兎と聖女、鬼と王女のぶらり旅〜チートだけどのんびり生きたい〜

みどりぃ

15 ジャンプは着地するまで

 さてとー。とりあえずは探すか。

 俺は森の中まで行くと立ち止まって魔力を高めて変換していく。

「『神転身』」

 発動した途端に溢れ出す全能感。この感覚はたまらんね。感覚が広がっていく感じに高揚感がある。

「さてとー」

 俺は魔力を探っていく。孤児院や村の皆の魔力は覚えている。だからそれ以外の魔力を見つけ出す。
 まぁそれはすぐに見つかった。

 村唯一の宿泊施設。そこにいた。
 ……結構普通に滞在してるとは。わざわざ森まで来る必要なかったじゃん。

「ふざけやがって」

 変なとこに怒ってる自覚はあったが、八つ当たりもしたくなるだろ。わざわざここまで来た意味よ。
 けどまぁ見つけれた事だしとりあえずいっか。

「んで、次は確認っと」

 宿泊施設に向けてダッシュ。のんびり歩いて来た道を一瞬で戻る。この虚しさたるや。
 
 そして森を抜けたらジャーンプ。
 飛ぶ鳥を上から見れるくらいに跳んで、宿泊施設の屋上に着地する。

 洗濯物やら箱やらがあるけど、踏まないように空中で頑張って軌道修正。
 これで誰にも見られず辿り着ける。

 さて、ここが一番難しい。建物壊さないようにそっと、そーっと着地。

――ボゴォオン!!

 てへ。天井ぶちぬいちゃった。

「な、何事だっ!?」

 しかも例の教会のやつらの部屋。俺はすぐに近くにあった布を顔に巻きつける。

「な、なんだこいつ!」
「なんて怪しいやつだ!」
「変態が天井から落ちてきた!」

 ……なんかひでぇ言われようだ。と、ふと窓に映った自分が視界におさまる。

「…なぜに?」

 俺の顔には女性用下着が巻かれてた。あれか?屋上で干してたやつか?
 だが興奮するには判断材料が足りないっ!むしろ、店主のおばあちゃんのやつの可能性が!

  なんて葛藤してる場合じゃないかー。教会のやつらを見る。
 今にも逃げそう。うん、面倒になりそーだし気絶させとこ。

「ほっ」

 神力ってのかね。この身体から溢れてる白金の光をあいつらにぽーい。

「……っ…!」

 そしたら声もなく倒れるあいつら。
 なんか神力って魔力を弾いたり消したりする効果もあるみたいでね。
 直接当てたら魔力枯渇でお寝んねですよ。どうです奥さん、子守唄より便利ですよ。

 さてと、予定とは違うけどいっか。おっさんの懐なんて探りたくもないけど我慢しまっす。

「これか?んー」

 表紙にマークが入った手帳みたいなのを発見。中身を見てみると、お目当ての文字があった。

“ウィーク教”

 なるほどなるほど、知らね。よし良かった、楽な方だ。

「お客さん、何を騒いでるんだい!」
「やば」

 そう確認した俺はさっさと部屋を後にした。

「兎と聖女、鬼と王女のぶらり旅〜チートだけどのんびり生きたい〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く