聖玉と巫女の物語

ともるん77

月と星

「ホルティス王!」
「父上、どうしてここに?」
 ホルティスはエリクの後ろから、みんなの前に出た。


 エリクは、最後に地下洞窟に入る前に王に気付き、王が黙っているよう手振りしたのでその通りにしたのだった。


「神官長からの伝令を不審に思ってな」
 そうして、ホルティス王は次にこう言った。


「これは妖魔たちの墓だ」


 衝撃的な発言だった。
「どういう……ことです父上?」


 その時、ウェルギンがあることに気付いた。
「フリンツ王子、見てください。あの石碑を」


 見ると、石碑には大きな透明な石がはめこまれていた。
 それは紫色の光を帯びていた。


「これと同じだわ!」
 ファルサが袋から聖玉のかけらを取り出した。同じように光っている。


 フリンツ、ウェルギンはなぜファルサがそんな物を持っているのか、ヘイワードはなぜ複製品が光るのかわからなかった。


 そしてフリンツは、石碑に彫られている絵に気付いた。
「月と星の紋章……」
 その時、断片的だった出来事がすべて合わさった気がした。


「古城の破壊されたイラクサの紋章。巫女の一族だった祖母の衣装箱……」
 フリンツはある結論に達した。


「月と星は、妖魔の一族の紋章ですね? そして、古城のはイラクサではなく、一緒に描かれていたこの月と星の紋章を消したかった。どういうことなのです? 何を隠しているんですか」


 故意に消されていた月と星の紋章。おそらく、祖母は命令に反して、あの衣装箱を隠し持っていたのだ。
 その時、一瞬、頭上で羽音が聞こえたような気がした。
 見ると、先ほどより石碑の石の光が激しくなっていた。ファルサの持つ石のかけらと呼応しているかのようだった。ファルサは言った。


「カイサル神官長。この聖玉のかけらは、ひょっとして」

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