絶対お兄ちゃん主義!
歪な形
「皆さん知り合いですか?」
この中で3人を知らないのは当然恋だけ。
今日出会わなかったら俺も知らなかったのだが。
「当然。この先輩らに今日ナンパされた」
ヒヤリ。
恋と姉さんから氷の様に固まった空気が発せられた。
バカ2人のどちらかが入れば溶かしてくれるんだけどな。
「お兄ちゃん、私より年下のナンパでしたか……」
「やっぱり、妹萌え」
「従姉妹にお兄ちゃんって呼ばせてるぞこいつ」
「遠野先輩競争率高そうだなぁ……」
「ユキってやっぱり女たらし……」
……なんでこんな空気なの?
俺、なんか悪い事したのかな?
姉さんが何故三つ子が新しい家族として招き入れられたかの話をしてくれた。
内容をまとめると彼女らは、遠野川江(戸籍上の母)の従姉妹の娘であるらしい。
その川江の従姉妹が最近亡くなってしまったらしい。
巫女、恋は遠い親戚で、俺に至っては川江と血の繋がりはない為赤の他人である。
引き取る親戚だが、親戚の少ない家らしく引き取れたとしても一気に三つ子を引き取れる家が無い為らしい。
三つ子も離れ離れは嫌らしく、川江も従姉妹と仲が良かった為に引き取ったとの事。
それに遠野家は遠野グループという遠野国成(戸籍上の父)がトップの人間、川江も世界的に有名な占い師であるためとても貯金があるらしい。
そういう面からも引き取れる要因だったのであろう。
話は逸れるが家族みんな質素なのを好む為、マンガみたいな豪邸に住んでいたりはしない。
この家もただの一軒家、姉のマンションも普通より少し上等なマンションってぐらいだ。
当然今日から八重坂から遠野へと苗字が変わる。
「なるほど、紹介って事ね。姉さんの家暮らし?三つ子だけ別の家?」
「うちの部屋そんなに広くないし他の住み処もないみたい。ならなんで連れて来たのかもうわかったよね?」
「待て」
察したけど察したくない。
この家で暮らさせようとしている。
何故面倒事を俺に引き渡すのか……。
「三つ子達3人暮らしでも良いんじゃないの?俺達部外者で遠慮しちまうだろ?」
「本当にね。父親が居ないから母親1人で育てていたけど家にほとんど帰れない人みたいでずっと3人で暮らしてきたものみたいよ」
「尚更3人暮らしでいいじゃんよ……」
その方がお互いの為な気がする。
音達もその話での反応を見ると3人暮らし派である音とめぐり。
瑠璃はどちらも楽しそうという反応でほぼ満場一致の様なものである。
「ぶっちゃけ私とママは3人暮らしをさせるものだと考えていたんだけど、パパっちが達裄のところに送ろうって決定したのよね」
「色々言いたい事はあるが、あんたパパっちとママとか呼んでんのかよ」
「パパラッチが達裄なら間違いがあっても受け止めきれるからって」
「パパラッチってもはや赤の他人じゃないか」
パパっちとパパラッチ。
すげー、1文字追加するだけで血の繋がり消えるぞ!
ん?おぉ、俺も1つ思い浮かんでしまった。
「なぁ姉さん」
「どうしたのよ?」
「『ハハ』ってあるじゃん。そのままで母、濁点付けるとババ」
「悲しいね、急に歳を取ってしまったね」
「半濁点でパパ!性別が変わった!」
「すげー!あんた天才じゃん」
2人で盛り上がる姉弟と、冷めた目で見守る妹達。
これじゃあどっちが年上かわかったもんじゃねーな。
「ねぇ達裄」
「ん?妹4人さっきから黙ってんだけど話進ませようぜ」
「ヒーローって英語でHEROじゃん」
「この話題続行!?」
「これを区切ってH・ERO!」
「すげー!正義の味方からただの変態じゃん!」
「正義の味方も落ちぶれるものね……」
「ソウルジェムは濁るからキレイにするんだよ……」
しんみりする2人。
もはや自分でも何言ってんのかよくわかってない。
今更突っ込むのもなんだが、言い訳がなんか聞いた事ある。
恋が来た時も同じ事言われた気がする。
というかあの人の俺への信頼度がよくわからん。
「なぁ、遠野先輩と巫女さんの話まだ終わんないのか?あたし腹減ったよ」
音の言葉を聞いた瞬間そういえば俺も空腹だった事を思い出し、急に腹が減った。
現金な体だなと思いつつまだ玄関での会話だったので居間に移ろうとする。
恋が三つ子に「こちらだよ~」って案内をしていたが姉さんが「自分はもう帰る」からと居間には行かないらしい。
「なんだよ、飯作ったのにあんた要らないのか?」
「お兄ちゃん作ってないじゃないですか……」
「そうだったな、ごめん」
居間から戻った恋はまたこちらに引き返して、俺の隣にすたすたと歩いて来たのだった。
「まさか達裄から飯の誘いなんてね。でも今日はパス。恋、ちょっと見送りに来てくれない」
「わかったのです」
恋と姉さんはドアから2人出て行った。
別に俺は姉さんの事口で言う程嫌っているわけではない。
婚約をしたとなったらイヤイヤながら受けると思う。
さて、そんな事よりあいつらに言っておく事があるな。
この中で3人を知らないのは当然恋だけ。
今日出会わなかったら俺も知らなかったのだが。
「当然。この先輩らに今日ナンパされた」
ヒヤリ。
恋と姉さんから氷の様に固まった空気が発せられた。
バカ2人のどちらかが入れば溶かしてくれるんだけどな。
「お兄ちゃん、私より年下のナンパでしたか……」
「やっぱり、妹萌え」
「従姉妹にお兄ちゃんって呼ばせてるぞこいつ」
「遠野先輩競争率高そうだなぁ……」
「ユキってやっぱり女たらし……」
……なんでこんな空気なの?
