禁断のアイテム『攻略本』を拾った村人は、プロデューサーのシナリオを壊せるのだろうか?
第103話・緊急手術開始。
炎の竜巻が収まると、部屋の天井付近から裸のウルスラが落ちて来ました。さすがはEXダンジョンのボスです。ダメージ10万でも、高いHPで耐え切れたようです。
『ドォシン!』
「がぁはっ!…うぐっぐ〜、まだまだ戦えるわよ…」
(争いを好まなかったウルスラとは大違いだな。やはり見た目だけで中身は別人のようだ。……最後は私の手で終わらせないとな。)
グロリアは槍を握り締めると、まだ満足に動けないウルスラに向かって歩き出しました。妻の幻影を倒す事を決めたようです。おそらくはイベントモンスターであるウルスラは、一度倒せば再出現しません。会うのはこれで最後になるでしょう。
「もう一度聞く、本当に私の事を知らないのか?私はお前の夫だったグロリアだ。本当に何も思い出せないのか?」
「ハァハァ……フッフフ、相当な勘違い野郎ね。あんたみたいな筋肉質のデカブツに私が惚れると思っているの?それとも幻術の私でもいいから楽しみたいのかしら?まあ、絶対に嫌だけどね。」
(やはり見た目だけか……さらばだ、私の愛した妻よ!)
『ドォス!』
「ぐぅふぅ!フッフ、全然効かないわよ。」
グロリアは一思いに、槍で動けないウルスラを突き刺しました。一回で倒せないのは分かっています。死ぬまで何度も突き刺す覚悟です。それでも頬を伝う涙は止まりそうにありません。
(勿体ないべぇ!何してくれてるんだべぇか!)
「止めるんだべぇーーー!グロリアの覚悟は分かったべぇ。あとの事はオラに任せて先に浮遊城に戻って欲しいんだな。」
「これは私の役目だ!頼む、やらせてくれ。出来れば自分の手で終わらせてやりたい。」
「馬鹿言ってじゃないべぇ!愛する女を殺したい男が何処の世界にいるべぇ!あとの事はオラに任せて欲しいべぇ。もしかすると、ウルスラさんの心を取り戻す事が出来るかもしれないべぇ。」
「くぅ、本当にそんな方法があるのか?……頼む、私にその方法を教えてくれないか!可能性があるのなら手を貸して欲しい!」
「残念ながらこの方法は物凄い集中力と魔力と精神力を使うんだべぇな。近くに人がいるだけで失敗する確率が高くなるんだべぇ。オラを信じて今すぐに浮遊城に戻るんだべぇ!行けぇー、行くんだべぇー!早くしろー!」
「くっ!……あとは任せたぞ、エッサ。すまない。」
グロリアはエッサを信じて浮遊城に戻って行きました。ここまで一緒に戦って来た戦友を信じて全てを任せました。
◆
「これより緊急オペを開始するんだな。槍、盾、ロープなんだな。急いで手術しないと患者が暴れ出すんだな。」
『グルグル、キュキュ、ガァチャリ。』
「くぅ!何のつもりだ!私の身体を動けなくして何をするつもりだ。この変態!」
(じゅるり〜、以前に純情エミィと寝た翌朝に、純情エミィが性悪エミィになってしまった事があったべぇ。オラも人妻に手を出したくはないべぇが、親友の為だべぇ!オラも覚悟を決めて、全力で頑張るしかないんだべぇな!うんだぁ!うんだぁ!)
エッサも武器と防具を脱ぎ捨てて、裸のウルスラの元に向かいました。これも親友の為です。頬を伝う涙も気にせずに、うつ伏せ状態のウルスラに襲い掛かりました。
「やめてぇー!このケダモノめ!呪ってやる、呪ってやる!」
(ハァハァ、ハァハァ、身体は正直なんだな、奥さん!オラがタップリと時間をかけて色々と思い出させてやるんだべぇな。ぐぅへへへへ、ぐぅへへへへ!)
