神業(マリオネット)
2ー54★自らの知らないところで
『なるほど。でも、あのまま呪詛が取り除かれない場合は彼女もさらに病気が悪化するんだろ?』
『んー。どうでしょうかハッキリとは言い切れない部分ですが…それはないと思いますよ』
『えっ?何で?』
『王女が病気になってナカノ様を始め周囲の者が快楽を覚えたら、次に心の中に生まれてくる感情と言うのは追い出すほどマイナスイメージの感情にはならないと思います。生まれやすい感情として考えやすいのは、病気で可哀想とか、早く良くなって欲しいとかですかね。となると嫉妬の感情がこれ以上は増えることはないので、かなり気長に待っていれば回復の望みは高かったのではないでしょうか。そして、その間に良心なき快楽の効果が切れいていれば、めでたく自然消滅といった感じになっていたはすです。良心なき快楽の効果と言うのは、あくまでも快楽を対象に集めると言うものです。対象にダメージを与える事を目的とするのであれば、最初から別の呪詛の方が効率的だと私は思います』
『そう聞くと呪詛を解かない方が良かったと聞こえるんだけど…』
『はい。現にただ一人以外は、呪詛と言う結論には達しても呪詛が具体的にどう悪影響を及ぼしているのかは分からなかったと言っていましたので』
『でも彼女自身体調を崩していたといっていたけど…』
『熱が出たら熱冷ましの薬を与えて、お腹が痛いのであればそれように薬をあげて対処していたのではないでしょうか。そして対処できてしまった。でも彼女から呪詛の効果が確認できる。呪詛により病気になっているのであれば通常の薬で確認できるのはおかしくないのか?では、どうして彼女の体調はすぐれないのだ?そんなところなのではないかと思います。そして、そんな状況をピタリと言い当てられるとしたら呪詛をかけた本人以外には考えられないでしょう』
『なるほど…だから呪詛の効果を確認するため、本人が登場するということか?』
『はい。彼女がなくなっていない場合、呪詛の効果をかけ直したりの次の作戦をとる必要がありますので』
『そこまで聞くと確かに呪詛をかけた者と聖杯を手に入れた人物ってのは信憑性高くなるね』
『あくまでも可能性の一つにすぎませんが』
『でも、仮にこのまま彼女に何もしないで見過ごした場合、やっぱりモンスターになるの?』
『神器と契約をして力を授かったとされる彼女ですが、契約に失敗していない場合で最も可能性が高いのがモンスター化と言われています』
『最もってことは…、複数の場合があるってこと?』
『えーっと、私も自分の目で見たと言うわけではないのでハッキリとは言えませんが…言い伝えなどによると…はい…』
『それなら、モンスター化以外であれば?』
『次に可能性が高いのは亜人化でしょう』
『『『『えっ!!!!』』』』
俺、エルメダ、アンテロ、フェンの四人の声が揃った。
『亜人って作れるってことなのか?』
『作ると言う言葉が適切なのかは分かりませんが、神器の作用が多少になりにも残っている姿だと聞いたことがあります』
『あっ…そうなんですか…でも、それなら…亜人はやめられると言うことか?』
アンテロがいきなり立ち上がった。
椅子が乱暴に投げ出された音で残りのメンバーの注意を引き視線が一斉に彼女に集まる。
恐らく自身も亜人であるから、この話は聞き逃せないのだろう。
その表情は困ったような表情にも見える。
『えーっと、多分、その答えは亜人として確定した後と言うことですよね?今の話の内容は宿り子の対処と言うことだと思いますので、話をそちらの方に戻して良いですか?もし聞きたいのであれば別な機会でお伝えします』
『申し訳ありませんでした…』
立ち上がったアンテロが下を向きながら、小さな声で謝罪し座った。
どうやら亜人から人間に戻ると言う方法があるようだ。
と言うか、亜人たちのルーツに迫れると言うことなのだろう。
『亜人に続いて高い可能性と言うのが、元の人間・エルフ・ドワーフの三種、もしくは最初から亜人の者は元の状態になると言うことです。今彼女に行おうとしている事を順調に行えれば、人間か亜人かどちらかには残れる可能性は高いと思います。そして言い伝えによるともう一つの可能性があると言われています』
『もう一つの可能性?』
『はい。何でも聖杯から授かりし力を完璧に使いこなした時、その者は神と直接契約することができると』
『んー。それ本当?』
『さー、あくまでも言い伝えですので…なんとも…』
『だよね…なんか、信じるにはちょっと…』
『そしてその言い伝えにはこうも記されています。その後、数えきれないほどの者が神との直接契約に挑戦したが、そのすべてが失敗。それを嘆いた神は神器を誰にも使わせないようにと各神器を守るために神聖獣を配置して守護させていたとあります』
『えっ…、神器を守るために神が神聖獣を配置した?』
『はい』
『彼女が今影響を受けてる聖杯って神器の一つなんだよな?』
『はい』
『ちなみに…聖杯を守るために配置された神聖獣の名前って分かるか?』
