付き合って結婚した後

三日月の空

屋上で

式の次の日、目を覚ますと陽菜がいなかった。

「陽菜?!どこだ?!」

優人は部屋を飛び出して廊下に出た。

「優人…どうしたの…」
「どこだ…どこにいる?!」

陽菜の声がどこからか聞こえてきた。優人は必死に辺りを見回した。

「ここよぉ…」
「陽菜…!良かった!良かった…」

陽菜はただベッドから落ちて優人から見えないだけだった。

「何〜?どうかしたの〜?」

寝ぼけているのか、優人と反対を向いていた。

「おっはよ〜!お2人さん、よく眠れたかい?」
「空先輩?!」
「起きるの早くないか?まだ6時だぞ。」

陽菜は部屋に戻ったが、優人は空に呼ばれ屋上に出た。

「なんでここに…?」
「あー、昨日屋上の階段見つけちゃってさ!特に理由はないんだ〜」

空は話を続ける。

「あとさ、結婚してからはさ、尻に敷かれないようにしろよ〜?」
「されませんよ!」

陽菜がそんな事する人間ではないが、陽芽さんならあるかもしれないな…

「それと、これだけ聞きたいんたけどさ〜陽菜ちゃんってキスとか口使ったこと極端に苦手だったりする?」
「え?!なんで分かるんすか?!気持ち悪っ!」

まさか、昨日の声とか聞かれてたか?!でも昨日はキスだけで寝た気が…

「うちの陽芽が変にそれが下手でさ、もしかして姉妹共通なのかな〜って思って。」
「なんだ…よかった…」

屋上だったので、朝焼けと共に広い草原が辺りに見えるくらい明るくなった。

「なぁに〜?私が下手だって〜?」
「陽菜?!」

陽菜が追いかけきたので、上手くかわして部屋に逃げたが、同じ部屋なので捕まってしまった。

「陽菜!悪かったって!」
「もぉ〜ひどいよ〜!」

陽菜は泣きだしてしまった。

「ご、ごめん!でもそれ以上に可愛いし、それ以外も…」
「じゃあキス教えて!」

陽菜は仕事柄、キスシーンなどもあり優人はしないで欲しいと思っているが、色々困るので枕を持って教えることにした。

「まずは…歯で噛まないこと。やってみろ。」
「楽勝よ!ほら、優人練習台になって!」

練習でキスするのはどうかと思うが仕方なくすることにした。
陽菜の柔らかな唇が触れる…と同時に思い切り歯で噛まれた。

「いってぇ!陽菜真面目か?」
「真面目よ!でも何故か魔が差して噛んじゃうの!」
「真面目じゃねぇじゃん…」

キスの練習はこの後も続いた。

to be continued...

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