聖玉と巫女の物語

ともるん77

侵入者

 急いで神殿にやってきたヘイワード、ファルサ、エリクたち。
 ここでも、門兵に驚いた顔をされた。


「とにかく、神官長に会わねば」
 エリクは先を急ぎ、ファルサも続いた。ヘイワードはそれに続こうとしたが、まず武装を解除させられた。


 その頃、とりあえず行商人控え室に戻って作戦を練っていたフリンツとウェルギンが外の騒がしさに気付いた。
「何だろうな?」
「そういえば王子。神官長に書庫を借りたことを報告しなくてよいのですか」
「ああ、そうだった。書庫係にそう言ったっけ」
 二人が控え室を出た時だった。


「ファルサ!」
 フリンツが叫んだ。
「ヘイワード!」
 今度はウェルギンが。


「フリンツ王子! ウェルギン!」
 エリクとファルサの前を歩いていたヘイワードが気付いた。彼とエリク、ファルサは王子を前にして頭を下げた。


「なぜ?」
 お互いがその言葉を発した。
 ヘイワードが事情をすばやく説明した。


「神殿に、エリク神官とファルサが二人いる?」
 フリンツは彼らと同行することにした。
「とにかく、神官長にこの事を伝えなくては。二人に変装した何者かが侵入しているかもしれない」
 エリク神官は四人を連れて、神官長執務室へ向かった。


 カイサル神官長は王子を見て驚いていた。
 そして、エリクから事情を聞かされると顔色を変えた。
「先ほど、ホルティス王がお付きもなく突然現れましたが……」
「……!」
 カイサルはすぐに城に確認の使いを走らせた。


「それで、父上は今どこに?」
「……」
 カイサルは急に口を重くした。
「もし本当にホルティス様でしたら、言いかねます」
「どういう意味ですか?」
 カイサルは伝令が戻るまで待って欲しいと言い出した。


 ヘイワードは念のため、騎士隊の本拠地バシュラークに応援の隊を要請してほしいと言い、カイサルは承諾した。

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