◆
『チュンチュン。チュンチュン。』と鳥達の鳴き声と共に無事に朝を迎える事が出来ました。
ウルスラの緊急手術は長時間行われました。エッサは手術中に失った体力と魔力と精神力を回復する為に完全回復薬『エリクサー』を10本も消費してしまいました。
「ここは何処?どうして、私は何も着てないの?」
キョロキョロと大人しそう女性が周囲を見回しています。どうやら手術は無事に成功したようです。
「おはようございます、ウルスラさん。ここはダンジョンの中です。私はエッサ。ご主人のグロリアさんと貴女を助けに来ました。あいにく女性物の服はありませんが、予備の防具があるのでとりあえず着てください。」
ウルスラの隣には防具をしっかりと着た状態のエッサが座っていました。知らない男が隣に座っているので、緊張していまいましたが、すぐに自分が裸だったのを思い出して、急いで防具を着用しました。
「はい、ありがとうございます。それで夫は何処にいるのでしょうか?なんだか身体がとても怠いようですし、手足を何かで縛られた跡もあるようですし、私はここで何をしていたのでしょうか?」
「私とした事が!少しお待ちください。……この飲み物は回復アイテムです。飲めば体力が完全回復するはずですよ。手足の跡は暴れる貴女を拘束する為に必要な処置でした。申し訳ありません。回復薬を飲めば、すぐに消えると思いますよ。」
ゴクゴクとウルスラは回復薬を飲んで行きました。乾いた喉を潤し、全身の痛みや傷跡、そして痕跡を消し去ってくれました。さすがはエリクサーです。
「さあ、ご主人が外で貴女に会えるのを待っていますよ。行きましょう。」
「はい!もしかして、エッサ様は勇者様なのですか?なんだかとても落ち着いていて、気品というものを感じます。」
「はっははは、違いますよ。何処にでもいる、ただの普通の男ですよ。」
勇者というよりも、今のエッサは賢者です。しかも時間限定の賢者モードです。今回は長時間の美女との緊急手術で賢者モードも少し長くなるかもしれません。
『ドォシン!』
「がぁはっ!…うぐっぐ〜、まだまだ戦えるわよ…」
(争いを好まなかったウルスラとは大違いだな。やはり見た目だけで中身は別人のようだ。……最後は私の手で終わらせないとな。)
グロリアは槍を握り締めると、まだ満足に動けないウルスラに向かって歩き出しました。妻の幻影を倒す事を決めたようです。おそらくはイベントモンスターであるウルスラは、一度倒せば再出現しません。会うのはこれで最後になるでしょう。
「もう一度聞く、本当に私の事を知らないのか?私はお前の夫だったグロリアだ。本当に何も思い出せないのか?」
「ハァハァ……フッフフ、相当な勘違い野郎ね。あんたみたいな筋肉質のデカブツに私が惚れると思っているの?それとも幻術の私でもいいから楽しみたいのかしら?まあ、絶対に嫌だけどね。」
(やはり見た目だけか……さらばだ、私の愛した妻よ!)
『ドォス!』
「ぐぅふぅ!フッフ、全然効かないわよ。」
グロリアは一思いに、槍で動けないウルスラを突き刺しました。一回で倒せないのは分かっています。死ぬまで何度も突き刺す覚悟です。それでも頬を伝う涙は止まりそうにありません。
(勿体ないべぇ!何してくれてるんだべぇか!)
