欠陥品のリベリオン
第四話 魔法大会
翌日の学校、いつもなら実技の時しか来ていないが、今日は珍しくHRの時には席についていた。
「皆さん、いよいよ魔法大会予選まで残り1ヶ月に迫ってきました。」
そういったのは俺が所属する2ーAの担任だ。
「ここで改めて、魔法大会について確認しましょう。」
俺がわざわざ学校に来たのは予選の出場締切が今日までだったからだ。
「まず、魔法大会はそれぞれの学校で予選を行い上位2名が本選に出れる、本選では8校から選ばれた計16名で行う。」
つまり本選に行くのはそう簡単ではない。
「更に本選では国王直々に16人の中から選抜をして国代表の騎士団を作る、そして最後に東西南北の4カ国でそれぞれ戦い何処の国が一番か決める。」
そう、つまりこれは国同士の争いを生徒に押し付けた大会なのである。
国同士の争いなんて興味はないが優勝時の商品が特別だった。
「優勝したあかつきには、国王が何でも一つ願いを叶えるとのことだ。」
普通ならここで歓声でも上がるとこだが残念ながら俺たち東の国は毎年最下位なので無理はない。
「正直、本選にさえ出れれば家の名が上がるからな、本選に出れるように頑張るか。」
HRが終わってから誰かが言っていた。
今日から1ヶ月は予選準備期間なので足早に帰ることにした。
「お前昨日は何してた?」
人通りが少ない所で見覚えのある生徒がいた。
「お前昨日は随分帰るのが遅かったな?」
「昨日は少し用があったので、遅くなっただけです。」
そう言ったのはレイスだった。
相手は昨日のカガチとか言うレイスの兄だった。
「昨日の男と一緒にいた所を見たやつがいるんだよ、たとえお前でも貴族が下民と一緒なんて噂されたら家の名前に泥がつくんだよ!?」
「ユウトさんは関係ありません!」
レイスの言葉に更に血が登ったのか、カガチがレイスを殴りつけようとした。
「お前、それでも兄貴か!?」
俺はカガチの腕を掴み、レイスをカガチから引き剥がした。
「ユウトさん!」
「またお前か!」
カガチは一層激しい怒号を放った。
「悪いがレイスに用があるんでな、このまま連れて行くぞ。」
「下民の分際で何を言っている!」
カガチの怒りは収まらなかったが大声で何人かの生徒が来ていたので、カガチは昨日のように帰っていった。
***
「ごめんなさい……。」
「なんでお前が謝るんだよ。」
結局俺たちは昨日と同じように俺の部屋にいた。
「また、巻き込んでしまったので。」
「俺が勝手に巻き込みに行ったんだから気にすんな。」
レイスはまだなにか言いたそうだったが、話を変えた。
「そういえば、私に用ってなんですか?」
「あぁ、あれはとっさに出てきただけだ。」
「そうですか……。」
彼女の表情は暗いままだが、昨日のように
怯えたりはしなかった。
「そういえばレイスは魔法大会に出るのか?」
「一応貴族として出ることにはなっています。」
「一応?」
俺の質問にレイスはゆっくりと答えた。
「私、魔法が得意ではないんです、なので出たとしても初戦敗退で家に泥を塗るので。」
「もしかしてそれが原因か?」
「はい、私の魔法は貴族とは思えないほど弱いんです。」
そう言うと、レイスは両手で風の塊を作った。が、それはかなり小さくいびつだった。
「生まれつきこうなんですよ……。」
「生まれつき?」
レイスの魔法に違和感を覚えた俺はある事を思いつく。
「もしかしたらなんとかなるかも。」
「皆さん、いよいよ魔法大会予選まで残り1ヶ月に迫ってきました。」
そういったのは俺が所属する2ーAの担任だ。
「ここで改めて、魔法大会について確認しましょう。」
俺がわざわざ学校に来たのは予選の出場締切が今日までだったからだ。
「まず、魔法大会はそれぞれの学校で予選を行い上位2名が本選に出れる、本選では8校から選ばれた計16名で行う。」
つまり本選に行くのはそう簡単ではない。
「更に本選では国王直々に16人の中から選抜をして国代表の騎士団を作る、そして最後に東西南北の4カ国でそれぞれ戦い何処の国が一番か決める。」
そう、つまりこれは国同士の争いを生徒に押し付けた大会なのである。
国同士の争いなんて興味はないが優勝時の商品が特別だった。
「優勝したあかつきには、国王が何でも一つ願いを叶えるとのことだ。」
普通ならここで歓声でも上がるとこだが残念ながら俺たち東の国は毎年最下位なので無理はない。
「正直、本選にさえ出れれば家の名が上がるからな、本選に出れるように頑張るか。」
HRが終わってから誰かが言っていた。
今日から1ヶ月は予選準備期間なので足早に帰ることにした。
「お前昨日は何してた?」
人通りが少ない所で見覚えのある生徒がいた。
「お前昨日は随分帰るのが遅かったな?」
「昨日は少し用があったので、遅くなっただけです。」
そう言ったのはレイスだった。
相手は昨日のカガチとか言うレイスの兄だった。
「昨日の男と一緒にいた所を見たやつがいるんだよ、たとえお前でも貴族が下民と一緒なんて噂されたら家の名前に泥がつくんだよ!?」
「ユウトさんは関係ありません!」
レイスの言葉に更に血が登ったのか、カガチがレイスを殴りつけようとした。
「お前、それでも兄貴か!?」
俺はカガチの腕を掴み、レイスをカガチから引き剥がした。
「ユウトさん!」
「またお前か!」
カガチは一層激しい怒号を放った。
「悪いがレイスに用があるんでな、このまま連れて行くぞ。」
「下民の分際で何を言っている!」
カガチの怒りは収まらなかったが大声で何人かの生徒が来ていたので、カガチは昨日のように帰っていった。
***
「ごめんなさい……。」
「なんでお前が謝るんだよ。」
結局俺たちは昨日と同じように俺の部屋にいた。
「また、巻き込んでしまったので。」
「俺が勝手に巻き込みに行ったんだから気にすんな。」
レイスはまだなにか言いたそうだったが、話を変えた。
「そういえば、私に用ってなんですか?」
「あぁ、あれはとっさに出てきただけだ。」
「そうですか……。」
彼女の表情は暗いままだが、昨日のように
怯えたりはしなかった。
「そういえばレイスは魔法大会に出るのか?」
「一応貴族として出ることにはなっています。」
「一応?」
俺の質問にレイスはゆっくりと答えた。
「私、魔法が得意ではないんです、なので出たとしても初戦敗退で家に泥を塗るので。」
「もしかしてそれが原因か?」
「はい、私の魔法は貴族とは思えないほど弱いんです。」
そう言うと、レイスは両手で風の塊を作った。が、それはかなり小さくいびつだった。
「生まれつきこうなんですよ……。」
「生まれつき?」
レイスの魔法に違和感を覚えた俺はある事を思いつく。
「もしかしたらなんとかなるかも。」
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