最強の転生者(仮題)

シオン

 ピチョン、ピチョン。
 水滴が顔に落ちてくる。
 俺は目を覚ました。
 ここは…洞窟?
 意識の覚醒に伴い、脳が機能していく。
 洞窟って言ってもあまり深くはないのか、奥行きはせいぜい5、6メートルってところかな。
 幅も広いところで3メートルくらいある。
 異世界最初の拠点はここかな?
 とりあえず奥まで行こうと立ち上がってみる…あれ?
 どうも視点が低い、手も足もやけに小さい。
 どう考えても子供になってるよな…。
 外はどう見ても森、周りには人の気配など全くない。
 やばいって!転生即死とか洒落にもならない!
 えーっと、まず何からすればいいんだ?
 辺りを見回してみると、地面に分厚い本が置いてあった。
 タイトルなどは書いておらず、ただただ茶色い皮で包まれた紙の束のような感じの本だ。
 おそらくだが、女神様…アストリアが俺の転生と共に送ってくれた物だろう。
 その本を拾おうと触れた時、突然本が光り出した。そして、身体の中に吸い込まれるかのようにして消えていった。
 なんか頭に入ってきた…ちょっと気持ち悪いな。まぁいい、どうやら本の内容が直接頭に入ったようだ。
 内容はこの世界の基本的な説明とアストリアからのメッセージだった。
『まず簡単にこの世界について説明しよう。この世界に名はデルモンド。魔法あり、魔物あり、多種族ありの世界だ。創造神を筆頭に、武神、魔神、命神、死神、聖神、邪神の7柱の神によって作られた世界だ。まぁこの世界の人々のほとんどは創造神しか知らないし祀っていないがな。まぁこの世界のことはこれくらいでいいだろう。ここからは私からのメッセージになるが、まずは先に謝罪しておこう。申し訳なかった。白夜の転生の際に他の神に干渉されてしまってな、その反動で転生先と初期年齢が狂ってしまった。そのお詫びとしてだが、私、命神アストリアの加護を最大にしておいた。これでそう簡単には死ななくなると思う。私ができるのはここまでだ。あとは自分のステータスを確認してくれ。ステータスと唱えれば出るはずだ。では第二の人生を楽しんでくれ。』
 やっぱりこの状況にはミスがあったか。
 まぁそれはいい。それよりもステータスだ。
「ステータス!」
名前:ビャクヤ・クロノ
種族:人間
年齢:5歳
レベル:1
生命力:10000/10000
魔力:200/200
物攻:20
物耐:2000
魔攻:500
魔耐:5000
俊敏:100
知能:800
運:100
スキル
《回復力上昇》《魔力感知》《魔力操作》《鎌術》《気配遮断》《暗殺》《魔眼》
加護 
《命神の寵愛》《魔神の加護》《死神の加護》
称号 
『転生者』『神の寵愛を受けし者』
 
 まぁやっぱり子供になってるよな。
 あとは比べる人がいないから強いのかはわからないが、生命力が異常なのは分かる。
 アストリアの加護がなんか寵愛になってるし、魔神と死神の加護もいつのまにかもらってるし、スキルもなんかおかしいし。
 スキルや加護に関してもっと詳細な情報が欲しいとろだが…

《回復力上昇》
 生命力と魔力の回復力が上昇する

 やっぱり出てきたか。
 この調子で全部見てこう

《魔力感知》
 魔力を感知することができる

《魔力操作》
 魔力を思い通りに操作することができる

《鎌術》
 鎌を扱う際に動きに補正がかかる

《気配遮断》
 自分の気配を他者に感知されにくくなる

《暗殺》
 対象を殺す際に対象又は周囲の人に気づかれにくくなる

《魔眼》
 能力は《鑑定》《透視》《暗視》《遠視》
 見たものを対象に詳細な情報を見ることができる。
 物質を透過してみることができる
 どんなに暗くともはっきりとみることができる
 遠くを見ることができる
《命神の寵愛》
 生命力と耐性に最大の補正がかかる
 スキル《回復力上昇》を取得する

《魔神の加護》
 魔力と魔攻に補正がかかる
 スキル《魔力感知》《魔力操作》を取得する

《死神の加護》
 生命力と運に補正がかかる
 スキル《鎌術》《気配遮断》《暗殺》《魔眼》を取得する

 なるほど、加護や寵愛によってスキルを得たのか。
 スキルの確認はこんなものか。
 生命力と防御力が上がってるからそう簡単に死にはしないんだろうが、こちらも攻撃手段がないのはきついな。
 あとはこれから身体も鍛えないとなぁ。
 よし!とりあえず方針は決まった。
 とりあえず鍛える!以上!
 自分の脳筋さに少々の不安を抱えながらも白夜は今後の生き方を決めた。
 

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