神業(マリオネット)
2ー55★護るもの
『でも確か、ランティスに伝わる聖槍っていう武器も確か神器の一つだと聞いたことがあるんですけど…あれも神聖獣とかあるんですか?聞いたことがないんですけど…』
沈黙から最初に言葉を発したのは意外にもフェンだった。
『フェン君、こういう話題にはからっきしだと思っていたのですが、意外に博学なところもあるんですね。聖槍も最初は神聖獣が護っていたようです。ですが、それも昔の事らしいですから…恐らく発見して早い段階で神聖獣を倒してランティスのものにしたということだったのでしょう。他の神器についても同様の事が言えるようなので、そう考えると神聖獣が倒されるということは時代の流れだったのかもしれません』
『そうか…、なんかごめん…』
俺は二人のやり取りを見ながら不意に謝ってしまった。
恐らく一瞬とはいえ感情的になってしまい、次にどう行動したらいいのか分からなくなってしまったということなのだろう。
そんな俺を見ながら、ノルドは気にするなと言わんばかりに首を横に振ってくれた。
『あのー、その聖杯を利用して得られる能力というのは、どういったものがあるのでしょうか?』
『えーっと、それについては言い伝えでは全てを使いこなしてレヴィアタンと直接契約ができた者はいないと言うことになっているので…それにもしもそれを聞くのであれば、今現在で影響下にある彼女に直接聞いた方が良いのかもしれません』
アンテロの問いに対してノルドはフィリアに聞けと言ってきた。
確かに、実際に利用をした者に聞くのが早い気はするのだが…
今のフィリアには若干聞きづらい気もする。
『えーっと、それじゃー、フィリアさんについて…』
俺がここまで言いかけた時、後ろから物音がしてふと振り替えると奥の部屋のドアからフィリア本人が現れた。
話題にしていた本人が登場したことにより、全員の視線が集中する。
そして…
俺の考えが音をたてて崩れてしまった…
本当であれば、もう少し冷静になってみんなと話したかったのだが…
恐らく、それをフィリア本人の前で伝えようとすると彼女はショックを受けてしまうはず…
そんな彼女を想像しながら自分の考えを押し通せるなら、俺はもっと前に平和に異世界ライフを満喫しているはずなんだ。
『たかがワタクシ一人のために申し訳ありません』
彼女は、そう力無く言うと丁寧にお辞儀をする。
その行動を見て、今までどう断ろうかと考えていた俺は、自分の事がどれだけ極悪非道な人間なんだと感じてしまった。
『えーっと、フィリア様、もう大丈夫なのですか?あまり無理をなさらないでくださいね』
『はい、お陰さまで大丈夫です。それに、寝ているよりも、その…』
アンテロの心配する言葉に続きフィリアの発した言葉。
自分のお腹を押さえながら言ってきた言葉に俺たちは全員、寝るよりも腹が減ったのかと納得する。
そして、その彼女の様子を見て俺たちは彼女に安堵を覚え、誰もが心が和らいだのを感じた。
★★★
『はい、では。明日から暫くの間、フィリア様のお世話をするのは僕と言うことですね。宜しくお願いします』
『いいえ、お手数お掛けして申し訳ありません。こちらこそ、宜しくお願い致します』
フェンとフィリアがお互い頭を下げ合っている。
フェンの仕切りの中で俺たちは話し合いを進め、その結果で明日からの行動は基本的に二人を小屋において行動すると言うことになった。
俺たちは明日以降、フィリアを助けるために本格的に行動を開始することになる。
その際には、いくつか必要なものがあるので、小屋の外に出なければいけないのだが…
フィリアには無理をしてほしくはないということや、誰かに狙われる可能性などもある。
それらの事からノルドが自分の領域として結界を張っている小屋の中にいるのが一番安全だと言う結論に達した。
続いてフェンも置いて行くと言う理由の方だが…
これは、俺たちは今人手が足りない。
俺やエルメダ、アンテロ、ノルドが小屋の外で必要なものを集めることになるのだが、当然だがモンスターなど外的要因と戦いながらと言うことになる。
そうなると、フェンを庇いながら戦うと言うことには無理が生じるからだ。
多分、フェンがいたりすると庇いながらと言うよりは、逃げながらと言った方が正しくなる気がする。
今日、ノルドの小屋に来たようなやり方は、もう二度とやりたくない。
と言うことで、話し合った結果フィリアとフェンの二人は置いていこうと言う結論になった。
『よっし、あっちはあっちで任せるとして…メインで探すものだけど…緑色の碧玉はノルドが探すから問題はないとして…消えない傷の材料、薬止草だっけ?それの判定を俺がやるの?ほんとに大丈夫なのか?』
『そうは言っても私もレシピでしか見たことがないので…現物に一度見ないと…』
『そうだよな…』
明日以降メインで探すことになる材料と言うのは二つある。
一つはフィリアの治療に使う緑色の碧玉。
これは探すとは言っても、かなり専門的な知識が必要になるらしいので、基本的にはノルドに丸投げで構わないと言うので全く心配していない。
と言うよりも他に方法がない。
なので心配していないのだが…
