付き合って結婚した後

三日月の空

告白

興味無いと言われ、ショックから飛び出してしまった中野だったがどこに向かうべきか分からず、雨に打たれていた。

「私…何してるんだろ…」

何故、天と地程の差がある陽キャの小池に興味無いと言われて落ち込んでいるのだろう。こんな地味な自分は嫌われて当然のはずなのに。
寒い。雨に打たれ、体が冷える。

「中野さん!」

後ろから声がして、振り向くと小池がいた。

「小池君?!」
「悪かった中野さん! 俺…本当は俺…」

小池は勇気を振り絞って話した。

「俺…本当は中野さんの事…」
「いいのよ…気を使わなくて!」
「違う!」

小池は大きな声で続けた。

「俺、中野さんの事が好きなんだ!」
「へ…?」
「だから!好きなんだ!」

中野は告白された事が信じられず、しばらく驚いたままだった。

「その…どう…かな…?」
「なんで私…?」
「俺、手当てして貰った時すげぇ嬉しくて、一目惚れ…いや、会った事あるから違うか…」

小池は何度か悩んで話した。

「つまり…俺と付き合ってくれ!」
「は…はい、喜んで。」

勢いで告白を受けてしまった。

「よっしゃー!やったぞー!」
「ちょ、ちょっと…」

小池は飛び上がり、雨に濡れている事を忘れてはしゃいだ。

「くしゅん!」

中野のくしゃみで小池は冷静になった。
よくよく考えてみると、雨に濡れた中野の服が透けていることが原因で今ここにいるのだ。
ということは、今の服装は…

「す、透けてるから!これ着て!」
「ふぇ?!」

小池は着ていた上着を中野に被せて、みんなの元へ行ってしまった。

「ちょっと〜!」

中野も小池を追いかけた。

to be continued…

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