栴檀少女礼賛

マウスウォッシュ

私と彼のおかしな会話

「ねぇハヤテ。」


「ん? 何?」


「私と初めて出会った日のこと覚えてる?」


「ん? まぁね。」


「ホントに?」


「ホントさ。」


「じゃあ、そもさん!」


「説破。」


「ハヤテと私が初めて出会った日、私の気持ちはどんな感じだったでしょうか?」


「う〜ん......なんか難しくない?」


「難しくない!」


「う〜ん......そうだな......ダルいって感じ?」


「残念! 違います!」


「あちゃ......やっぱ難しいよ。」


「正解は......『疑問』と『憧れ』でした。」


「疑問と憧れ? なんで?」


「さーてね、私にも分からない。だけど、初めて出会ったあの日、私にはハヤテが輝いて見えた。そしてあの時のハヤテの強さの理由も、たくさん勉強した今でも理解できてない。」


「ん? なんの事?」


「さて、なんの事でしょうね〜。」


「あ、ちょっと誤魔化さないでよ!」


「誤魔化してなんかないよ。答えはちゃんとハヤテの頭の中にあるはずだよ。」


「ん〜......やっぱりアミの言うことは難しいな......全て理解するのには時間がかかりそうだ。」


「良かったじゃん。時間なら幾らでもある。」


「幾らでも?」


「うん、私とハヤテが一緒に居る時間。」


「え? それって......」


「あーあ! 私お腹すいちゃったな!」


「あ、ちょっと......」


「ハヤテもお腹すいたでしょ?」


「まぁ、そうだね。」


「じゃあどこか食べに行こうよ。」


「そうだね、どこがいい?」


「ん〜......イタリアンが良いかも知れない。」


「じゃあ駅ビルに行こうか。」


「いや! 今日はそっちじゃない方がいいな。」


「そっちじゃない?」


「今日はさ、ハヤテの手料理食べさせてよ。」


「僕の手料理? そんなんでいいのか?」


「『そんなん』じゃなくて私はそれが良いの。」


「分かったよ。じゃあ今日は僕の家に?」


「いや今度はハヤテが私の家に遊びに来てよ。」


「そう言えば、今までアミの家に1度もお邪魔した事なかったね。」


「そうだね。」


「こんなこと聞くのもアレなんだけど、一応人が呼べるレベルの部屋なんだよね?」


「どゆこと?」


「よくさ、頭のいい人は生活の面でどこか抜けてたり、部屋が散らかってたりするって聞くからさ。」


「大丈夫! 足の踏み場はある!」


「それ片付いてんの......?」

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