付き合って結婚した後

三日月の空

優人のクラス

優人のクラスでは、男女逆転メイドカフェが開催予定だ。
男女お互いに衣装を見せあっている。

「小池君、どう?彼女さん。」

中野は、王子様の様なかっこいい服で、こぼれそうな胸を無理やり押さえていてとても興奮した。

「可愛い…いや、かっこいい?」
「ありがと…あっ、広夢君も…素敵…かも。」

広夢ははっきり言って女装が全く似合ってなかった。
ネタキャラとしての扱いだった。

「あっ、あの!」
「莉緒ちゃん?」
「今日っ!終わったら写真撮ろっ!」
「お、おう?」

中野が必死に勇気を出して目をうるうるさせながら頼むので、小池は即答してしまった。
(守りたい、この2人。)なんて思っていると、廊下が騒がしかった。

「本物だー!」「可愛い!」

優人達が声のする方へ行くと、陽菜がいた。

「やべっ」
「優人先生?奥さんいますよ?」

忘れていたが、自分も今メイド服を着せられているのだ。絶対に笑われる。

「だははははは!」

後ろから聞き慣れた声で笑っているのが聞こえた。
ヤツだ…陽菜がいる。

「ゆーうと!来ちゃった!」
「お前本当に来たのかよ」
「似合ってないね!その…あはっ衣装!」

笑いをこらえずにいじってくる陽菜。

「優人先生のお嫁さんだ!」
「テレビのまんまだ!」

関係ない陽菜のお陰で、優人のクラスにはお客さんが沢山入った。

「もう見ただろ…帰れよ。」
「きーねーんーび〜?」
「分かった、少しだけだぞ。」

記念日の事で脅されているので余り拒否が出来ない。

「優人、許してあげる。」
「そうかい。」
「先生、奥さんに接客してあげて!」

陽菜は楽しみに待っている。普段教師はここまで参加しないが、うちのクラスは積極的だ。

「ご主人様、何頼みやがりますか。」
「ぶはっ!」

陽菜が吹き出した。メニューを見るふりして気づかないうちに写真を撮られている。

「おめー調子乗んなよ?」
「はいはい、じゃあオムライスで。」

作り置きしてあるオムライスを陽菜に出すと、ケチャップをかけろと頼まれた。

「やだ。」
「優人先生のケチ〜!」
「しかたねーな〜」

クラスメイトも煽るので仕方なくやってあげた。

「セリフは〜?」
「も…萌え萌え…きゅ…ん…」
「キャー!かわい〜!」

陽菜は嬉しそうに写真を撮りまくる。サブで用意していたデジカメでは動画も撮られていた。

「これで許してあげる!」
「やっとか…」

一生イジられるネタが出来たのであった。

to be continued…

「付き合って結婚した後」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く