禁断のアイテム『攻略本』を拾った村人は、プロデューサーのシナリオを壊せるのだろうか?
第88話・エッサの後継者。
「では、ルナ様は私に嘘をついていたんですね。本当はエッサ様はもう死んでいるんですね?」
ロックタはエミィの部屋に個人的に呼び出されていました。霊峰ミルドの帰り道で、ルナはロックタに、無事にエッサを逃したと嘘を伝えていました。数日後、今度はエミィの口から、本当はエッサを殺したと伝えられています。
「どうして、エミィ様は私に本当の事を教えたんですか?ルナ様のように嘘を吐き通せばいいじゃないですか。これでは、あまりにもエッサ様に酷過ぎるじゃないですか。」
「これもあなたとこの国の為です。エッサはもういません。ロックタがエッサの代わりに私達を守らなければなりません。あと一年と半年後にはこの大陸で戦争が必ず起こります。その為に私はこのミルド王国を大陸最強の国にしなければなりません。」
エミィはロックタにこの先の未来の出来事を全て話しました。大陸中を巻き込んで戦争が始まる事と、そして王妃として戦争を止める為に活躍するエミィの事も……。その隣にはロックタやルナが英雄と呼ばれて支えている事もです。
「私にその話を信じる事が出来ると思いますか?エミィ様はそんな妄想の未来の為に、私達を地下迷宮で鍛えていたのですか?残念ながら証拠がなければ信じるに値しない話ですね。」
エッサも誰にも本に書かれた未来の事を話していません。おかしな話をするよりも、今までのエミィのように、権力や地位を使って、強制的に人を従わせた方が手っ取り早いです。
(さて、ロックタには本を実際に見せて、私に一生服従してもらわないとね。エッサを殺した罪悪感と私が産む子供の為に頑張ってもらわないとね。)
アイテムボックスから本を取り出すと、メインキャラクターとして本の中に登場しているエミィの絵姿を見せました。
「はぁ〜、よく出来た本ですね。私やルナ様も載っているんですね。へぇ〜、ギャラン様もですか。この本に載っている人物はつまりは、エミィ様が考える将来のミルド王国の重役達なんですね。」
(つまりはエミィ様に協力する者は、本の通りの役職につけるという訳ですね。)
こんな本をよく作ったものだと、ロックタは呆れるよりも感心しています。こんな事をしなくても、エッサが死んだ事でロックタにはもうやる事も生き甲斐もありません。
「ねぇ、ロックタ。このお腹の子供は誰の子供か分かるでしょう?エッサは死んだんだから、今度はこの子の為に忠誠を誓えないかしら?そうする事が今後のあなたの為にもなるはずよ。」
エミィに渡された本をパラパラとめくって行くと、エミィが産む女の子の名前と、誰が子供の本当の父親なのか書かれていました。
◆
数日後、地下19階のボスモンスターを守護する四体のモンスターの1体とロックタ達は戦っていました。エミィとギャランがパーティーメンバーから外れて、今ではロックタとルナ、ザックとフローラの酒場の親子が新しいパーティーメンバーに加わりました。
『名前・アークドラゴン。種族・竜。レベル60。HP28500。MP不明。攻撃力465。魔力420。敏捷360。』
特殊な黒いブレス攻撃で、対象のHPとMPの両方にダメージを与える厄介なドラゴンです。前衛はブレス攻撃でMPを削られる前に出来るだけ、MPを大量に消費する強力な剣技を使いたい相手です。
「斬空十二連衝!」
『ドォスドォスドォス……!』と離れた場所からでも、ロックタの突きは弾丸のように飛んで、アークドラゴンの身体に刺さって行きます。
「さてと、私はチマチマといつも通りに、弱点属性で攻撃しましょうか。聖なる矢!」
ルナはロックタの連続攻撃でアークドラゴンが怯んでいる隙に、持っている銀の矢に魔力を付加して行きます。レベル51でやっと全属性を付加出来るまでになりました。
『ヒューン、ドォス!』
ルナは矢に全ての魔法属性を付与して攻撃出来ます。魔法は使えませんが、敵の弱点を突いて、確実にダメージを与える事が出来る優秀な攻撃役に成長しました。
「今日は2人とも気合いが入っていないか?晩飯の支払いでも賭けて、遊んでいるんじゃないだろうな。」
明らかに普段よりも2人は気合いが入っています。特にロックタは死に物狂いで戦っています。エミィのお腹の子供の為にも、大陸の誰よりも強くなる必要がありました。
