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運命に刃向かえますか?神様に歯向かえますか? 。

白海

4、口付け


 心の中で悲鳴を上げた。

何処までも、誰かが彼を拒絶している。これは、誰の感情なの … ? 。そんな私に気付いた彼が、


「言っただろ? 、僕はずぅっと君を愛していたんだ! 。魂が生まれ、また 新たな 肉体へと移ってもね。」


 __ そういう事か。


 やっと、理解出来た。理解したくは無かったけれど、分かってしまった。私の怯える様子を嬉嬉として見詰める彼の視線から逃れたくて、目線だけを下げる。

 背筋の凍るような笑い声が、頭に 響いていた。動かない身体は、何かの力によって縛られているようにも感じる程、言うことを聞いてくれない。彼を怖がっているのは過去の"私"。前世なんて信じていなかったけれど、今はもう疑う訳にもいかなかった。

 へへ、と 笑う彼が、自身の手を取る。震えながらも、ぱくぱくと必死に声を出そうと口を動かした。



触らないで ______ !! 



 言葉にならない。苦しげに顔を歪める私を見て、彼は 肩を震わせて、"… 良いね、その顔。滾る。" 舌なめずりをすれば、くすり指を ゆっくり 彼の口に入れたのだ。驚きと不快感に、逃げたくても逃げれない。


 舌が指を絡める度、身体に 震えが走る。
 突然、強い痛み。ビクッとすれば、彼は にやぁ … と 怪しい笑みを浮かべ、口からくすり指を出した。くすり指には、丸い歯跡が付けられているのだ。まるで、束縛のような印が ___ 


「 僕のモノって云う 証だよ っ。」



 彼は、枕詞に お日様みたいな、や 花が咲くような、のような 言葉がピッタリな笑みを私に向けてきた。

 それが、余計に恐ろしい。がくがく震えながらも、やっと身体が動くようになって 過呼吸になりそうな心臓が跳ね上がり、息が苦しくなる。" あーあ。" 、愉快そうに声を漏らした彼は、しゃがみこむ私を見下ろした。


見ないで … 見ないで! 。



 にぃ、と 瞳を細めれば、紅玉の瞳がらんらんと獲物を狙うように輝いた気がした。彼が、目線を合わせるようにしゃがむ。


「ねぇ、苦しい?」

 以下にも、それを見るのは 幸せだと言わんばかりの甘い声だった。はぁっ、はぁっ … 息は上がり、息の吸い方を忘れてしまったような感覚。そんな私に、彼は 無言で口付けをした。 


 柔らかな唇の感触に 、一瞬 硬直するも、恥ずかしさなど感じる余地もない息苦しさ。ぐっと 押すようにキスを続ける彼に、苦しさのせいか涙が零れた。

 身体は5歳程度なのだ。無理もない。突然 絡んできた舌に 目を丸めながらも、何故か 苦しい呼吸は収まっていた。優しく頭を撫でられると、何だか 落ち着いてしまって、自然と 目を瞑っていた。

 __ 暫く、彼は貪るような口付けを続けた。拒もうとしても、何故か嫌ではない私が居た。どうしてだろう。憎いはずなのに、嫌いなはずなのに ___ 


一欠片でも愛しいと感じてしまうなんて … 




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