。

彼も、苦しかったんだろう。


 分かるからこそ、辛かった。どうして、心を殺してしまったのか。どうして、世界を壊してしまったのか。苦しくて、痛かった。涙が滲む。

 
 彼は、少し切なそうに 笑った。


「優しいんだね。僕は君を苦しめるのに。」


 確かに、そうだ。彼は、私を苦しめようとしている。何故 愛する人だった来世の私を痛めつけるのか、矛盾で分からない。でも、彼のその気持ちは本当だと思ったから。



「____ 君には、力を与えた。神の力を一部ね。勿論、一部と言っても強力だ。君一人で、世界だって壊せるだろう。身体も、簡単には傷つかない。簡単に死なれちゃつまらないからね。… 君は、さっき僕と口付けをした。あれは、"契約"何だ。力を使う時、君の髪は 僕と同じ シルバーに染まるだろう … 君の転生するマリアは、僕が運命を仕組んだ子。悲惨な末路を辿る運命。__ 背くも 流れるも、君次第だよ、マリア 。 … じゃあね、また。強く生きて、" ヴァイオレット・ファリストリス・マリア” 。」



 その声と同時に、私の意識はまた薄れた。最後に見えたのは、苦しそうに笑う 神様の表情。抱き締めようと無意識に伸ばした手は、届かずに 世界に溶けていった ___ 





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