ロリかの
天使降臨
情けないことにこのままここで泣かれると他の通行人に迷惑になると思ったのか小学生は大輝の手を引きながら人気の少ない公園に連れて行った。
「ここは薄暗いのであまり人が来ません」
小学生は辺りを見渡しながら大輝をベンチに座らせる。
どっちが年上か分からない言動だ。
「ありがとう……」
ただ大輝はその小学生に感謝することしかできなかった。
大輝の隣に小学生がちょこんと座る。
紺のブレザーに赤いリボンと白いブラウス、下は紺のスカートに黒のニーハイソックス。
どうやらその小学生が通う小学校は私服ではなく制服らしい。
「私は今井美代と言います。小学五年生です。お兄さんのお名前はなんですか」
その小学生、美代はまず自己紹介をしてから大輝に名前を尋ねる。
相手の名前を聞く前に自分の名前を尋ねる。
しっかりしていて礼儀正しい子だと、ここからも分かる。
今井美代。小学五年生。
身長百四十前半。まだ第一次成長が来ていないのか、女性らしいメリハリのはるボディではない。
まん丸い瞳に、人懐っこい性格。
そして清楚で礼儀正しい。
まるで天から降臨した天使のようである。
髪は漆黒のように美しい黒髪で、前髪を眉毛のところで切りそろえている姫カットである。
後ろ髪も長く、腰近くまで伸びている。それにも関わらずに艶があり手入れを怠っていないことが分かる。
「僕は高橋大輝。一応高校二年生」
相手が自己紹介をしてきて、自分の名前を聞いてきたので、大輝もそれに答える。
「……一応?」
美代は少し理解できないのか、首を傾げている。
確かに『一応高校二年生』ってどういう意味か分からない。
「多分、高校二年生ということ」
「もしかして大輝さんは自分の年も分からないのですか」
「……グッ」
きっと美代は大輝のメンタルを傷つけるつもりはなかったのだろう。
ただ純粋に疑問に思っただけだ。
でも、大輝は美代が大輝を馬鹿にしたと思い、心に深い傷をつけられる。
小学生に馬鹿にされるのはきつい。
「大丈夫ですか大輝さん。胸が痛いんですか。救急車呼びますね。あっ、今日は学校だったのでスマホ持ってきてません。公衆電話公衆電話」
胸を押さえて苦しみだした大輝を見て、心臓病だと勘違いした美代は狼狽した表情を浮かべながらスマホで救急車を呼ぼうとするものの、持ってきていないことに気づき、公衆電話を探し始める。
その迅速で的確な判断は、単純に凄いと大輝は思った。
「大丈夫……病気じゃないから」
これは心臓病とか重い病気ではない。
ただの引きこもりの豆腐メンタルである。
「本当に大丈夫ですか。凄く苦しんでいるようでしたけど」
それでも心配なのか美代は大輝の瞳を覗き込んでくる。
「うん、心配かけてごめんね」
「いえ。大輝さんが無事なら私はそれで大丈夫です」
美代も誤解が解けたのか、安堵の表情を浮かべる。
「それにしても大輝さん。一応高校二年生ってどういう意味ですか」
この年頃の子供はいろんなことに疑問を抱く時期なのだろう。
「最近、学校に行ってないから」
なぜこの時正直に美代に話したのか分からない。
もしかしたら自分の話を聞いてほしかったのだろう。
逆にこういう話は身内より、知らない第三者の方が話しやすい。
「もしかして風邪ですか」
美代は風邪を引いていると勘違いしている。
美代の頭の中では多分一週間ぐらい学校を休んでいると思っているのだろう。
「風邪ならマスクをしないとダメですよ。他の人にうつってしまいますからね」
小学生に正論を言われ叱られる高校生。
もちろん、風邪ではないのだが美代は優しくも厳しい女の子のようだ。
「風は引いてないよ」
「そうなんですか……」
美代に怒られてしまったので、一応風邪というのは否定する。
美代も自分が勘違いして怒ってしまったことに気づき、シュンと反省する。
「もう一年ぐらい学校には行ってないんだ」
「一年ですか。長いですね」
