禁断のアイテム『攻略本』を拾った村人は、プロデューサーのシナリオを壊せるのだろうか?

ノベルバユーザー399768

第26話・魔法を勉強しよう。

『名前・エッサ。職業・村人剣士。レベル5。HP220。MP132。攻撃力38。魔力48。敏捷143。』

「はぁ〜〜。やっぱりレベルアップするのに、ドンドン倒すモンスターが多く必要になっているちゃな。正直言って疲れるちゃ。」

 どうやら、必要な経験値は最初は100からスタートして倍になって増えていくルールのようだなぁ。100、200、400、800とスライムを倒す数も、5匹、10匹、20匹、37匹と増えているちゃ。スライム1匹の経験値が21だから、多少の誤差はあるけど、レベル6になるには、次は80匹近く倒す必要がある事になるなぁ。

「1日に大森林で戦える時間はだいたい8時間ぐらいで、今日はスライムを60匹倒して来たども、モンスターデザイン様が倒したモンスターを作り直すのにも時間はかかる。」

 トロールから逃げずに来るモンスターを片っ端から片付けていっても、1日で倒せるモンスターの数は100匹ちょっとだろう。そのうちにレベルアップするのに一週間とか、一ヶ月かかってしまう日が来るから、対策を考えないといけねぇ。

「はい。ご注文のグラタンです。今日から二階の部屋を借りている冒険者さんよね。私はハンナ。よろしくね。あっちにいるのがミミで、今日はレベッカはお休みなの。さっきから悩みながら紙に数字を書いているけど、もしかして、お金がないの?」

 オラみたいなドブ村人でも、綺麗な服着て、風呂に入れば、女の子から話しかけてくれるんだな。

「安心してけろ、お金なら持ってる。それよりもレベッカさんはどうして休んでいるん?具合でも悪いとですか?」

「あぁ、ただのお休みの日よ。私も週に2日は休んでいるしね。ミミもそうよ。毎日、働いているのは、マスターぐらいね。困っている事があれば、私も相談ぐらいは聞けるから。まあ、見ての通り忙しいから、時間がある時しか、ゆっくりと聞かないけどね。じゃぁね。」

 はぁ〜、やっぱり都会の女の人は明るくて可愛いのぉ。いやいや、キャラクターデザイン様の神業を駆使して作ってくれたんじゃ。感謝するべきはキャラデザ様やぁ。うんだぁ。プロデューサーの岩田なんかは、キャラデザ様の足元に及ばねぇ。

 エッサはパラパラと本をめくって、魔法のページを開きました。どうやら魔法の呪文を覚えるようです。

「初級魔法のファイヤーボールぐらいは使えそうだども、ファイヤーボールと叫ぶだけじゃ駄目なんかのぉ?この『紅蓮の焔よ!敵を焼き尽くせ!ファイヤーボール〜!』とか、オラ、人に聞かれたら恥ずかしくて死んでしまいそうだぁ。なんとか、小声で言って使えるように練習しねぇとな。」

『ガァッ。ガァッ。ガァッ。』と難しい事を考えるのは、一旦休憩して、熱々のグラタンをフォークを使って食べ始めます。このチーズという食べ物は独特の味がして、摩訶不思議です。









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