自重を忘れた少年は貴族になる

時雨古鷹

紅の技

 剣と剣の打ち合う音が鳴り響く。フィルはだいぶん手加減していた。六割程度の力でレイの剣筋をみている。どれほど強いのかとわくわくしていたが正直興味を失った。まるで脳筋のようだ。

〈アオイーこのまますぐに終わらせていいかな?〉

〈だめだと思います。久しぶりにあの人を召喚してはいかがでしょうか?〉

〈おおいいね!暫く押されてるふりして最期に召喚しよう〉

『おっと、フィルが押されている!あの英雄でさえもレイには勝てないのか!!』

 そんな言葉が聞こえてくるがかまわず押されているように見せる。突如レイが笑った。次の瞬間火炎竜が襲いかかる。
 どの程度かと思われたがかっこだけの力だ。

「フィル君、次で決めるよ!〖神炎ゴッドファイアー〗」

 まさかの神級魔法だフィルはすぐさま結界を張り観客へ被害を出さないようにした。これで勝ったと思っているレイが気を緩めた。よし召喚しよう。

「こんなものなのか」

 フィルが炎の中から出てくると顔を引きつらせたレイが立っていた。

「なんで生きてる!?」

 驚愕のせいかぼそりとつぶやいた。もうばらしてもいいだろうと、神のほうを向くと全員無言でうなずいた。

「なんでかって?それはなこの試合終わってから言う。正直あきれたよこれが世界最強の剣士だって?まっ俺のとっておきを見せてやる。〖神格仮〗これが俺の本当の姿だ。この姿での名前は【星井俊】だな。そろそろ終わりにしよう。〖召喚 ミズキ〗 このものを気絶させろ」
 
 ミズキはうなずき少し威嚇すると一瞬にして気絶した

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