ゼロからはじめる島津大河誘致

郭隗の馬の骨

第34話 フウイの活動報告 その2

フウイは慣れない手で一所懸命にメールを送り続けていました。
彼は仲間内でメールをする分にはそれなりの経験がありましたが、目的を持った拡散は初めての経験でした。
あるときは小説の編集画面をコピペしてツイッターに張り付けたため、画面の自分には見えるが自分以外の人からは見れない状態という珍現象も見られました。
彼は画面越しからそうしたエラーがあることを遠慮がちに語るユーザーにお詫びをし、彼なりに調べてみました。
先ほど述べた通りフウイからは見えるので問題はない。
しかし彼は慎重かつ相手の立場を考える男でした。
原因がわからないことを相手にお詫びし、直接カクヨムのホームページから進むことを丁寧かつ下から口調で説明しました。
エラーを指摘した人、フウイ目線で言うなら間違いを教えてくれた人は静かにその場を去りました。
その後フウイは問題の部分をすぐに消去し、起きている現象、お詫び、丁寧に同じことが起きたら報告するようにお願いをしました。
結果としてこの行動が良かったことをフウイが知ったのはその後別のメールを送ってきた人の説明を聞いてからでした。
その人は先に述べた通りの説明を分かりやすく教えてくれた後に次のメールでその画面を添付してくれました。
フウイは名も知らぬ(ハンドルネームはあるが)親切な人に心の底から感謝しました。
彼は自分の能力では気づかない、もしかしたら一生気づかないかもしれないミスを教えてくれたからです。
こうして彼は時々誤字脱字を出しながらも自分の伝えたいことをどうやって伝えるかを考えながら、黙々と文章を送っていきます。
とは言え、効果はあまり感じていませんでした。
細々とフォロワー数は殖えるが、それもいつ止まるか分からない状態で彼からすると文章がネタ切れしたら流れが止まってしまう、そんな恐怖との戦いでした。
彼はついには食事ものどに通らず、体がだるくても眠くならず、布団に入ってもツイッターのコメントが気になり寝付けず、飲み物すらとるのを忘れる極度の緊張状態になりました。
万策尽き精魂尽きかけたその時一通もメールがきました。
それは、鹿児島からの、そしてとある特性をもった初めてのタイプの人でありました。
それを見た時、フウイは「ついにきたか!」と心の中でつぶやき今までの疲れが飛んでいくほどの興奮感と期待を表しました。
どうして彼はそのような反応を示したのでしょうか。
そしてその後どのような進展があったのでしょうか。
皆様お待ちかね、ついに事態は動き出します、次回「形勢逆転」をお楽しみください。

          

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