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高森陽菜はいつも空回り

葵 希帆

 スカートずり下ろし事件

「きゃっ」
「はわわわ、ごめんなさい」

 数秒後の沈黙の後、最初に思考が動き出したのが、スカートを下ろされた女子と陽菜だった。
 スカートを下ろされた女子はすぐにスカートを上げるものの、その下着姿は目に焼き付いている。

 黒の少しアダルトなショーツ。

 一方、スカートを下ろしてしまった陽菜はすぐにお得意の土下座を行う。

「うわ~あの女子災難だったな」
「可哀そう。いきなりスカート下げられたら私だったら泣くわ」
「俺も嫌だ。いきなりズボンを下げられるなんて」
「確かに更衣室では下着姿になるけど、脱ぐのと脱がされるのは違うだろ」

 クラスメイトは、スカートを下ろされた女子生徒を庇い、陽菜を非難するのがほとんどだった。

「ちょっとあなた。一体どういう神経してるのよ」

 スカートを下ろされた女子はカンカンに怒っている。
 確かにスカートを下ろしてしまった陽菜が悪い。
 でも、陽菜は悪い奴ではない。

「ごめんなさい。ごめんなさい」

 今もこうして土下座をしながら誠心誠意謝っている。

「確かにこれはスカートを下ろした高森が悪い。だけど高森だって悪気があってスカートを下ろしたわけじゃないんだ。だからこれぐらいで許してやってもらえないか」

 土下座して謝る陽菜が痛々しくて見ていられなくなった大雅が陽菜へ助け船を出す。

「……佐藤君」

 陽菜は嬉しそうに言葉を漏らす。

「でもっ」

 スカートを下ろされた女子生徒もいきなりスカートを下ろされて精神的に傷ついているのだろう。
 被害者なのに自分が責められているのが気に食わないのか、なぜか大雅が睨まれる。

「ほうほう。なかなか良いパンツを履いてるじゃないか。新品か。気合い入ってるな」
「にゃっ」

 突然目の前の女子生徒のスカートがめくられ、全方向からショーツが見えるようになる。
 今度は前側からのショーツで、再び女子生徒のショーツを見た大雅は言葉をなくす。

「いや~、もう二回目だから恥ずかしくないだろ」

 スカートをめくった男子生徒は爽やかな笑顔で女子生徒に話しかける。

「ぐへふぁ」

 女子生徒は渾身のビンタを男子生徒にお見舞いした。
 その威力は予想よりも大きく、男子生徒が吹っ飛ぶぐらいの威力だった。

「「「最低だ、あいつ」」」

 この瞬間が初めてクラスの心が一つになった瞬間だった。
 あまりにもくだらない理由だったが。



 この日本では数十年前から男女共用社会が定められ、男女の区別や差別がなくなった。
 そのため、トイレや更衣室、お風呂など、男女で分かれていたものが一つになっていた。
 そのため、あの時女子生徒のショーツを見た男子生徒が注意されることはなかった。
 だがもちろん、同性異性問わずに人を不快にさせることは禁止されている。
 例えば、ボディータッチなどが上げられる。つまり、見るのはセーフだが触るのは人によってはアウトということだ。
 今回の場合は男子生徒が悪意を持ってスカートをめくったので、女子生徒に怒られビンタされてしまったのだ。



 その後、スカートを下ろされた女子生徒も男子生徒のおかげで怒りが収まったのか、高森陽菜を許した。

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