ー月曜日ー 裏道カレイド
エピローグ
◆ウラ◆
「あーあ、みんな帰っちゃったね」
ミラーハウス内に残された左右で色の違う靴を履き、うららはご機嫌だった。
「ふふ、わたしほどの幽霊だとね、大人の姿にだって変身できちゃうんだから。カチドキレンジャーのホラガイホワイトにだって、楽勝なのよ! かくれんぼは私の勝ちね! 最後までバレなかったもの!」
「そうだね。さすがはうらら。君には誰も敵いっこないよ」
優しい声をした男性が、小さい少女の頭を撫でる。
「ま、友達も増えたし、いっか。ね、くろさん、こむさん」
まだ幽体を維持できないのだろう。首からロープをぶら下げた体と、腹に穴が空いた体が、少女の後ろで蠢いている。
「これでもう、寂しくないだろう、うらら」
 茶色いコートの男性が、カメラを手にして笑った。
次第に、警察が廃墟の遊園地に集まってきた。
明けない夜はないとでも言うように、
ひび割れた乾いた土に水が染み込むように、
夜の世界だった廃墟に光が、人が入り込んでくる。
ミラーハウスのひび割れた鏡が、警察官の姿を、光を、命を、まるで万華鏡のようにバラバラに、美しく、飾る。
その様を見守る4人の幽霊たちは、新たな来訪者に興味津々だ。
「さ、みんな。この人たちも一緒にさ、何して遊ぼっか?」
裏道カレイド…………完。
火曜日へ続く。
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