付き合って結婚した後

三日月の空

姫乃先生のクラス

文化祭まであと1週間。
姫乃先生のクラスは焼きそばの屋台をやる事になり、ホットプレートを家庭科室に探しに行った。

「すいません…ホットプレートってありますか…?」

恐る恐るドアを開けて、誰かいないか呼んでみる。

「姫乃先生?!」

そこに居たのは姫乃のクラスの尾崎だった。
姫乃が入ったと同時に何か隠したようだ。

「尾崎君、どうしたの?」
「いや?!ホットプレートですよね?!」

尾崎は急いでホットプレートを探して姫乃に渡した。

「どうしたの?何かしてたんでしょ?」
「いや?!なんでも?!」

さっき隠した引き出しから裁縫セットが出てきた。

「もしかして、1人で頑張ってたの?」
「そ、そうなんですよ〜!」

そうは言っているが、尾崎君の持っているものは関係なさそうなものだった。

「それ、ぬいぐるみ?しかもカップルみたい。可愛い〜」
「べ、別に関係ないですよね?!」

尾崎君は急いで隠すと片付けて立ち去ってしまった。
その時、姫乃はぬいぐるみについていたボタンが外れたのを見つけ、追いかけたが間に合わなかった。



教室に戻ると、尾崎君が戻っていてみんな慌ただしく準備していた。

「せんせー!持ってきた?」
「うん、これだよね」

ホットプレートを渡すと返しに特製のワンピースを渡された。

「これ着てください!」
「何これ可愛い!着てくるね!」

花柄でふわふわした可愛らしいワンピースだったのでウキウキしながら更衣室へ向かった。
着替え終えると、また尾崎君が居てかなり落ち込んでいた。

「どうしたの?」
「先生どうしよう、ぬいぐるみのボタンが…」

中編へ続く

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