禁断のアイテム『攻略本』を拾った村人は、プロデューサーのシナリオを壊せるのだろうか?

ノベルバユーザー399768

第39話・古代遺跡の調査依頼。

『名前・エッサ。職業・魔法剣士。称号・王都の貢献者。レベル23。HP1090。MP364。攻撃力96。魔力106。敏捷221。』

 片手剣『ルドルフの剣+2』攻撃力0。魔力185。

 片手剣『ジェネラルソード+4』攻撃力123。魔力0。

 オラには、二本の強力な武器があるんだども、少々困った事になっている。つまりは剣技の斬空波を攻撃力0のルドルフの剣で使っても、オラの攻撃力分のダメージしか与えらねぇ。逆にルドルフの剣を持って魔法を使うとルドルフの剣の魔力185によって、ダメージが増えるという訳だ。

「剣技を使う時はジェネラルソードが強くて、魔法を使うときはルドルフの剣が強いんだな。だとしたら、二刀流か、急いで持ち替える練習が必要なんだな。」

 調べた限りでは、獲得経験値を2倍にするお守りは最終ダンジョンの宝箱からしか入手する事は出来ない。そして、攻撃力84の片手剣から、ランク7の防具までもが同じダンジョンの宝箱から入手出来る。つまりはお宝ダンジョンという訳だ。

「ランク7の防具ならばダメージを35%はカバーしてくれるから、攻撃力500以上のモンスターのダメージも、325ぐらいにはなるという訳だな。」

 HPは当然のように、1万4000を超えているから、倒すには今の通常攻撃なら70回は斬らないと倒す事は不可能だぁ。そのレベルの強敵を同時に3体ぐらいは相手に出来ないと、生きて帰る事が難しい危険なダンジョンだべぇさぁ。

「だども、一番の問題は地上にはねぇ事だな。何とかして空を飛ぶ必要がある。おそらくはボスモンスターもいると思うから、見つかったら、逃げる事も出来ねぇで拷問されて終わるだけだぁ。空を飛ぶ方法は2つだけあるから、残る問題はラスボスと呼ばれる相手に見つからない事を祈るだけだぁ。」

 ラスボスのHPは12万だから、決して倒そうと思ったら駄目だぁ。救世主様も8人がかりで何とか倒した強敵なんだからなぁ。

「でも、本当に欲しいのはエクストラダンジョンの鍵だべぇ。レベル100とか150のモンスターが出現するとしても、その先に強力な武器や防具があるのなら、行ってみたくなるのが男だべぇ。問題は鍵をラスボスさんが肌身離さずに持っている事なんだぁ。」

 ふぅ〜〜、作戦を考えるのも疲れるべぇ。気晴らしに依頼を受けてみるだぁ。まあ、今のオラの強さなら、ほとんど楽勝なんだべぇさぁ。

 エッ〜〜〜と、野盗の討伐、ドラゴンの皮の納品、スライムゼリーの納品、スカイフィッシュの討伐と、やっぱりこの辺の依頼がほとんどだなぁ。ドラゴンだけは船で別大陸に行かねぇと駄目みたいだけど、とりあえずはその辺に出現する野盗の討伐に出発するべぇ。

 2階から階段を降りて、1階に降りると酒場のマスターに呼び止められました。

「エッサ、お前宛の特別な依頼が届いていたぞ。報酬は結構な額だし、内容的にも悪くはなかった。お前の実力ならば、達成出来る可能性は十分にあると思うぞ。」

「えっ?オラなんかに大金を払って頼むなんて、そういう依頼はよくあるんですか?オラ、そういう事には詳しくなくて。」

 指名依頼は救世主様も2、3回受けていたけど、オラにもそういうのが来るんだな。

「そうだな。この辺の冒険者なら、トリトンが受けてから、しばらくは帰って来てないな。まあ、お前とは違う場所のようだし、トリトンの代わりという訳じゃないから安心しな。」

『パラ。パラ。パラ。』と薄い紙にびっしりと文字が書かれています。どうやら、古代遺跡の調査のようです。報酬は30万Gと発掘品の一部譲渡なので悪い話ではありません。それに古代遺跡には強力な武具やアイテムが眠っています。ちょうど空飛ぶ乗り物を使うのに、お金が必要だったので助かりました。

「場所はここから北東に見える『霊峰ミルド』の中にあるらしい。そうそう言い忘れていたが、依頼主は王様だから失敗したら牢獄行きになるぞ。必ず成功してから戻って来るんだ!失敗した時は絶対に戻って来たら駄目だぞ!」

 本には載っていない情報だから、救世主様には関係ない冒険になりそうです。まあ、オラも本に振り回される生活はこりごりだから、たまには息抜きに楽しんで来るべぇ。




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