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「拝啓、親愛なるヒカルに告ゲル」

コバヤシライタ

第四部「テノヒラトハナビラ」④

やっぱり決勝の相手は津田中か。正直津田中と同じブロックに入らなくて良かったと思っていた。決勝までにどこかがつぶしてくれれば良いと思ったからだ。津田中に勝った最後の公式戦は一年の時の総体だ。そのときはこっちの事をなめていたことも重なって2-1で勝つことが出来た。それ以来、向こうは公式戦で一度も負けていない。特に興居島中が相手になるとよけいに闘志をもやす。こっちは、津田中の内野手にも満たない部員数で細々とやってるだけなのに……そうは見えないんだろうな。だってこっちも負けるわけにはいかないから……。
津田中は本来ならば僕も入ることになっていた中学校なのだ。お父さんが野球の強豪に転校させるために小6の春休みにアパートまで決めていたのだ。僕も強い中学でやる方が成長するだろう事も分かっていたので、その考えは正しいと思っていた。でも…でも僕のレールを勝手にしかれているようで無性に腹が立った。そのときに初めてお父さんの野球に反抗したのだ。無意味に違う中学に行こう。津田中以外なら何処でもいい。どこかめいっぱい嫌がるような中学校に……

-あるじゃないか、めいっぱい近くに-

そんな浅はかな理由で僕は興居島中に入学したのだ。ただお父さんの敷いたレール以外で強くなりたかった。ただそれだけだった。そしてその「因縁の相手」と雌雄を決する時が来たのだ。新聞の人とかに意気込みとか聞かれたけど、正直何にもない。とにかく目の前の打者から27個のアウトをとるだけ。そしてどうにかして7回までにリードをする。そうしないと監督は公式戦に一度も出たこともない仲間を出すと言ってるんだから。

父さん、見てなよ。
これがあんたの反対した僕の道の結末だ。

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