兎と聖女、鬼と王女のぶらり旅〜チートだけどのんびり生きたい〜

みどりぃ

13 孤児院追放?

「それじゃあお前ら、今日から卒業なぁ」
「「「はぁ?」」」

 冬も後半、気持ち程度に暖かくなってきた今日この頃。
 囲炉裏の周りでそろそろ仕事が増えてくるなーめんどくせーとか言ってた矢先に親父から告げられた言葉。
  さすがに訳が分からないと聞き返す俺とオウガとリリア。
 よく見ると親父の横にはフィアが泣きそうな顔で立っていた。
 うん、なにがなんだか分からん。

「なにがなんだか分からん」
「右に同じ」
「そうよ、説明しなさいよ」

 身を乗り出す俺らに親父も囲炉裏に座りこむ。

「フィアも座りなぁ。さてお前ら、孤児院ってのは何歳まで子供を置いておけるか知ってるかぁ?」
「確か成人までよね?」

 そう、この世界では16歳から成人扱いになる。
 だから俺らは全員年齢制限オーバーなのは確かだ。でも、

「でもよ、こんな辺境だし適当でも大丈夫なんじゃなかったのか?」

 オウガの言った内容の通りで、実際に親父にそう言われて俺達はここに残って暮らしていた。

「あぁ、そうだったんだがなぁ。先日教会の人らが来て、すぐに追い出せって言い出したんだよ」
「ふーん、教会ねぇ」

 なるほど、見えてきたわ。それでフィアが、か。

「なんで教会の手がこんなとこに伸びてきてるのよ。ここの村には教会なんてないじゃない」
「それはわしにも分からんなぁ。とは言えわしが逆らってどうこうなる相手でもない」
「まぁそうだろォけどよ。なんか怪しくねェか?」

 オウガも気付いたようだな。オウガ結構鋭いもんなー。

「まぁなぁ。だから、お前らは面倒事に巻き込まれる前に出て行きなぁ?」
「この村の適当な家借りるのじゃダメなん?」

 一応聞いてみる。
 別に稼ぎどうこうもほとんど関係ないに等しい自給自足の村だし、家賃くらいどうにでもなる。

「ダメじゃない……けど、なんか嫌な予感がなぁ」
「嫌な予感?」
「まぁ気にしなくていいぞ。じじいのボケて錆び付いた勘だしなぁ」

 いや、正しいだろーね。
 俺とオウガは同時に溜息をついた。それに気付いた俺らはお互い目を合わせて頷き合う。

「しゃーねェな。親父にも飛び火しちゃいけねェし、出て行くとするか」
「そーだなー、とりあえずは冬の間だけでもそこらへんに住むし、また遊びに来るわ」

 そう言って立ち上がる俺とオウガ。

「ちょ、ちょっとあんた達っ?!」
「リリア、お前も出るぞ」
「ふざけないで!嫌に決まってるじゃない!」

 リリアをオウガが促すも、リリアは座り込んだままだ。すげぇデカイ声で拒否ってる。うわ鼓膜いったぁ…

「あんた達もあんた達よ!なんでそんな簡単に出て行くとか言えるわけ?!」
「だから村には居るし、そんな変わらなくね?」
「この家に居たいのよっ!」

 リリアは目に涙を浮かべて叫ぶ。大人しく親父の横に座っていたフィアも俯いて泣いている。

 ーーうーん、どうしよっかね。


「兎と聖女、鬼と王女のぶらり旅〜チートだけどのんびり生きたい〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く