欠陥品のリベリオン

夜月祐斗

第七話 戦う方法

 レイスが家に泊まるようになって数日がたった。

 彼女は毎日基礎的な魔法の使い方を練習している。

 「レイス、次は魔力を全身に纏う感じにやってみてくれ。」

 「分かりました。」

 そうは言っても魔力を全身に使うのは初めのうちは難しい。

 何度か試していたがレイスはかなり苦戦していた。

 「これは戦闘で魔法を使うための基本だ。」

 「基本ですか? 基本もできてないんですね私。」

 あからさまに落ち込んでいる。

 「基本と言っても、これは魔力を使い慣れてからの10歳くらいからすることなんだよ。」

 「10歳って、私16なんですけど。」
 
 「お前16なんだな、中学生だと思ってたよ。」

 「どういう意味ですか?」

 見の危険を感じたので、理由を言うのはやめとこう。

 「ユウトさんと1つしか違わないんですから、そんなに子供じゃないです。」

 「悪かったって、それより昼にしようぜ。」

 俺たちは家に戻って昼食の準備を始める。

 「レイス、食器出してくれ。」

 「はい。」

 食事の準備はレイスも手伝うと言っていたが、レイスはそういったものが出来なかったので食事は俺の仕事だ。

 「午後からはどんな事するんですか?」

 「午後は休みにする、レイスも休まないとな。」

 「でも、後2週間しかないんですよ。」

 焦る彼女の頭に手を置いた。

 「焦る気持ちも分かるが、魔力が回復する前に無理すると体痛めるからな。」

 「ユウトさんが言うなら……。」

 「午後は戦い方について教えるよ。」


*** 
 

  それから俺達は昼食を済ませて俺の部屋に行った。

 「ユウトさんの戦い方ってどんなのですか?」

 「俺は体全体に身体能力強化を付加して戦ってるけど、こればっかりは人によって違うからな。」

 「私の戦い方……。」

 レイスと出会ってから2週間たって最初の頃よりだいぶ表情が柔らかくなった。

 「ユウトさん、午後はこれだけですか?」

 「そうだな、レイスがどっか行きたいとこあるなら付き合ってやるよ。」

 「つっ……つきあっ!」

 「別に他意はないからな。」

 魔法以外にも常識も教えておいたほうがいいかもな。

 「そういえば気になっていたんですけど、ユウトさんってどうやって生活費稼いでるんですか?」

 「なんだ? 急に?」

 「いえ、私がお世話なっていることで負担になっているんじゃないかと思って。」

 あんまりレイスみたいな奴には教えたくない事なんだが、魔法の練習にもなりそうだから行ってみるか。

 「連れて行ってもいいが、きっとお前にとってはきついぞ。」

 「どこに行くんですか?」

 「下民街だ。」

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