「止めるんだべぇーーー!グロリアの覚悟は分かったべぇ。あとの事はオラに任せて先に浮遊城に戻って欲しいんだな。」
「これは私の役目だ!頼む、やらせてくれ。出来れば自分の手で終わらせてやりたい。」
「馬鹿言ってじゃないべぇ!愛する女を殺したい男が何処の世界にいるべぇ!あとの事はオラに任せて欲しいべぇ。もしかすると、ウルスラさんの心を取り戻す事が出来るかもしれないべぇ。」
「くぅ、本当にそんな方法があるのか?……頼む、私にその方法を教えてくれないか!可能性があるのなら手を貸して欲しい!」
「残念ながらこの方法は物凄い集中力と魔力と精神力を使うんだべぇな。近くに人がいるだけで失敗する確率が高くなるんだべぇ。オラを信じて今すぐに浮遊城に戻るんだべぇ!行けぇー、行くんだべぇー!早くしろー!」
「くっ!……あとは任せたぞ、エッサ。すまない。」
グロリアはエッサを信じて浮遊城に戻って行きました。ここまで一緒に戦って来た戦友を信じて全てを任せました。
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「これより緊急オペを開始するんだな。槍、盾、ロープなんだな。急いで手術しないと患者が暴れ出すんだな。」
『グルグル、キュキュ、ガァチャリ。』
「くぅ!何のつもりだ!私の身体を動けなくして何をするつもりだ。この変態!」
(じゅるり〜、以前に純情エミィと寝た翌朝に、純情エミィが性悪エミィになってしまった事があったべぇ。オラも人妻に手を出したくはないべぇが、親友の為だべぇ!オラも覚悟を決めて、全力で頑張るしかないんだべぇな!うんだぁ!うんだぁ!)
エッサも武器と防具を脱ぎ捨てて、裸のウルスラの元に向かいました。これも親友の為です。頬を伝う涙も気にせずに、うつ伏せ状態のウルスラに襲い掛かりました。
「やめてぇー!このケダモノめ!呪ってやる、呪ってやる!」
(ハァハァ、ハァハァ、身体は正直なんだな、奥さん!オラがタップリと時間をかけて色々と思い出させてやるんだべぇな。ぐぅへへへへ、ぐぅへへへへ!)
◆
『チュンチュン。チュンチュン。』と鳥達の鳴き声と共に無事に朝を迎える事が出来ました。
ウルスラの緊急手術は長時間行われました。エッサは手術中に失った体力と魔力と精神力を回復する為に完全回復薬『エリクサー』を10本も消費してしまいました。
「ここは何処?どうして、私は何も着てないの?」
キョロキョロと大人しそう女性が周囲を見回しています。どうやら手術は無事に成功したようです。
「おはようございます、ウルスラさん。ここはダンジョンの中です。私はエッサ。ご主人のグロリアさんと貴女を助けに来ました。あいにく女性物の服はありませんが、予備の防具があるのでとりあえず着てください。」
ウルスラの隣には防具をしっかりと着た状態のエッサが座っていました。知らない男が隣に座っているので、緊張していまいましたが、すぐに自分が裸だったのを思い出して、急いで防具を着用しました。
「はい、ありがとうございます。それで夫は何処にいるのでしょうか?なんだか身体がとても怠いようですし、手足を何かで縛られた跡もあるようですし、私はここで何をしていたのでしょうか?」
「私とした事が!少しお待ちください。……この飲み物は回復アイテムです。飲めば体力が完全回復するはずですよ。手足の跡は暴れる貴女を拘束する為に必要な処置でした。申し訳ありません。回復薬を飲めば、すぐに消えると思いますよ。」
ゴクゴクとウルスラは回復薬を飲んで行きました。乾いた喉を潤し、全身の痛みや傷跡、そして痕跡を消し去ってくれました。さすがはエリクサーです。
「さあ、ご主人が外で貴女に会えるのを待っていますよ。行きましょう。」
「はい!もしかして、エッサ様は勇者様なのですか?なんだかとても落ち着いていて、気品というものを感じます。」
「はっははは、違いますよ。何処にでもいる、ただの普通の男ですよ。」
勇者というよりも、今のエッサは賢者です。しかも時間限定の賢者モードです。今回は長時間の美女との緊急手術で賢者モードも少し長くなるかもしれません。
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