自重を忘れた少年は貴族になる

時雨古鷹

黒の剣士の試合

 フィルはコロシアムで試合をする事になった。訓練所でもいいのだが国王が国民に竜殺しのレイと魔人を討伐した黒の剣士フィルの試合をおこなうと宣言したからだ。この試合では他国の王族などいろいろな人が見に来ていた。

〈アオイー!聞きたいことがあるんだけど?〉

〈なんでしょうか?〉

〈もし俺が本気を出したらどうなる?〉

〈そうですね神としての力を使ったらこの世界は滅びます。ただ普通に戦っていればコロシアムの半分ですみます〉

〈ありがとう〉

 なんか久しぶりにアオイと会話した気分でいると呼ばれた。もう試合が始まるようだ。

『さあこれから待ちに待った試合をおこないます!まずはこの人から!かつて竜を一人で倒した世界最強の剣士〖竜殺し〗レイ!!』

 レイが登場すると一気に会場が沸いた。今回は魔法なしでいこう。付与と身体強化だけで。

『このレイと相対するのは、魔人を一人で討伐した十歳の若き英雄!!〖黒の剣士〗フィル!!』

 少し自己嫌悪に陥りながら会場に出て行ったそのとき空からある人が降ってきた。なぜが神様全員がフィルの試合を見に来たのだ。ルールの説明をしていた審判が驚いている。

『皆、すまんのう。儂は創造神じゃ。というかここにおるものはすべてが神だ。おもしろそうだったので見に来たのだ。それより審判さんちょっとルール変更じゃ』

 審判は了承しルール変更を認めた。

『こちらには生命神がおる。じゃから死んでも蘇生させてやるから殺してもいいぞ』

 そしてフィル達は戦闘態勢に入った。




 この世界で伝説となった試合がある。それは千年前、当時世界最強の剣士といわれていたレイと魔人を討伐した英雄フィルの一戦である。この試合については様々な研究がされているがいまだに謎に包まれている。ただ一つ分かっていることはこの世界の神全員が試合を見に来ていたことである。でもなぜ神がこの試合を見に来たのかははっきりとしていない。
 ただこのけんについては様々な仮説があり最も有力なのは、もしかしたらフィルが実は神でその試合をみるために神が全員見に来ていたという説だ。
 それにフィルという人物がどのような人物だったかは子孫も知らず謎のままである。





どうも作者です。誤字脱字があったらコメント欄で教えて下さい。

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