ロックタはエミィの部屋に個人的に呼び出されていました。霊峰ミルドの帰り道で、ルナはロックタに、無事にエッサを逃したと嘘を伝えていました。数日後、今度はエミィの口から、本当はエッサを殺したと伝えられています。
「どうして、エミィ様は私に本当の事を教えたんですか?ルナ様のように嘘を吐き通せばいいじゃないですか。これでは、あまりにもエッサ様に酷過ぎるじゃないですか。」
「これもあなたとこの国の為です。エッサはもういません。ロックタがエッサの代わりに私達を守らなければなりません。あと一年と半年後にはこの大陸で戦争が必ず起こります。その為に私はこのミルド王国を大陸最強の国にしなければなりません。」
エミィはロックタにこの先の未来の出来事を全て話しました。大陸中を巻き込んで戦争が始まる事と、そして王妃として戦争を止める為に活躍するエミィの事も……。その隣にはロックタやルナが英雄と呼ばれて支えている事もです。
「私にその話を信じる事が出来ると思いますか?エミィ様はそんな妄想の未来の為に、私達を地下迷宮で鍛えていたのですか?残念ながら証拠がなければ信じるに値しない話ですね。」
エッサも誰にも本に書かれた未来の事を話していません。おかしな話をするよりも、今までのエミィのように、権力や地位を使って、強制的に人を従わせた方が手っ取り早いです。
(さて、ロックタには本を実際に見せて、私に一生服従してもらわないとね。エッサを殺した罪悪感と私が産む子供の為に頑張ってもらわないとね。)
アイテムボックスから本を取り出すと、メインキャラクターとして本の中に登場しているエミィの絵姿を見せました。
「はぁ〜、よく出来た本ですね。私やルナ様も載っているんですね。へぇ〜、ギャラン様もですか。この本に載っている人物はつまりは、エミィ様が考える将来のミルド王国の重役達なんですね。」
(つまりはエミィ様に協力する者は、本の通りの役職につけるという訳ですね。)
こんな本をよく作ったものだと、ロックタは呆れるよりも感心しています。こんな事をしなくても、エッサが死んだ事でロックタにはもうやる事も生き甲斐もありません。
「ねぇ、ロックタ。このお腹の子供は誰の子供か分かるでしょう?エッサは死んだんだから、今度はこの子の為に忠誠を誓えないかしら?そうする事が今後のあなたの為にもなるはずよ。」
エミィに渡された本をパラパラとめくって行くと、エミィが産む女の子の名前と、誰が子供の本当の父親なのか書かれていました。
◆
数日後、地下19階のボスモンスターを守護する四体のモンスターの1体とロックタ達は戦っていました。エミィとギャランがパーティーメンバーから外れて、今ではロックタとルナ、ザックとフローラの酒場の親子が新しいパーティーメンバーに加わりました。
『名前・アークドラゴン。種族・竜。レベル60。HP28500。MP不明。攻撃力465。魔力420。敏捷360。』
特殊な黒いブレス攻撃で、対象のHPとMPの両方にダメージを与える厄介なドラゴンです。前衛はブレス攻撃でMPを削られる前に出来るだけ、MPを大量に消費する強力な剣技を使いたい相手です。
「斬空十二連衝!」
『ドォスドォスドォス……!』と離れた場所からでも、ロックタの突きは弾丸のように飛んで、アークドラゴンの身体に刺さって行きます。
「さてと、私はチマチマといつも通りに、弱点属性で攻撃しましょうか。聖なる矢!」
ルナはロックタの連続攻撃でアークドラゴンが怯んでいる隙に、持っている銀の矢に魔力を付加して行きます。レベル51でやっと全属性を付加出来るまでになりました。
『ヒューン、ドォス!』
ルナは矢に全ての魔法属性を付与して攻撃出来ます。魔法は使えませんが、敵の弱点を突いて、確実にダメージを与える事が出来る優秀な攻撃役に成長しました。
「今日は2人とも気合いが入っていないか?晩飯の支払いでも賭けて、遊んでいるんじゃないだろうな。」
明らかに普段よりも2人は気合いが入っています。特にロックタは死に物狂いで戦っています。エミィのお腹の子供の為にも、大陸の誰よりも強くなる必要がありました。
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