神業(マリオネット)
1ー48★初顔合わせ
アンテロと一緒に製薬ギルドへ行った翌日。
俺はアイテム運びの仕事を終えた後、アンテロをイーグルに紹介するために待ち合わせをした。
待ち合わせ場所には大きめの鎌を背負い、斜め掛けの鞄らしきものを身に付けながらアンテロが現れた。
(なんか荷物多くないか…)
鞄には何が入っているのか不安に思ったが、既にイーグルの面々は来ているはずなので一緒に戦士系ギルドへ向かうことにした。
戦士系ギルドの扉を潜ると真っ正面の長椅子の右端に5人ほどの団体がいる。
そのうちの一人はエルメダだった。
アンテロは俺が教えるよりも早く、団体からエルメダを見つけ出してエルメダの方へ駆け寄っていった。
『貴女がアンテロさんですね?初めまして!私が、イーグルのリーダーをやっているヘンリーです。宜しくお願いします』
エルメダが恐らく一足先にアンテロの話をしていたようだ。
アンテロが近寄ってきたのに気づくと、ヘンリーが礼儀正しく一礼をしながら自己紹介をした。
『どうも初めまして、こんにちは!アンテロと申します。これからご指導のほど宜しくお願いします』
アンテロは自己紹介をしながらエルメダとイーグルの4人一人づつに対して深々とお辞儀をしていく。
『アンテロさん、そんなご指導なんて…』
ヘンリーが恐縮するなとばかりに優しい顔をしている。
『まー、なんとかなるでしょ!』
『うん、がんばろー!』
ソフィアとエルメダはいつもの調子で軽い対応だ。
『あの時の料理は酒のつまみにしたかった…ラゴスと言う。こちらこそ宜しく』
自己紹介はいいんだけど…
いまポテチーズの話をするとは、ラゴスらしいとは思うのだが…
『アンテロさんね、セアラと言います。私の方も宜しく。でも、ちょっと思うんだけど…背中のって…武器よね…?』
俺の中ではヘンリーと同じくらいの常識人として格付けされているセアラがアンテロの背中に気づいた!
そう、確かに背中に背負っている武器には目がいくはずだ。
俺とエルメダなんて目が点になってしまったほどだ。
『はい、自分に合った戦い方を製薬ギルドの人と相談した結果、これがいいだろうと言う結論になりまして!』
(えっ…相談の結果だったのか…??独断と偏見の結果だと思ってたよ…)
『それ、大鎌でしょ?扱い大丈夫?他に何か持ってないの?』
『他ですか?一応、ナイフとかも持っていますが、でもこれは薬草とかの採取する時用です』
そう言いながらアンテロは自分の左腰を指差している。
『なるほど、アンテロさんは今日からバリバリ戦う感じですか?』
アンテロを作戦に組み込むべきか、組み込まないべきかヘンリーの中ではハッキリさせておきたいようだ。
『感じが分からないので何とも言えないですが、出来るならやっていきたいとは思います』
『そうですね。勝手が分かるまでは見ている感じの方がいいかもしれませんね。ちなみに大鎌やナイフはどのくらい使えるんですか?』
『ナイフは料理の時や薬草処理の時などに使ったりします。大鎌の方は昨日、生まれて初めて触りました』
『『『『『『……………』』』』』』
俺とエルメダ、イーグルの全員が無言になりお互いの顔を見つめ合っていた…
恐らくその誰もが不安に思っているはずだ…
(今日の討伐は大丈夫なのかな…)
この時の俺は今ならまだ引き返せるとどれだけ言いたかっただろう…
いや、恐らく各自が各自なりにアンテロに対して言いたかったはずだ。
だが誰も口にしていない。
唯一ヘンリーが俺にどうだとアイコンタクトを送ってきた。
アンテロは自信満々の顔で握りこぶしを作り気合いじゅうぶんといった感じだ。
そんな時は何を言っても無駄だろうなと思う。
俺はヘンリーに小声で
「どうにもならないよ」
と耳打ちをするしかなかった。
