兎と聖女、鬼と王女のぶらり旅〜チートだけどのんびり生きたい〜

みどりぃ

4 リリア

 私はリリアよ。年齢?なんてヤボなこと聞くのよ。…19歳よ。

 こんな性格や口調だけど、こう見えて昔は辺境の国の姫だったのよ?まぁ今は縁も切ってただのリリアだし関係ないんだけどね。

 今私が暮らしてるのはこれまた辺境の村にある孤児院。皆んなバカばっかりだけど良いヤツらだから楽しく過ごしてるわ。

 今日は定期的にやってる魔物除けの匂いを撒くのに薬品を持って森へと向かってる。
 たまに魔物が出るけど、魔法でちょちょいと片付くレベルの地域だし問題ないわ。

 それより問題なのはあいつらよ。すぐサボって遊んだりだらけたりする男2人。どうせ今日もサボるだろうから早く済ませて向かわないといけないわ。

「ぐるるぅ…」

 薬品を撒こうと向かう途中に犬みたいな魔物が1匹。
 こーゆーのって群れでいるんじゃなかったかしら?まぁいいわ、どの道倒してしまえば関係ないもの。

「火よ、『火球』」
「ぎゃおぉんっ!」

 一説省略の火球魔法。大した威力は持たせれないはずの魔法でも、私のスキルがあれば関係ないわ。
 頭を吹き飛ばしてハイおしまい。

――ドオオオォォオン

 ーーといかないのが私の課題でもあるのよね……跡形もなく消し飛んだ魔物に、私は苦笑いを浮かべてしまう。

「うーん、難しいわね…」

 そう、スキルのおかげで威力に困らないのだが、どうも手加減が効かない。そのせいで私は狩りが苦手なの。だって食糧をとろうにも何も残らないのだから。
 
 おかげで昔は爆弾なんて呼ばれたものだわ。

 まぁ風魔法なら問題ないが、こちらはスキルの影響外なので威力は普通程度しかない。元々威力という面では物足りない風魔法なので、つい魔物には火魔法を選んでしまうのよね。

 つい考え込んでしまいたくなるけど、今はそんな事をしてる場合じゃない。仕事を済ませてあいつらのケツを叩いてやらないと。

 そう思う事で思考に陥りそうな頭を切り替えて仕事をこなしていく。無事昼頃には終わり、その足ですぐに畑へと向かった。


 案の定サボろうとしてたあいつらを仕事に戻らせ、私も手伝って早く帰るように頑張った。だって今日のご飯は私の好物だってフィアが言ってたんだもの。

 とは言え元々結構終わらせてたみたいで、畑の手入れ自体はすぐに済んだ。帰りの食糧調達は少ないながらもそれなりの量を確保出来ていた。
 その時、ふと魔力を感じて振り返る。

 同時にオウガも振り返った事だし、気のせいって事はなさそう。ここは村人は立ち寄らない場所だし、遠慮なく仕掛けても問題ない。
 そう判断した時点で風魔法『風刃』を放った。危うく火魔法を使いそうになったけど、ギリギリ思い直して発動してやったわ。

 でもどうやら逃したみたい。悪くないタイミングだと思ったのに。
 もしかしたら結構やり手の相手かも。魔物は弱いのしかいない地域だし、もしかしたら刺客とかかも知れない。

 そこから家に着くまでは油断せず周囲に気を配った。けど、仕掛けてくる様子どころか気配すら感じなかったわ。
 道中も飄々とした態度を崩さないレンが羨ましいったらないわね。結局何もなかったから余計にそう思ってしまうわ。

「リリアもオウガも怖い顔すんなよ。似たとこあるよなー」
「あ?どこが似てんだよ?」
「私とこいつが?ふざけるのも大概にしないよ」
「そーゆーとこだよ」

  へらへら笑うレンにぎゃーぎゃーと言葉をぶつける私とオウガ。でも堪えた様子もなくレンは笑っている。

でもおかげでそこまで気を張り過ぎずにいられたわ。レンの雰囲気はすぐピリピリしにゃう私にとって実はありがたいのよね。
 まぁ私をオウガなんかと一緒扱いしたのは許せないけどね。あんな野蛮なやつとセット扱いなんてしないで欲しいわ。

 家に着いたら早速男共がわいわいと騒いでる。ホント毎日飽きずに楽しそうだこと。私まで楽しくなっちゃうじゃない。

 フィアの美味しい料理を丁度出来たてで食べれるのはラッキーだったわ。私の好きなシチューだし、今日はホントに良い日だわ。
 
 明日もこれからもこんな良い日が続くんだろうな。いえ、そうなるように頑張らないといけないわね。

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