兎と聖女、鬼と王女のぶらり旅〜チートだけどのんびり生きたい〜

みどりぃ

16 泣かないように

 今私は晩ご飯の準備中です。
 レンに言われて晩ご飯を用意してるんだけど、昨日も一昨日もバイソン料理だし、そろそろ変えたいな。

 そう思って外の食材庫を見てみるけどやっぱりバイソンしかないんだけどね。

 でもリリア以外皆んな美味しそうに食べてくれるし、リリアには悪いけど今日もバイソン料理だね。

 そうして料理をしていると、やっぱり慣れちゃってるからか体が勝手に動き出す。
 リリアはそれを言うと羨ましいとか女子力がーとか言うけど、今はちょっと困るかな。

 体が勝手に動く分、どうしても頭が色々考えちゃうもん。

 それで思い返すのはやっぱり昨日の事。
 レン達がお手伝いで外に居る時間にあの人達はいきなり来た。

「ウィーク教会」

 私が居た教会を目の敵にしていたって聞いた事がある。
 そこの人達が来て私にウィーク教会で聖女をして欲しいって言ってきたんだよね。

 嫌だって言ったんだけど、だったらと教会の立場でレン達を追い出すように言ってきた。といってもそれはついでみたいで、あの人達からしたらあとちょっとで16歳になる私を外に出して引き取るが目的みたい。

 お父さんも反論してくれたりしたけど、小さいとは言え教会は教会。逆らえなくて結局皆んな出て行く事になっちゃった。

 今考えても泣きたくなるけど、でもレンは泣くなって言ったし我慢しなきゃ。
 最初は泣かれても迷惑とか思われたかと思ったけど、笑った方が良いって言ってくれたし。

 レンは私達に隠し事はしても変な嘘はつかないから、きっとあの言葉も本当なんだと思う。なら、ちゃんと笑ってなきゃ。

 そう思って熱くなる目頭に力を入れる。そうだよ、泣く前にまずは晩ご飯。それで、皆んなにお話しないと。

 そう考えてたら、扉が開いた。目を向けるとちょっと前に出て行ったレンだった。

「すまんすまん、忘れ物ですわ」
「おいおい、頼むぜぇ?」
「うっかりしてるわね。しっかりしなさいよ」
「ボロカス言われるー」

 リリア達と話すレンはこちらに目線を向けると、少し笑った。

「お、なんか良い匂いしてるなー。晩飯が楽しみだわ」
「うん、頑張って美味しいの作るからね」

 それにつられてなんか笑っちゃった。すごいな、レンと話すとなんか元気になりちゃうよ。

 それから自室に戻ってすぐに出てくるレン。何も持ち出したようには見えないけど、何を忘れたんだろ?

 そんな事を思ってたら、レンはオウガの所に行って何かお話してた。

「ウィー…教………知っ……?」
「あぁ……隣…国………小さ…………けど」

 いつも見たいに大声で笑ったりせず普通のトーンて話す2人。普通なんだろうけど、この2人の場合だと逆に違和感があるね。

 そのせいかお父さんもリリアもなんとも言えない顔で2人を見てるし。

「んじゃまぁ、行ってきまーす」
「ったく、晩飯遅れんじゃねェぞー」
「早く行きなさいよ、間に合わなくなるわよ」

 いつもみたいにお父さんかリリアが早く行けとか怒る前に出て行くレン。
 なんか珍しいな。

 レンが出て行ってそれぞれの作業や暇つぶしに戻る。
 私も料理をしようとした時、ふと視界の端に映ったオウガを見ると。

「………」

 なんか考え込むような、困惑したような表情に見えた。

 もしかしたらまたレンが変な事言っちゃったのかな。仲良しだから出来るんだろうけど、程々にしないとダメだよ。
 そう心の中で言いつつ、レンが出て行った扉をぼーっと見ちゃってた。

 危ない危ない、それより料理しないとだね!

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