神業(マリオネット)
1ー50★アンテロの行動
ヘンリーの言葉の後、みんなの視線がアンテロに集まるとアンテロは無言で目を閉じて大きく深呼吸をした。
その後、みんなの視線を気にすることもなく歩き始める。
俺たちよりも4~5歩ほど前に出たところで止まり被っていたフードをぬいだ。
フードを脱ぐと以前、一度だけ見たことがある銀髪から兎人族の耳が露になった。
全員何が始まるのか分からないのでアンテロの様子を固唾を飲みながら見守っている。
時間にすると恐らくは数秒しか経ってはいないはず。
だが俺には若干長めの時間が経過しているように感じる。
俺がどうしたのかなと思っているとアンテロが奇妙な行動を開始した。
先ずは、いきなり足の裏を地面から離すようにつま先立ちになる。
続いて足の裏を元に戻す。
ただひたすらにこの動作を繰り返している。
後ろからなので目線についてはハッキリとはわからないが、何やら遠くのものを探すように見受けられる。
俺は不思議な行動だなと思って見ていると、次第にアンテロの銀髪から垂れ下がっているようについている耳が力を帯びたように真っ直ぐになっていく。
そしてどこからともなく[キーキーキー]という甲高い音が聞こえたかと思うと、アンテロが右斜め前方を指差しながら俺たちの方を振り向いた。
『あの方角、距離300の木の陰に4匹?います!その内1匹は強い?と言うか…なんか変な感じです…』
明らかにおかしい喋り方をしている。
それに振り向いたアンテロの表情は若干だが恐怖にひきつっているようにも見えた。
だが、それ以上に目を引いたのは…
目が深紅のごとき赤い目をしているのだ。
俺たち6人はモンスターの情報を貰ったにも関わらず、誰もがお互いの顔を見合わせている。
アンテロの表情や言動、そして目の色と全てが異常事態というべきものだからだ。
そして、俺たちが戸惑っているとアンテロは地面を足でバタバタと踏みつけるようにしながら強い口調で言ってきた。
『早く、早く!あっちは仕掛けるチャンスをうかがっています!数を確認される前に行動してください!今なら間に合います!お願い!早く!早く!』
(モンスターがうかがっている?どういうことだ?)
俺は日にちは然程経っていないかもしれないが、ある程度は討伐の経験をしてきたつもりだ。
その経験からモンスターには知性があるようには思えない。
これは他のみんなも同様の考えだと思う。
やはり全員が同意見のようで若干戸惑いの色を隠せなかった。
だがいつまでも動揺ばかりはしていられない。
俺たちはお互いの顔を見合わせたまま、アンテロの強い口調に頷き合う。
そしてヘンリーが口を開いた。
『距離300の木と言うのは、あそこですね。数を確認されてないなら僕とラゴスが囮として右正面から向かいます。残りは左側から、エルメダさんとソフィアはモンスターを見つけ次第、遠隔魔法で攻撃。ナカノさんとセアラはサポートをお願いします。』
『『『『『『『了解!』』』』』』』
全員が小さい声で揃えて声を出し、それぞれの役割を全うすべく行動を開始した。
その後、みんなの視線を気にすることもなく歩き始める。
俺たちよりも4~5歩ほど前に出たところで止まり被っていたフードをぬいだ。
フードを脱ぐと以前、一度だけ見たことがある銀髪から兎人族の耳が露になった。
全員何が始まるのか分からないのでアンテロの様子を固唾を飲みながら見守っている。
時間にすると恐らくは数秒しか経ってはいないはず。
だが俺には若干長めの時間が経過しているように感じる。
俺がどうしたのかなと思っているとアンテロが奇妙な行動を開始した。
先ずは、いきなり足の裏を地面から離すようにつま先立ちになる。
続いて足の裏を元に戻す。
ただひたすらにこの動作を繰り返している。
後ろからなので目線についてはハッキリとはわからないが、何やら遠くのものを探すように見受けられる。
俺は不思議な行動だなと思って見ていると、次第にアンテロの銀髪から垂れ下がっているようについている耳が力を帯びたように真っ直ぐになっていく。
そしてどこからともなく[キーキーキー]という甲高い音が聞こえたかと思うと、アンテロが右斜め前方を指差しながら俺たちの方を振り向いた。
『あの方角、距離300の木の陰に4匹?います!その内1匹は強い?と言うか…なんか変な感じです…』
明らかにおかしい喋り方をしている。
それに振り向いたアンテロの表情は若干だが恐怖にひきつっているようにも見えた。
だが、それ以上に目を引いたのは…
目が深紅のごとき赤い目をしているのだ。
俺たち6人はモンスターの情報を貰ったにも関わらず、誰もがお互いの顔を見合わせている。
アンテロの表情や言動、そして目の色と全てが異常事態というべきものだからだ。
そして、俺たちが戸惑っているとアンテロは地面を足でバタバタと踏みつけるようにしながら強い口調で言ってきた。
『早く、早く!あっちは仕掛けるチャンスをうかがっています!数を確認される前に行動してください!今なら間に合います!お願い!早く!早く!』
(モンスターがうかがっている?どういうことだ?)
俺は日にちは然程経っていないかもしれないが、ある程度は討伐の経験をしてきたつもりだ。
その経験からモンスターには知性があるようには思えない。
これは他のみんなも同様の考えだと思う。
やはり全員が同意見のようで若干戸惑いの色を隠せなかった。
だがいつまでも動揺ばかりはしていられない。
俺たちはお互いの顔を見合わせたまま、アンテロの強い口調に頷き合う。
そしてヘンリーが口を開いた。
『距離300の木と言うのは、あそこですね。数を確認されてないなら僕とラゴスが囮として右正面から向かいます。残りは左側から、エルメダさんとソフィアはモンスターを見つけ次第、遠隔魔法で攻撃。ナカノさんとセアラはサポートをお願いします。』
『『『『『『『了解!』』』』』』』
全員が小さい声で揃えて声を出し、それぞれの役割を全うすべく行動を開始した。
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