夢中

川嶋マサヤ

1.再確認

 

 翌日、昼の12時頃に貴人の家に行くと、みおちゃんがいた。昨日は泊まって今日も泊まるのだという。

 ベッドで寝ている貴人の方に行くと、表情は変わっていなかったが、体が昨日の何倍か硬くなっていた。

 よく同じ体勢で寝てられるなって思った。そろそろ起きろ!って言いたくなったが、思っただけで口には出さなかった。

 昨日帰ってる道中も帰ってからも、どうやったらみおちゃんに貴人を会わせてあげられるだろうか。と考えていた。

 色々ネットで調べてみた。
 「死者 会える 方法」
 「有名 霊媒師」
 など、調べてみたがこれといってパッとするものがなかった。

 
 自分が死ぬ気は無かったが、死んだらその先で会えるのかなと思い、調べてみると死者には姿が形がないので会えることは無いと書かれていた。魂は残っている可能性があるので霊媒師に頼めば霊媒師の仲介で、もしかしたら会話ができるかもしれない。

 そんなことを思っていたが、霊媒師に頼るのは嫌だった。というより、まず霊媒師に頼めるだけのお金が無かった。会えるかもわからないのに借金をしてまでそこに賭けることが俺にはできなかった。

  ふと、俺は我に返った。今まで俺が勝手にみおちゃんを貴人に会わせようとしているけれど、みおちゃんはどうなのだろうか?

  そんな当たり前のことを考えられないほど俺の心には余裕がなかった。

  もう魂がない 貴人の体の横で貴人とのツーショットを眺めているみおちゃんに聞いてみた。

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