百合色は夕焼けに落ちて
どうしてこうなった?
人には絶対に知られたくない秘密というものがある。
知りたくない秘密というのは知っても、自分に利があることはない。
「なんであいつが柊姉妹に懐かれてるだ」
「羨ましい。殺す、殺す」
「私のお姉様が、あんな野郎の毒牙に~」
校内から浴びせられる嫉妬や羨望。
はっきり言って吉田聡は辟易していた。
「どうしたの聡君。朝から疲れてるの。もしかして昨日の夜、一人エッチし過ぎて疲れてるの。聡君も男の子だね」
「夏帆、朝から下品な話題は止めてください。吉田さんが困ってるでしょ」
右側にいる女子生徒が、面白おかしく聡をからかい、左側にいる女子生徒が聡をフォローし、右側にいる女子生徒を窘める。
右側にいる女子生徒は柊夏帆。左側にいる生徒は柊秋帆。
二人は校内二大美少女と呼ばれる双子の姉妹だった。
なぜ、平凡の男子高生、聡が二大美少女の姉妹に朝から囲まれているかと言うと、話は昨日に遡る。
いつも通りの授業を終え、帰りの用意をしていた聡の元に担任の先生がやって来た。
「これ、旧校舎の三階の美術室まで運んでおけな」
担任の先生は、聡の返答も聞かずに教室を出て行ってしまった。
「マジかよ。なんで俺なんだよ」
聡は明らかさまに不機嫌なため息を吐き出す。
「あはは、ご愁傷さま、聡」
ケラケラ笑いながら聡をからかってきた男子生徒は高田順次。聡の友達である。
身長百八十前半と高く、しかもガッチリしている。
そんな順次はサッカー部のエース。運動神経も良く、イケメンな順次はモテモテだった。
明るい性格に加え、お茶ら気もありクラスのムードメーカな存在だ。
だからこそ、順次は人気がある。噂によれば順次のファンクラブもあるらしい。
そんな順次と真逆のモブ、吉田聡。
聡の身長は百七十後半と、順次とそこまで変わらないが運動をしていないため、ヒョロヒョロである。
運動神経も良いわけでもなければ、学力も平々凡々。
クラスで言う空気みたいな生徒だった。
そんな聡と順次の付き合いは長く、高校一年生の時から続いている。
もし、順次と同じクラスでなかったら、順次と友達にはなっていなかっただろう。
それぐらい順次と聡の生きる世界は違すぎる。
「なら代わりに順次が運んでくれよ。足、速いだろ」
「悪い悪い。俺部活だった」
「今まで話していたのに」
「それに女子マネージャーが俺のこと呼んでるぜ。さらばだ、聡」
「なんて見え付いた嘘を」
順次になすりつけようとした瞬間、見え見えの嘘を付いて順次は教室を飛び出していった。
もちろん聡も本気で押し付けるつもりもなく、順次もそれが分かったうえでつまらない冗談を言って出て行った。
そんな順次が面白くて、笑いが込み上げてくる。
順次は最高だ。
「ホント、順次は面白いな」
聡はこの生活に満足していた。
友達は決して多くはないが、冗談を言い合える友達や、聡の良き理解者もいる。
だからこそ、この平穏な日常が卒業するまで続くと思っていた。
この日までは。
知りたくない秘密というのは知っても、自分に利があることはない。
「なんであいつが柊姉妹に懐かれてるだ」
「羨ましい。殺す、殺す」
「私のお姉様が、あんな野郎の毒牙に~」
校内から浴びせられる嫉妬や羨望。
はっきり言って吉田聡は辟易していた。
「どうしたの聡君。朝から疲れてるの。もしかして昨日の夜、一人エッチし過ぎて疲れてるの。聡君も男の子だね」
「夏帆、朝から下品な話題は止めてください。吉田さんが困ってるでしょ」
右側にいる女子生徒が、面白おかしく聡をからかい、左側にいる女子生徒が聡をフォローし、右側にいる女子生徒を窘める。
右側にいる女子生徒は柊夏帆。左側にいる生徒は柊秋帆。
二人は校内二大美少女と呼ばれる双子の姉妹だった。
