自重を忘れた少年は貴族になる

時雨古鷹

報告

「国王陛下報告があります」

「うむなんじゃ」

 国王と呼ばれた人物は長いひげをさすりながら冷静に聞く。

「このたび、シーラ王女殿下が上位種を含むゴブリンの群れに襲われました。その数約百程度の」
 
「シーラは無事なのか!!」

「はい、それが護衛の騎士の話しによると壊滅寸前のところで5歳くらいの少年が現れたそうです。その少年は無詠唱で中級魔法のファイアボルトを放ち近くにいたゴブリンには剣で撃破したとのこと。格好は漆黒のマントに背には2本の片手剣を背負いゴブリンにはその2本で目に見えないくらいのスピードでふるったそうです。技を雷炎斬といい雷と炎を剣に纏わらせていたとのこと。けがをした騎士達にはパーフェクトヒールをかけたとのことです」

「その少年は名乗ったか」

「はい、名をフィルといいシーラ王女殿下もほんのりほほを赤く染められたそうです。フィルは冒険者ともいっておりました」

「冒険者……か。ふむ一度あってみたい」

 色々報告を受けているとシーラが帰ってきた。

「国王陛下ただいまシーラ王女殿下が戻られました。いかがいたしましょう」

「ここにこらせろ」

「はっ」

 しばらくしてシーラがきた。

「シーラ待っておったぞ。無事であったか」

「はいゴブリンに襲われましたけどフィル様が疾風の如きはやさで助けてもらいました。そ、それでもしよかったら……フィル様と婚約……してもよろしいでしょうか」

 顔から湯気がでそうなくらい真っ赤にそめて言ってくる。

「よしそれはフィルがいいといえばいいぞ。そもそもシーラには恋愛をしてほしいと思っておったしな。そうと決まれば、ゼルート!!お前はあの者フィルを連れてこいマダム宰相は貴族を集めろ!今から謁見を開く。シーラも謁見にこい!」

 国王は思いっきり息を吸うと言い切った。

「謁見じゃぁぁぁぁ!!!」



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