兎と聖女、鬼と王女のぶらり旅〜チートだけどのんびり生きたい〜

みどりぃ

プロローグ

 いきなりの自己紹介でなんだが、俺の名前はレン。17年前に異世界転生したしがない転生者だ。

 何やら前世でもよくある特典みたいなもんももらったりしたけど、使う場面もあんまないし気ままに過ごしてきた。

「おいレン、サボってんじゃねェぞこら!」
「えー、だって疲れたし」
「俺だって疲れてんだよ!いいからやれや!」

 この口うるさいのはオウガ。一個上で口やかましいけど、面倒見の良い兄貴分みたいな感じ。ちょっとガラが悪くて血の気が多いとこはまぁ愛敬かね。

「ったく、さっさと終わらせて飯食おうぜ。腹減った」
「俺もー。てか腹減ったし先にご飯食っちゃわね?」

 ちなみに今は昼前の畑の手入れをしている。農家って訳じゃないんだけど、俺一応孤児なもんで、孤児院のお手伝いってやつですわ。

「お前バッカ、何言ってんだ……アリだな」
「だろ?」

 オウガも我慢出来なかったみたいで、手に持ったクワを放り投げて木陰に置いていた弁当に向かって歩き出した。俺?オウガより前を歩いてるとだけ言っておく。

「ちょっとアンタ達!サボってないで終わらせなさいよ!」
「うげ!」
「ちっ」

 面倒くさいのが来た、と嫌な顔をするオウガと思わず舌打ちする俺。そんな2人の表情にも構わず距離を詰めてくる女性。

「うるせェよリリア!食ったらやるっての!」
「食う前に終わらせないとどうせダラダラしちゃうでしょ!父さんに言われたでしょ、やってから食べなさいって!」

 彼女はリリア。二個上の気の強い彼女は、みんなのお姉さんみたいな感じ。てかもはやなんかもう姐さんって感じな人。

「だよねーリリア。俺も止めたんだけど聞かなくって」
「お前俺を売る気か?!」
「アンタ先頭突っ切ってたでしょ!ウソつかないの!」

 バレたか。仕方ない、飯は諦めて仕事に戻るしかないか。

 その後なんやかんやでリリアも手伝ってくれて、畑の手入れを済ました。今度こそ飯を食って俺達は孤児院へと戻る。

その帰り道に小動物やら木の実やら調達したりするんだけど、今年はずいぶん早く冬が来たみたいでなかなか食料調達が上手くいってない。
 やばいなー、久々に断食の冬になるかも。

 そんなこんなで家に帰ると、そこには初老の男性――俺らが父親と呼ぶ男、ロッソが居た。

「おーおかえりお前ら。レン、サボらずやってきたか?」
「なんで俺に名指しだよ」
「はっはっは!そりゃ日頃の行いだろォよ!」
「そうね、反省しなさい」

 よってたかって言いたい放題な親父に兄姉。グレてやる、とか言ってたら奥からもう1人出てくる。

「あ、みんなおかえり!お仕事お疲れ様!」

 このなんともふわふわした雰囲気の女の子はフィア。一個下でなんかみんなの妹分みたいな子。あれだ、良い子すぎて心配になる系女子だ。

「フィアー、皆んながいじめてくるんだけどー」
「えっ!?みんなひどいよ!」
「フィア、お前は良い子に育ったなぁ。わしの教育は間違っておらんかった…!」
「いや間違ってるからレンみたいなんが出来たんじゃねェ?」
「あんたも含めてね。父さんって男を育てるの下手なのかしら?」
「もうっ!聞いてるの?レンをいじめちゃダメ!」
「そーだそーだー!」
「「「お前は黙ってろレン!!」」」

 まぁこんな感じに異世界転生とかいってものんびりやってる。ロッソ、オウガ、リリア、フィアとこうやって生きてけばそれでいいかなって思ってる。

 でも、さすがは異世界。そう甘くはなかったみたいで、この生活も突如終わりを告げる事になるのであった。

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コメント

  • 美乃坂本家

    プロローグでは

    1
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