『キマイラとあります』
『おい、じゃー。なんだよ。彼女は神の警告を無視した違反者だとでも言うのか?自分では何もやっていないのにか?』
俺の問いに、その場にいる誰も直ぐには答えなかった。
『んー。どうでしょうかハッキリとは言い切れない部分ですが…それはないと思いますよ』
『えっ?何で?』
『王女が病気になってナカノ様を始め周囲の者が快楽を覚えたら、次に心の中に生まれてくる感情と言うのは追い出すほどマイナスイメージの感情にはならないと思います。生まれやすい感情として考えやすいのは、病気で可哀想とか、早く良くなって欲しいとかですかね。となると嫉妬の感情がこれ以上は増えることはないので、かなり気長に待っていれば回復の望みは高かったのではないでしょうか。そして、その間に良心なき快楽の効果が切れいていれば、めでたく自然消滅といった感じになっていたはすです。良心なき快楽の効果と言うのは、あくまでも快楽を対象に集めると言うものです。対象にダメージを与える事を目的とするのであれば、最初から別の呪詛の方が効率的だと私は思います』
『そう聞くと呪詛を解かない方が良かったと聞こえるんだけど…』
『はい。現にただ一人以外は、呪詛と言う結論には達しても呪詛が具体的にどう悪影響を及ぼしているのかは分からなかったと言っていましたので』
『でも彼女自身体調を崩していたといっていたけど…』
『熱が出たら熱冷ましの薬を与えて、お腹が痛いのであればそれように薬をあげて対処していたのではないでしょうか。そして対処できてしまった。でも彼女から呪詛の効果が確認できる。呪詛により病気になっているのであれば通常の薬で確認できるのはおかしくないのか?では、どうして彼女の体調はすぐれないのだ?そんなところなのではないかと思います。そして、そんな状況をピタリと言い当てられるとしたら呪詛をかけた本人以外には考えられないでしょう』
『なるほど…だから呪詛の効果を確認するため、本人が登場するということか?』
『はい。彼女がなくなっていない場合、呪詛の効果をかけ直したりの次の作戦をとる必要がありますので』
『そこまで聞くと確かに呪詛をかけた者と聖杯を手に入れた人物ってのは信憑性高くなるね』
『あくまでも可能性の一つにすぎませんが』
『でも、仮にこのまま彼女に何もしないで見過ごした場合、やっぱりモンスターになるの?』
『神器と契約をして力を授かったとされる彼女ですが、契約に失敗していない場合で最も可能性が高いのがモンスター化と言われています』
『最もってことは…、複数の場合があるってこと?』
『えーっと、私も自分の目で見たと言うわけではないのでハッキリとは言えませんが…言い伝えなどによると…はい…』
『それなら、モンスター化以外であれば?』
『次に可能性が高いのは亜人化でしょう』
『『『『えっ!!!!』』』』
俺、エルメダ、アンテロ、フェンの四人の声が揃った。
『亜人って作れるってことなのか?』
『作ると言う言葉が適切なのかは分かりませんが、神器の作用が多少になりにも残っている姿だと聞いたことがあります』
『あっ…そうなんですか…でも、それなら…亜人はやめられると言うことか?』
アンテロがいきなり立ち上がった。
椅子が乱暴に投げ出された音で残りのメンバーの注意を引き視線が一斉に彼女に集まる。
恐らく自身も亜人であるから、この話は聞き逃せないのだろう。
その表情は困ったような表情にも見える。
『えーっと、多分、その答えは亜人として確定した後と言うことですよね?今の話の内容は宿り子の対処と言うことだと思いますので、話をそちらの方に戻して良いですか?もし聞きたいのであれば別な機会でお伝えします』
『申し訳ありませんでした…』
立ち上がったアンテロが下を向きながら、小さな声で謝罪し座った。
どうやら亜人から人間に戻ると言う方法があるようだ。
と言うか、亜人たちのルーツに迫れると言うことなのだろう。
『亜人に続いて高い可能性と言うのが、元の人間・エルフ・ドワーフの三種、もしくは最初から亜人の者は元の状態になると言うことです。今彼女に行おうとしている事を順調に行えれば、人間か亜人かどちらかには残れる可能性は高いと思います。そして言い伝えによるともう一つの可能性があると言われています』
『もう一つの可能性?』
『はい。何でも聖杯から授かりし力を完璧に使いこなした時、その者は神と直接契約することができると』
『んー。それ本当?』
『さー、あくまでも言い伝えですので…なんとも…』
『だよね…なんか、信じるにはちょっと…』
『そしてその言い伝えにはこうも記されています。その後、数えきれないほどの者が神との直接契約に挑戦したが、そのすべてが失敗。それを嘆いた神は神器を誰にも使わせないようにと各神器を守るために神聖獣を配置して守護させていたとあります』
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