問題なのはもうひとつの方、消えない傷の材料であると言う薬止草の方だ。
沈黙から最初に言葉を発したのは意外にもフェンだった。
『フェン君、こういう話題にはからっきしだと思っていたのですが、意外に博学なところもあるんですね。聖槍も最初は神聖獣が護っていたようです。ですが、それも昔の事らしいですから…恐らく発見して早い段階で神聖獣を倒してランティスのものにしたということだったのでしょう。他の神器についても同様の事が言えるようなので、そう考えると神聖獣が倒されるということは時代の流れだったのかもしれません』
『そうか…、なんかごめん…』
俺は二人のやり取りを見ながら不意に謝ってしまった。
恐らく一瞬とはいえ感情的になってしまい、次にどう行動したらいいのか分からなくなってしまったということなのだろう。
そんな俺を見ながら、ノルドは気にするなと言わんばかりに首を横に振ってくれた。
『あのー、その聖杯を利用して得られる能力というのは、どういったものがあるのでしょうか?』
『えーっと、それについては言い伝えでは全てを使いこなしてレヴィアタンと直接契約ができた者はいないと言うことになっているので…それにもしもそれを聞くのであれば、今現在で影響下にある彼女に直接聞いた方が良いのかもしれません』
アンテロの問いに対してノルドはフィリアに聞けと言ってきた。
確かに、実際に利用をした者に聞くのが早い気はするのだが…
今のフィリアには若干聞きづらい気もする。
『えーっと、それじゃー、フィリアさんについて…』
俺がここまで言いかけた時、後ろから物音がしてふと振り替えると奥の部屋のドアからフィリア本人が現れた。
話題にしていた本人が登場したことにより、全員の視線が集中する。
そして…
俺の考えが音をたてて崩れてしまった…
本当であれば、もう少し冷静になってみんなと話したかったのだが…
恐らく、それをフィリア本人の前で伝えようとすると彼女はショックを受けてしまうはず…
そんな彼女を想像しながら自分の考えを押し通せるなら、俺はもっと前に平和に異世界ライフを満喫しているはずなんだ。
『たかがワタクシ一人のために申し訳ありません』
彼女は、そう力無く言うと丁寧にお辞儀をする。
その行動を見て、今までどう断ろうかと考えていた俺は、自分の事がどれだけ極悪非道な人間なんだと感じてしまった。
『えーっと、フィリア様、もう大丈夫なのですか?あまり無理をなさらないでくださいね』
『はい、お陰さまで大丈夫です。それに、寝ているよりも、その…』
アンテロの心配する言葉に続きフィリアの発した言葉。
自分のお腹を押さえながら言ってきた言葉に俺たちは全員、寝るよりも腹が減ったのかと納得する。
そして、その彼女の様子を見て俺たちは彼女に安堵を覚え、誰もが心が和らいだのを感じた。
★★★
『はい、では。明日から暫くの間、フィリア様のお世話をするのは僕と言うことですね。宜しくお願いします』
『いいえ、お手数お掛けして申し訳ありません。こちらこそ、宜しくお願い致します』
フェンとフィリアがお互い頭を下げ合っている。
フェンの仕切りの中で俺たちは話し合いを進め、その結果で明日からの行動は基本的に二人を小屋において行動すると言うことになった。
俺たちは明日以降、フィリアを助けるために本格的に行動を開始することになる。
その際には、いくつか必要なものがあるので、小屋の外に出なければいけないのだが…
フィリアには無理をしてほしくはないということや、誰かに狙われる可能性などもある。
それらの事からノルドが自分の領域として結界を張っている小屋の中にいるのが一番安全だと言う結論に達した。
続いてフェンも置いて行くと言う理由の方だが…
これは、俺たちは今人手が足りない。
俺やエルメダ、アンテロ、ノルドが小屋の外で必要なものを集めることになるのだが、当然だがモンスターなど外的要因と戦いながらと言うことになる。
そうなると、フェンを庇いながら戦うと言うことには無理が生じるからだ。
多分、フェンがいたりすると庇いながらと言うよりは、逃げながらと言った方が正しくなる気がする。
今日、ノルドの小屋に来たようなやり方は、もう二度とやりたくない。
と言うことで、話し合った結果フィリアとフェンの二人は置いていこうと言う結論になった。
『よっし、あっちはあっちで任せるとして…メインで探すものだけど…緑色の碧玉はノルドが探すから問題はないとして…消えない傷の材料、薬止草だっけ?それの判定を俺がやるの?ほんとに大丈夫なのか?』
『そうは言っても私もレシピでしか見たことがないので…現物に一度見ないと…』
『そうだよな…』
明日以降メインで探すことになる材料と言うのは二つある。
一つはフィリアの治療に使う緑色の碧玉。
これは探すとは言っても、かなり専門的な知識が必要になるらしいので、基本的にはノルドに丸投げで構わないと言うので全く心配していない。
と言うよりも他に方法がない。
なので心配していないのだが…
問題なのはもうひとつの方、消えない傷の材料であると言う薬止草の方だ。
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