なぜ、平凡の男子高生、聡が二大美少女の姉妹に朝から囲まれているかと言うと、話は昨日に遡る。
いつも通りの授業を終え、帰りの用意をしていた聡の元に担任の先生がやって来た。
「これ、旧校舎の三階の美術室まで運んでおけな」
担任の先生は、聡の返答も聞かずに教室を出て行ってしまった。
「マジかよ。なんで俺なんだよ」
聡は明らかさまに不機嫌なため息を吐き出す。
「あはは、ご愁傷さま、聡」
ケラケラ笑いながら聡をからかってきた男子生徒は高田順次。聡の友達である。
身長百八十前半と高く、しかもガッチリしている。
そんな順次はサッカー部のエース。運動神経も良く、イケメンな順次はモテモテだった。
明るい性格に加え、お茶ら気もありクラスのムードメーカな存在だ。
だからこそ、順次は人気がある。噂によれば順次のファンクラブもあるらしい。
そんな順次と真逆のモブ、吉田聡。
聡の身長は百七十後半と、順次とそこまで変わらないが運動をしていないため、ヒョロヒョロである。
運動神経も良いわけでもなければ、学力も平々凡々。
クラスで言う空気みたいな生徒だった。
そんな聡と順次の付き合いは長く、高校一年生の時から続いている。
もし、順次と同じクラスでなかったら、順次と友達にはなっていなかっただろう。
それぐらい順次と聡の生きる世界は違すぎる。
「なら代わりに順次が運んでくれよ。足、速いだろ」
「悪い悪い。俺部活だった」
「今まで話していたのに」
「それに女子マネージャーが俺のこと呼んでるぜ。さらばだ、聡」
「なんて見え付いた嘘を」
順次になすりつけようとした瞬間、見え見えの嘘を付いて順次は教室を飛び出していった。
もちろん聡も本気で押し付けるつもりもなく、順次もそれが分かったうえでつまらない冗談を言って出て行った。
そんな順次が面白くて、笑いが込み上げてくる。
順次は最高だ。
「ホント、順次は面白いな」
聡はこの生活に満足していた。
友達は決して多くはないが、冗談を言い合える友達や、聡の良き理解者もいる。
だからこそ、この平穏な日常が卒業するまで続くと思っていた。
この日までは。
「百合色は夕焼けに落ちて」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
高校で幼馴染と俺を振った高嶺の花に再会した!
-
3,009
-
-
とても人気ある生徒会長の姉は、ブラコン過ぎてヤバイ(暴走気味)
-
2,533
-
-
【完結】幼馴染の専業ニセ嫁始めましたが、どうやらニセ夫の溺愛は本物のようです
-
68
-
-
どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
-
484
-
-
コマンド見えるようになったので、ハーレム作ります!
-
350
-
-
僕と彼女たちのありきたりなようで、ありきたりではない日常。
-
465
-
-
脇役転生の筈だった
-
485
-
-
会社員(26歳)の俺にJKのストーカーがいるんだが。
-
175
-
-
感じるのは快楽だけ
-
259
-
-
学校一の美少女がある日俺の妹になりました
-
1,597
-
-
俺の妹はヤンデレでした
-
574
-
-
美少女同級生が新たな家族に!!
-
1,377
-
-
義妹は引きこもり美女
-
1,072
-
-
その魔法は僕には効かない。
-
41
-
-
99回告白したけどダメでした
-
768
-
-
は、魔王?そんなのうちのブラコン妹の方が100倍危ないんだが
-
539
-
-
婚約破棄から1年後・・・・・・
-
261
-
-
非リア充の俺がまともに恋なんてできるはずがないと思った
-
107
-
-
オタクは死んでいる
-
25
-
コメント