欠陥品のリベリオン
第十四話 レイスの夢
「ユウトさん、私Aブロックでした。」
レイスはAブロックか、俺はどっちだ?
「ユウトさんあれ!」
彼女が指した先には俺の名前があった。
そのブロックは、
「Bブロックだ。」
そして、カガチは俺と同じBブロックだ。
「これでお互いに当たることはないですね。」
「それは良かったが変じゃないか?」
ヒナタも言っていたけどあまりにも人数が少ない。
「兄さんが影響しているって聞きましたけど。」
その通りだ、カガチの実力を俺たち2年は去年身を持って体験した、それが1年にも伝わったんだろう。
「ユウトさんは去年どうしたんですか?」
「俺は今年の春から転入したから去年のこ
とは知らない。」
「同じ時期に入ってたんですね、でもその割には詳しいですよね?」
「色々あったんだよ、それより早く行かねーと予選が始まるぞ。」
話を遮るように彼女を連れて行った。
「初めはAブロックからですよね?」
「お前初戦だからな準備しとけよ。」
「はい、相手は2年生ですね。」
「Aブロック32人、Bブロック32人、
それぞれトーナメント方式だから5回勝てばいい。」
今日はレイスにとっては初の実践だ、緊張してもしょうがない。
***
レイスと俺は控室に向かった、控室はAB合同だったので、誰もいない所で一息つく事にした。
「私の風魔法は昔から弱かったんです。」
レイスが突然そんな事を話した。
「風魔法が弱いのは知ってましたが、兄さんと父様が私を認めないのには他にも理由があるんです。」
「理由?」
レイスは落ち着いた表情で話した。
「私の姉は風魔法でありながらみんなを圧倒していていたんです。」
「風魔法だからって理由だけじゃあ疑問に思っていたがそういう事だったのか。」
「姉は私には優しく接してくれましたが、それが余計に辛かったんです、才に秀でた姉と戦えない妹それが私達姉妹だったんです。」
レイスの瞳は涙を浮かべていたがそれでも続けた。
「そんな姉の夢は立派な王女になることだって言ってました。」
「お前、前会ったときに守りたいって言ってたよな?」
「覚えてたんですね、私が守りたい物……。」
彼女は俺を見てはっきりと言った。
「私は王族としてこの国の国民を守りたいです。」
「いいのか? お前の姉が王女なんだろ?」
「姉さんは確かに私とは違って王女に相応しいです、でも姉さんは昔から下民を目の敵にしています。」
「お前は下民も国民として見るのか?」
今まで会った貴族は皆、下民と聞けば罵声を浴びせてきた。
「私は下民も貴族も関係ない、そんな国を作りたいんです。」
「なら、予選を勝ち上がらないとな。」
「はい!」
そう力強く返事をして初戦に向おうとした。
「ユウトさん。」
行きかけてからこちらを振り返った。
「好きですよ。」
「!?」
言い捨ててからレイスは走り去った。
あいつ、何考えてんだ!
レイスはAブロックか、俺はどっちだ?
「ユウトさんあれ!」
彼女が指した先には俺の名前があった。
そのブロックは、
「Bブロックだ。」
そして、カガチは俺と同じBブロックだ。
「これでお互いに当たることはないですね。」
「それは良かったが変じゃないか?」
ヒナタも言っていたけどあまりにも人数が少ない。
「兄さんが影響しているって聞きましたけど。」
その通りだ、カガチの実力を俺たち2年は去年身を持って体験した、それが1年にも伝わったんだろう。
「ユウトさんは去年どうしたんですか?」
「俺は今年の春から転入したから去年のこ
とは知らない。」
「同じ時期に入ってたんですね、でもその割には詳しいですよね?」
「色々あったんだよ、それより早く行かねーと予選が始まるぞ。」
話を遮るように彼女を連れて行った。
「初めはAブロックからですよね?」
「お前初戦だからな準備しとけよ。」
「はい、相手は2年生ですね。」
「Aブロック32人、Bブロック32人、
それぞれトーナメント方式だから5回勝てばいい。」
今日はレイスにとっては初の実践だ、緊張してもしょうがない。
***
レイスと俺は控室に向かった、控室はAB合同だったので、誰もいない所で一息つく事にした。
「私の風魔法は昔から弱かったんです。」
レイスが突然そんな事を話した。
「風魔法が弱いのは知ってましたが、兄さんと父様が私を認めないのには他にも理由があるんです。」
「理由?」
レイスは落ち着いた表情で話した。
「私の姉は風魔法でありながらみんなを圧倒していていたんです。」
「風魔法だからって理由だけじゃあ疑問に思っていたがそういう事だったのか。」
「姉は私には優しく接してくれましたが、それが余計に辛かったんです、才に秀でた姉と戦えない妹それが私達姉妹だったんです。」
レイスの瞳は涙を浮かべていたがそれでも続けた。
「そんな姉の夢は立派な王女になることだって言ってました。」
「お前、前会ったときに守りたいって言ってたよな?」
「覚えてたんですね、私が守りたい物……。」
彼女は俺を見てはっきりと言った。
「私は王族としてこの国の国民を守りたいです。」
「いいのか? お前の姉が王女なんだろ?」
「姉さんは確かに私とは違って王女に相応しいです、でも姉さんは昔から下民を目の敵にしています。」
「お前は下民も国民として見るのか?」
今まで会った貴族は皆、下民と聞けば罵声を浴びせてきた。
「私は下民も貴族も関係ない、そんな国を作りたいんです。」
「なら、予選を勝ち上がらないとな。」
「はい!」
そう力強く返事をして初戦に向おうとした。
「ユウトさん。」
行きかけてからこちらを振り返った。
「好きですよ。」
「!?」
言い捨ててからレイスは走り去った。
あいつ、何考えてんだ!
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