俺、なんか悪い事したのかな?
姉さんが何故三つ子が新しい家族として招き入れられたかの話をしてくれた。
内容をまとめると彼女らは、遠野川江(戸籍上の母)の従姉妹の娘であるらしい。
その川江の従姉妹が最近亡くなってしまったらしい。
巫女、恋は遠い親戚で、俺に至っては川江と血の繋がりはない為赤の他人である。
引き取る親戚だが、親戚の少ない家らしく引き取れたとしても一気に三つ子を引き取れる家が無い為らしい。
三つ子も離れ離れは嫌らしく、川江も従姉妹と仲が良かった為に引き取ったとの事。
それに遠野家は遠野グループという遠野国成(戸籍上の父)がトップの人間、川江も世界的に有名な占い師であるためとても貯金があるらしい。
そういう面からも引き取れる要因だったのであろう。
話は逸れるが家族みんな質素なのを好む為、マンガみたいな豪邸に住んでいたりはしない。
この家もただの一軒家、姉のマンションも普通より少し上等なマンションってぐらいだ。
当然今日から八重坂から遠野へと苗字が変わる。
「なるほど、紹介って事ね。姉さんの家暮らし?三つ子だけ別の家?」
「うちの部屋そんなに広くないし他の住み処もないみたい。ならなんで連れて来たのかもうわかったよね?」
「待て」
察したけど察したくない。
この家で暮らさせようとしている。
何故面倒事を俺に引き渡すのか……。
「三つ子達3人暮らしでも良いんじゃないの?俺達部外者で遠慮しちまうだろ?」
「本当にね。父親が居ないから母親1人で育てていたけど家にほとんど帰れない人みたいでずっと3人で暮らしてきたものみたいよ」
「尚更3人暮らしでいいじゃんよ……」
その方がお互いの為な気がする。
音達もその話での反応を見ると3人暮らし派である音とめぐり。
瑠璃はどちらも楽しそうという反応でほぼ満場一致の様なものである。
「ぶっちゃけ私とママは3人暮らしをさせるものだと考えていたんだけど、パパっちが達裄のところに送ろうって決定したのよね」
「色々言いたい事はあるが、あんたパパっちとママとか呼んでんのかよ」
「パパラッチが達裄なら間違いがあっても受け止めきれるからって」
「パパラッチってもはや赤の他人じゃないか」
パパっちとパパラッチ。
すげー、1文字追加するだけで血の繋がり消えるぞ!
ん?おぉ、俺も1つ思い浮かんでしまった。
「なぁ姉さん」
「どうしたのよ?」
「『ハハ』ってあるじゃん。そのままで母、濁点付けるとババ」
「悲しいね、急に歳を取ってしまったね」
「半濁点でパパ!性別が変わった!」
「すげー!あんた天才じゃん」
2人で盛り上がる姉弟と、冷めた目で見守る妹達。
これじゃあどっちが年上かわかったもんじゃねーな。
「ねぇ達裄」
「ん?妹4人さっきから黙ってんだけど話進ませようぜ」
「ヒーローって英語でHEROじゃん」
「この話題続行!?」
「これを区切ってH・ERO!」
「すげー!正義の味方からただの変態じゃん!」
「正義の味方も落ちぶれるものね……」
「ソウルジェムは濁るからキレイにするんだよ……」
しんみりする2人。
もはや自分でも何言ってんのかよくわかってない。
今更突っ込むのもなんだが、言い訳がなんか聞いた事ある。
恋が来た時も同じ事言われた気がする。
というかあの人の俺への信頼度がよくわからん。
「なぁ、遠野先輩と巫女さんの話まだ終わんないのか?あたし腹減ったよ」
音の言葉を聞いた瞬間そういえば俺も空腹だった事を思い出し、急に腹が減った。
現金な体だなと思いつつまだ玄関での会話だったので居間に移ろうとする。
恋が三つ子に「こちらだよ~」って案内をしていたが姉さんが「自分はもう帰る」からと居間には行かないらしい。
「なんだよ、飯作ったのにあんた要らないのか?」
「お兄ちゃん作ってないじゃないですか……」
「そうだったな、ごめん」
居間から戻った恋はまたこちらに引き返して、俺の隣にすたすたと歩いて来たのだった。
「まさか達裄から飯の誘いなんてね。でも今日はパス。恋、ちょっと見送りに来てくれない」
「わかったのです」
恋と姉さんはドアから2人出て行った。
別に俺は姉さんの事口で言う程嫌っているわけではない。
婚約をしたとなったらイヤイヤながら受けると思う。
さて、そんな事よりあいつらに言っておく事があるな。
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