自重を忘れた少年は貴族になる

時雨古鷹

また叙爵そして二つ名

 フィルはまた謁見する事になった。まあ当然の結果だ。突如出現した魔人を倒し世界の危機を救ったのだから。前回の服装は正式なものだったが今回は黒のマントをはおり冒険者としての服装でこいと言われた。理由は分からないが。やがて時間がたち謁見の間の扉の前でまっていたら、こんな声が聞こえてきた。

「「この世界の英雄フィル様御到着」」

 少しその言葉に疑問を抱きながらも前回と同じようにしていく。

「皆楽にせよ」

「今回説明をさせていただきます。この度一週間ほど前に魔人がこの王都に出現した。魔人はもはや普通の魔物よりも多い魔力で人々に恐怖を植え付けた。そんな中ここにおられるフィル男爵は八歳という若さで魔人に立ち向かい勝利した。よってフィル男爵に叙爵と二つ名を与えるとする。陛下お願いします」

 宰相の説明が終わり一歩下がるのを見計らって国王は話はじめた。

「此度の働き誠に大儀であった。その功をたたえフィルに伯爵を与えるとする。そして二つ名は黒の剣士とする」

 その瞬間他の貴族たちから黒の剣士コールが湧き上がった。暫くして国王がとめるとフィルにむかって話はじめた。

「フィル頼みがあるのだが?」

「なんでしょうか?」

 他の貴族達も固唾をのんで見守る。

「フィルが使っている剣それを見せてもらえないか?」

 見せるだけでいいの?使っている剣はたくさんあるのだが全て出すことにした。

「この五本の剣でございます」

「もっていいか?」

 まあよそうどうりのことなので許可をしたら他の貴族も頼んできた。

「なんだこの剣すごく重いぞ」

「こんな重いのを軽々と扱うとは」

 皆が口々にいっていくと、国王がある頼みをしてきた。

「フィルちょっとそこのやつとしてみんか?」

「いいですけど、あの方は誰ですか?」

「あやつはなこの世界で一番強いと言われている剣士レイだ。二つ名は竜殺しDragon killerだ」

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