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運命に刃向かえますか?神様に歯向かえますか? 。

白海

2、空白の世界



_ い、おーい! 。聞こえてる? 

 また、煩い声。少しは静かにして欲しい。折角 、よく分からない夢から覚めれそうなのに。私がお嬢様で、部屋がキラキラで。あんな眩しい世界、もう二度と行きたくないんだから … 。

「起きてって言ってるじゃん!」


 そんな 苛立った声と同時に、私は はっきりと 目を開けた。先程までの 激しい頭痛が嘘のように消えている。

良かった … と 安堵したのはつかの間、今度寝そべっていたのは 真っ白な世界だった。そう、例えるならば 何も書かれていない キャンパスの世界のような、無機質な世界。生命の気配を感じず、酸素すら無いように感じる。


意味が分からない。私は、まだ夢を …? 


「夢じゃないよ、おバカさん。此処は僕の世界。僕と君だけしかいない世界さ。」


 考えを見透かしたような 言葉に、驚き ぱっと 視線をやる。そこには、異様な程に 美しい 少年が、口を尖らせ 腕を組んで立っていた。

まるで、生きていないかの様だった。

 透き通るような白肌、紅玉の瞳、人形のように整った 顔立ち、プラチナの 髪。全てが全て 、人間味のない美を放っている。それがある意味、恐ろしくも 思えて。
 ゆっくり 、後退りする。すると、視界に自分の足が映った。ん?、やけに 短いけど … 

「 まだ気付かないんだ。やっぱり 、おバカさんだね、鈴菜は。君は生まれ変わったんだよ。肉体が変わっているんだ、ついでに 、生きていく 世界もね。」

 むかっ。何度人にバカと言えば気が付くんだろう、この 美少年は。確かに 苛立ちを覚えると同時に、それより 彼の言葉が気掛かりだった。

「 肉体 が変わる? 、世界が変わる?そんな訳 … 」


 人をバカにするのも大概にして欲しい。苛立ちに半ば任せて 立ち上がった瞬間、身体が硬直した。
 
 明らかに、これは私の声ではない。こんな、高くて甘い声はしていないのだから。それに、そこに合ったのは、小さな手。慌てて ほっぺを抓ってみる。原始的な方法ではあるが、痛みは確かにリアルだった。
夢じゃ … 無い? 。


 ___ まさか。私は 、一瞬でもそんな事を思ってしまった 自分を嘲笑った。夢だって、その時は リアルな時もある。稀な一度なのだろう。呆れつつ、彼を見た。しかし、彼も呆れていた。やれやれ 、とは言わんばかりに バカにしていた。

「君は 死んだんだ、麻乃 鈴菜。」

 背筋が凍るように寒い感覚。

私が … 死んだ … ? 


 信じられず、ただただ 彼を凝視する。


「信じられないのも無理はないけど、その肉体とさっき見た光景が証拠だよ。君には、新しい人生が与えられたんだ。」


 まるで 、素晴らしいことじゃないか!とアピールするように腕を広げる彼。そんな光景が、霞んだように見えるのは 私が動揺しているからだろうか。
 
 確かに、私の肉体は明らかに知らないものだった。荒れひとつ無い手は、幼児のように小さく 髪は 金髪 。腰辺りまで伸びていて、ウェーブのかかった 綺麗な 髪だった。クエスチョンマークを頭の中にぶちまけられたような 感覚。

 彼が 此方に視線をやると、不思議な事ではあるが目の前に突然に現れた 鏡の様なもの。驚きながらも、私は 恐る恐る それを見詰めた。

 
  そこにいたのは、知らない小さな女の子だった。食べちゃいたいくらい、可愛い女の子。まだ5歳程度だろうか。あどけない可愛さが、何とも言えない愛らしさを醸し出している。

 
  陶器のような白肌。睫毛に飾られたパッチリと大きな紅玉の瞳。金髪のウェーブのかかった髪は、蜂蜜みたいな甘い色。唇は桜色で、荒れひとつ無い。崩れのない顔立ちは、まるで 人形のよう。

 
 思わず息を呑んだ。これが … 私 … ? 。今日は、やけに変な夢を見る。誤魔化すようにそんな事を心の中で呟くも、否定しきれなくなっている自分がいた。

 悟ったかのように 、悪戯な笑みを浮かべる 彼を、警戒するように 睨んだ。

「貴方は … 誰?」

 彼は愉快そうにきゅっと口角を上げ、楽しげに 断言したのだ。



「僕は神。君の大嫌いな、神様だ。」



神 … 様 … ? 








 

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