俺はアイテム運びの仕事を終えた後、アンテロをイーグルに紹介するために待ち合わせをした。
待ち合わせ場所には大きめの鎌を背負い、斜め掛けの鞄らしきものを身に付けながらアンテロが現れた。
(なんか荷物多くないか…)
鞄には何が入っているのか不安に思ったが、既にイーグルの面々は来ているはずなので一緒に戦士系ギルドへ向かうことにした。
戦士系ギルドの扉を潜ると真っ正面の長椅子の右端に5人ほどの団体がいる。
そのうちの一人はエルメダだった。
アンテロは俺が教えるよりも早く、団体からエルメダを見つけ出してエルメダの方へ駆け寄っていった。
『貴女がアンテロさんですね?初めまして!私が、イーグルのリーダーをやっているヘンリーです。宜しくお願いします』
エルメダが恐らく一足先にアンテロの話をしていたようだ。
アンテロが近寄ってきたのに気づくと、ヘンリーが礼儀正しく一礼をしながら自己紹介をした。
『どうも初めまして、こんにちは!アンテロと申します。これからご指導のほど宜しくお願いします』
アンテロは自己紹介をしながらエルメダとイーグルの4人一人づつに対して深々とお辞儀をしていく。
『アンテロさん、そんなご指導なんて…』
ヘンリーが恐縮するなとばかりに優しい顔をしている。
『まー、なんとかなるでしょ!』
『うん、がんばろー!』
ソフィアとエルメダはいつもの調子で軽い対応だ。
『あの時の料理は酒のつまみにしたかった…ラゴスと言う。こちらこそ宜しく』
自己紹介はいいんだけど…
いまポテチーズの話をするとは、ラゴスらしいとは思うのだが…
『アンテロさんね、セアラと言います。私の方も宜しく。でも、ちょっと思うんだけど…背中のって…武器よね…?』
俺の中ではヘンリーと同じくらいの常識人として格付けされているセアラがアンテロの背中に気づいた!
そう、確かに背中に背負っている武器には目がいくはずだ。
俺とエルメダなんて目が点になってしまったほどだ。
『はい、自分に合った戦い方を製薬ギルドの人と相談した結果、これがいいだろうと言う結論になりまして!』
(えっ…相談の結果だったのか…??独断と偏見の結果だと思ってたよ…)
『それ、大鎌でしょ?扱い大丈夫?他に何か持ってないの?』
『他ですか?一応、ナイフとかも持っていますが、でもこれは薬草とかの採取する時用です』
そう言いながらアンテロは自分の左腰を指差している。
『なるほど、アンテロさんは今日からバリバリ戦う感じですか?』
アンテロを作戦に組み込むべきか、組み込まないべきかヘンリーの中ではハッキリさせておきたいようだ。
『感じが分からないので何とも言えないですが、出来るならやっていきたいとは思います』
『そうですね。勝手が分かるまでは見ている感じの方がいいかもしれませんね。ちなみに大鎌やナイフはどのくらい使えるんですか?』
『ナイフは料理の時や薬草処理の時などに使ったりします。大鎌の方は昨日、生まれて初めて触りました』
『『『『『『……………』』』』』』
俺とエルメダ、イーグルの全員が無言になりお互いの顔を見つめ合っていた…
恐らくその誰もが不安に思っているはずだ…
(今日の討伐は大丈夫なのかな…)
この時の俺は今ならまだ引き返せるとどれだけ言いたかっただろう…
いや、恐らく各自が各自なりにアンテロに対して言いたかったはずだ。
だが誰も口にしていない。
唯一ヘンリーが俺にどうだとアイコンタクトを送ってきた。
アンテロは自信満々の顔で握りこぶしを作り気合いじゅうぶんといった感じだ。
そんな時は何を言っても無駄だろうなと思う。
俺はヘンリーに小声で
「どうにもならないよ」
と耳打ちをするしかなかった。
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