禁断のアイテム『攻略本』を拾った村人は、プロデューサーのシナリオを壊せるのだろうか?
第69話・ギャフンと言わせたい。
「エッサは王様のところに出掛けたみたいね。」
家に帰ると、いたのは掃除中のロックタだけでした。エッサはお城に向かったようです。遅くてもお昼前には家に戻って来るだろうと、エミィは本を読みながら待つ事にしました。
『パラパラ。パラパラ。』
私に、エッサに、ロックタに、ルナに、他にも沢山の人の情報が書いてあるのね。見た目が少し老けているのと、年齢が今よりも5歳上なのが気になるけど、それ以外は普通の本と変わらないわね。
『パラパラ。パラパラ。』
プロデューサー、シナリオライター、ニンテンドー?この辺はよく分からない言葉が続くけど、コイツらが世界の始まりと終わりを作って、その通りに世界が回っているって事よね。
「ふぅ〜、おかしな本だと一蹴できればいいんだけれど、エッサが私達3人に固執するのと、地下迷宮をクリアするのに必死な姿を見てれば、この本が神の預言書のようなものだという事は何となく分かるわ。」
エミィはパァタンと本を閉じます。一旦休憩です。そろそろお昼前ですが、エッサが帰って来ません。ロックタは闘技場にでも行っているようです。部屋の掃除と服の洗濯が終わっているようなので、他にやる事がないのでしょう。
「エッサが帰って来ないという事は、ルナの所に行ったと考えた方がいいわね。まあいいわ。一緒に帰って来たら、アイツが危険な殺人鬼だと教えて、もう一度牢獄に戻ってもらうだけなんだから。」
エミィは台所に向かうと、白い食品専用の大型アイテムボックスから、カルボナーラを取り出しました。今日のお昼は麺類です。
『モグモグ。モグモグ。』
つまりは預言書の通りに地下迷宮の探索を無事に終えれば、エッサは王様の側近になれて、私はエッサと結婚して、可愛い娘を産んで幸せになれる。ロックタとルナもエッサの右腕、左腕となって働けて幸せになれる。めでたし、めでたしなのね。へぇ〜〜、私は不幸だよ!何で、私を誘拐した野盗と結婚して、子供産んで幸せになれるのよ!あの本、おかしいんじゃないの。
美味しいカルボナーラを食べながら、預言書の内容を思い出していると、エミィはムカムカして来ました。つまりは、エッサは預言書にエミィの名前が書かれているから、結婚したいだけで、好きでも愛してもいないのです。ロックタとルナも預言書に名前が書かれているから、大切にしているだけなのです。
「巫山戯んじゃないわよ!人の人生を無茶苦茶にした理由が、本に名前が書いてあったからなんて、そんな事が許される訳ないでしょう!何とか、あの野盗に仕返しして、ギャフンと言わせてやるんだから。」
このまま本を持って逃げられれば、一番の仕返しになりそうですが、当然、村には帰れません。そもそも、エッサが兵士長権限のバッチを使って、王都の出入り口でエミィが1人で通ろうとした場合は止めるように指示しています。万が一にも王都を出られても、他所の国に行く船着き場にも、エッサの指示が効いています。エミィに出来るのは、本を隠す事ぐらいでした。
家に帰ると、いたのは掃除中のロックタだけでした。エッサはお城に向かったようです。遅くてもお昼前には家に戻って来るだろうと、エミィは本を読みながら待つ事にしました。
『パラパラ。パラパラ。』
私に、エッサに、ロックタに、ルナに、他にも沢山の人の情報が書いてあるのね。見た目が少し老けているのと、年齢が今よりも5歳上なのが気になるけど、それ以外は普通の本と変わらないわね。
『パラパラ。パラパラ。』
プロデューサー、シナリオライター、ニンテンドー?この辺はよく分からない言葉が続くけど、コイツらが世界の始まりと終わりを作って、その通りに世界が回っているって事よね。
「ふぅ〜、おかしな本だと一蹴できればいいんだけれど、エッサが私達3人に固執するのと、地下迷宮をクリアするのに必死な姿を見てれば、この本が神の預言書のようなものだという事は何となく分かるわ。」
エミィはパァタンと本を閉じます。一旦休憩です。そろそろお昼前ですが、エッサが帰って来ません。ロックタは闘技場にでも行っているようです。部屋の掃除と服の洗濯が終わっているようなので、他にやる事がないのでしょう。
「エッサが帰って来ないという事は、ルナの所に行ったと考えた方がいいわね。まあいいわ。一緒に帰って来たら、アイツが危険な殺人鬼だと教えて、もう一度牢獄に戻ってもらうだけなんだから。」
エミィは台所に向かうと、白い食品専用の大型アイテムボックスから、カルボナーラを取り出しました。今日のお昼は麺類です。
『モグモグ。モグモグ。』
つまりは預言書の通りに地下迷宮の探索を無事に終えれば、エッサは王様の側近になれて、私はエッサと結婚して、可愛い娘を産んで幸せになれる。ロックタとルナもエッサの右腕、左腕となって働けて幸せになれる。めでたし、めでたしなのね。へぇ〜〜、私は不幸だよ!何で、私を誘拐した野盗と結婚して、子供産んで幸せになれるのよ!あの本、おかしいんじゃないの。
美味しいカルボナーラを食べながら、預言書の内容を思い出していると、エミィはムカムカして来ました。つまりは、エッサは預言書にエミィの名前が書かれているから、結婚したいだけで、好きでも愛してもいないのです。ロックタとルナも預言書に名前が書かれているから、大切にしているだけなのです。
「巫山戯んじゃないわよ!人の人生を無茶苦茶にした理由が、本に名前が書いてあったからなんて、そんな事が許される訳ないでしょう!何とか、あの野盗に仕返しして、ギャフンと言わせてやるんだから。」
このまま本を持って逃げられれば、一番の仕返しになりそうですが、当然、村には帰れません。そもそも、エッサが兵士長権限のバッチを使って、王都の出入り口でエミィが1人で通ろうとした場合は止めるように指示しています。万が一にも王都を出られても、他所の国に行く船着き場にも、エッサの指示が効いています。エミィに出来るのは、本を隠す事ぐらいでした。
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