付き合って結婚した後

三日月の空

無理しやがって

「陽菜〜また仕事?」
「うん!頑張るよ!」

陽菜は妊娠してからも、仕事を続けていた。
しかし、仕事のせいか疲れた表情を見せることが多かった。

「明日は式の準備だからな。無理すんなよ!」
「大丈夫!私を舐めるなよ〜?」



「ヒナ、入りまーす!」
「ヒナちゃん!体大丈夫?!」
「無理しちゃダメよ!」

撮影現場に入ると陽菜は共演仲間達から心配されたが、気にせず仕事に取り組んだ。

「大丈夫ですよ〜!私強いので!」
「はーい!始めるよ〜!」

陽菜は今回もヒロインで、共演は、ケイと百合菜だ。
百合菜とは、学生時代に優人達と役者人生を歩んだのだ。

「愛美!(陽菜の演じる役)俺は君の事が好きだ!」
「だめよっ…!私は悪い子なの…」

ケイが近寄りハグするところで場面が終わった。

「カットー!いい演技だよ、ヒナちゃん!」
「ありがとうございま…」
「ヒナちゃん?!」

陽菜は目が回ったのか、倒れてしまった。



気づくと陽菜は、知らない天井を見ていた。

「あれ…知らない天井…」
「バカ野郎!無理しやがって!」

そこには優人がいて、陽菜のことをとても心配していたようだ。

「ここは…?」
「病院だよ!お前が無理したせいで多くの人に迷惑かけたんだぞ!」

優人はだんだん口調が強くなり、顔も怖くなっていった。

「ごめんなさい…私のせいで…」
「あぁっ!ごめん!ち、違うんだ!別に責めたいとかじゃなくて…」

泣いてしまった陽菜を、優人は全力で慰めた。

「じゃあキスしてくれる?」
「ここ病院だぞ!それに明日は準備、明後日は飛行機だぞ?!」

そういいながらも、人がいないのを確認してキスをした。

「今日は帰ろう。」
「うん!」

この日は久しぶりに外食へ行き、早目に寝た。

to be continued…

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