付き合って結婚した後

三日月の空

幹事

12月、雪が降り始めた頃、陽菜のお腹は大きくなって仕事が出来なくなったので、ちょくちょく優人が家に帰って様子を見ている。

「おかえり〜!」
「陽菜、大丈夫だったか?」
「私より優人こそ大丈夫なの?最近バイト早めに帰ってるけど。」

優人は大学が終わり、教育実習も終わったので、今は来年に備えてバイトや色々な準備をしている。

「まぁ、陽菜を守るためだからな。」
「ちょっと…!」

おっと、今の一言は決まったぞ?!

「あれ、電話なってるぞ?」
「あっ、出る!スマホとって!」

何やら、マネージャーとの話らしい。

「あっ、はい。はい、分かりました〜!」
「なんか良い内容だったっぽいな。」
「お仕事入ったよ!」
「はぁ?!お前何考えてんだよ?!」

陽菜が仕事なんてしたら、体調崩して倒れて…最悪お腹の子も…!

「大丈夫よ〜!バラエティーだからハードじゃないし。」
「でも…」
「それに、元気ってとこ見せないと産まれてからも仕事が無いかもだから…」

確かに、女優などは出産後の仕事が若手に取られて激減するらしい。

「まぁ…大丈夫ならいいけど、俺が送り迎えするからな。」
「えぇ〜!ありがと〜!」



「じゃあ、気をつけろよ。」
「うん!」

陽菜をテレビ局に送って、優人は翔達と合流した。

「優人〜!」
「遅れやがって。」
「わりぃわりぃ〜!」

今回のメンバーは、翔、空、祐一だ。

「あのさ優人、俺と真奈さ…」
「なんだよ〜?」

いつも天然キャラの翔が今回だけは真剣な顔だった。

「俺、真奈と結婚する。」
「おお、おめでとう。」
「それで、優人に手伝って貰いたいんだ。」

だからか。空までいるのには理由がある。妻の陽芽がいるので頼み事は断れないのだ。

「なんだよ。」
「その、幹事?をやって欲しいんだけど〜」
「は?やだよ。」

当たり前だ。幹事みたいなのは仕事を押し付けられるだけの最悪ポジションだぞ。
しかし、空はにっこり笑って優人を見た。その笑みには、陽芽に言うぞ、という言葉が含まれていた。

「分かったよ…やりゃぁいいんだろ!」
「えぇ〜?いいの〜?!」

くっそ、コイツら調子のりやがって。

to be continued…

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