美代は純粋に目を見開いて驚いた。
「ここは薄暗いのであまり人が来ません」
小学生は辺りを見渡しながら大輝をベンチに座らせる。
どっちが年上か分からない言動だ。
「ありがとう……」
ただ大輝はその小学生に感謝することしかできなかった。
大輝の隣に小学生がちょこんと座る。
紺のブレザーに赤いリボンと白いブラウス、下は紺のスカートに黒のニーハイソックス。
どうやらその小学生が通う小学校は私服ではなく制服らしい。
「私は今井美代と言います。小学五年生です。お兄さんのお名前はなんですか」
その小学生、美代はまず自己紹介をしてから大輝に名前を尋ねる。
相手の名前を聞く前に自分の名前を尋ねる。
しっかりしていて礼儀正しい子だと、ここからも分かる。
今井美代。小学五年生。
身長百四十前半。まだ第一次成長が来ていないのか、女性らしいメリハリのはるボディではない。
まん丸い瞳に、人懐っこい性格。
そして清楚で礼儀正しい。
まるで天から降臨した天使のようである。
髪は漆黒のように美しい黒髪で、前髪を眉毛のところで切りそろえている姫カットである。
後ろ髪も長く、腰近くまで伸びている。それにも関わらずに艶があり手入れを怠っていないことが分かる。
「僕は高橋大輝。一応高校二年生」
相手が自己紹介をしてきて、自分の名前を聞いてきたので、大輝もそれに答える。
「……一応?」
美代は少し理解できないのか、首を傾げている。
確かに『一応高校二年生』ってどういう意味か分からない。
「多分、高校二年生ということ」
「もしかして大輝さんは自分の年も分からないのですか」
「……グッ」
きっと美代は大輝のメンタルを傷つけるつもりはなかったのだろう。
ただ純粋に疑問に思っただけだ。
でも、大輝は美代が大輝を馬鹿にしたと思い、心に深い傷をつけられる。
小学生に馬鹿にされるのはきつい。
「大丈夫ですか大輝さん。胸が痛いんですか。救急車呼びますね。あっ、今日は学校だったのでスマホ持ってきてません。公衆電話公衆電話」
胸を押さえて苦しみだした大輝を見て、心臓病だと勘違いした美代は狼狽した表情を浮かべながらスマホで救急車を呼ぼうとするものの、持ってきていないことに気づき、公衆電話を探し始める。
その迅速で的確な判断は、単純に凄いと大輝は思った。
「大丈夫……病気じゃないから」
これは心臓病とか重い病気ではない。
ただの引きこもりの豆腐メンタルである。
「本当に大丈夫ですか。凄く苦しんでいるようでしたけど」
それでも心配なのか美代は大輝の瞳を覗き込んでくる。
「うん、心配かけてごめんね」
「いえ。大輝さんが無事なら私はそれで大丈夫です」
美代も誤解が解けたのか、安堵の表情を浮かべる。
「それにしても大輝さん。一応高校二年生ってどういう意味ですか」
この年頃の子供はいろんなことに疑問を抱く時期なのだろう。
「最近、学校に行ってないから」
なぜこの時正直に美代に話したのか分からない。
もしかしたら自分の話を聞いてほしかったのだろう。
逆にこういう話は身内より、知らない第三者の方が話しやすい。
「もしかして風邪ですか」
美代は風邪を引いていると勘違いしている。
美代の頭の中では多分一週間ぐらい学校を休んでいると思っているのだろう。
「風邪ならマスクをしないとダメですよ。他の人にうつってしまいますからね」
小学生に正論を言われ叱られる高校生。
もちろん、風邪ではないのだが美代は優しくも厳しい女の子のようだ。
「風は引いてないよ」
「そうなんですか……」
美代に怒られてしまったので、一応風邪というのは否定する。
美代も自分が勘違いして怒ってしまったことに気づき、シュンと反省する。
「もう一年ぐらい学校には行ってないんだ」
「一年ですか。長いですね」
美代は純粋に目を見開いて驚いた。
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