ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げをしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語。(タイトルに一部偽り有り)
第417話【暑さでイライラする】
ジャイアントサンライズとの決着がついた。
そして、俺の体は火傷だらけだ。
俺はヒールを体に施す。
「これで良しっと……」
着ていた白装束は黒く焦げてボロボロである。
ほとんど消し炭で、かろうじてボロ雑巾のように体にぶら下がっている状態だった。
手で払えばボロボロと崩れ落ちてしまう。
「駄目だな、こりゃあ……」
俺が頭をかくと、被っていた白頭巾も崩れて落ちた。
暑さでイラッとする。
「ああー、もういいや!!」
俺は体にぶら下がっている焦げた布切れを乱暴に剥ぎ取った。
それは簡単に破けてしまう。
「くそっ!」
俺は手にあるボロ雑巾を地面に投げ捨てた。
暑さでイライラするのだ。
兎に角暑いのだ。
それから振り返る。
俺の背後には、赤々と燃えたぎるジャイアントサンライズの死体が横たわっていた。
死んでも燃えるジャイアントサンライズの死体からは、うっすらと魔力が感じられた。
その死体もバリバリと音を立てて崩れ出す。
長くて細い足が、地震で揺れて壊れだしたガラス細工のように崩れ落ち始める。
続いて丸い体に罅が走るとパカリと半分に割れてしまう。
まるで巨大なスイカが自然に割れたようだった。
どうやらジャイアントサンライズは、死んでしまうと燃える体を保ってられないようだ。
どんどんと体が崩れ落ちて行くのだろう。
「んん、なんだ?」
崩れ落ちる体を眺めていると、パッカリと割れたジャイアントサンライズの中央に、強い魔力を感じる。
それは青い光となって俺の目に映った。
「マジックアイテムの光だな──」
何か白い球体が在る。
随分と遠いな。
割れ目の中央に在るぞ。
無理だ。
それが在るのは燃える球体の真ん中だ。
流石に燃え上がる球体の割れ目に入って行く勇気は無かった。
丸焼きになってまうわ……。
諦めるか……。
仕方無いと諦めた俺は踵を返して歩き出そうとした。
するとこちらに向かって人が歩いて来るのが見えた。
白装束姿だ。
たぶんボルトン男爵だろう。
「アスラン殿、お見事ですな!!」
やっぱりボルトン男爵だ。
「焼け死ぬかと思ったぞ。頼むからもうジャイアントサンライズを逃がさないでくれよな。二度と戦いたくないわ……」
「そ、それにしても……、ぷっ」
俺の前まで歩いて来たボルトン男爵が俺を見て含み笑いを堪えていた。
「な、何を笑ってやがる……?」
「いや、なんでもない……。ぷぷぷっ」
イラッ!!
「この白髪オヤジが。何を笑っていやがる。ムカつくな!!」
「いや、だって、お前が俺の髪を笑うなんて可笑しいぞ。ぷぷっ」
「俺が白髪頭を笑えないってことか……?」
なんだろう?
何が起きているんだ?
「おい、ヒルダ。鏡なんて持っていないか!?」
異次元宝物庫内からヒルダが返答する。
『わたくしも女なので手鏡ぐらいなら持ってますが』
「それでいい、ちょっと貸してくれ!!」
『どうぞ──』
異次元宝物庫から手鏡を持った腕が伸び出た。
俺はその手鏡を覗き込む。
そして、仰天!!
「な、なんじゃあこりゃあ!?」
か、髪の毛が無いぞ!?
坊主だ!!
スキンヘッドだ!!
タコ頭だ!!
眉毛まで無いぞ!!
「ど、どうなってるんだ!?」
「わっひゃひゃひゃひゃ~~」
ボルトン男爵が腹を抱えながら笑っていた。
爆笑である。
『アスラン様、たぶんですが、ジャイアントサンライズのファイアーブレスで焼け落ちたのではないでしょうか』
「あ~れ~か~!!」
確かに冷却水で冷やした白装束がボロ雑巾になるほどの火力だ。
俺事態は耐火スキルやマジックアイテムで強化されているが、髪の毛は別なのか!?
燃えちゃうのか!?
てか、リアルなら燃えるがファンタジーならそこは燃えないだろ!!
詐欺だ!!
インチキだ!!
ボルトン男爵が俺の頭に手を乗せて前後に擦りながら言う。
「こんだけ禿げると俺の白髪を馬鹿にできる状況じゃあねえな。若ハゲだぞ、ツルッパゲだぞ。 わっひゃひゃひゃひゃ~~!」
「ぬぬぬぬぬ………」
『アスラン様、わたくしは坊主頭でも好きでございますよ』
「黙ってろ、ヒルダ……」
『はい、畏まりました……』
調子に乗ったボルトン男爵が俺の肩に手を回して首を引き寄せた。
「さぁ~、村に帰って皆に報告だ~。笑いが存分に取れるぞ、絶対によ! わっひゃひゃひゃひゃ~~」
「テメー、この野郎……。笑いすぎだ!!」
怒りが臨界点まで達した俺のからだが勝手に動いていた。
「うりゃーーーー!!!」
「ええええっ!!!」
俺はボルトン男爵の腰に腕を回して持ち上げていた。
そのまま反り投げでボルトン男爵を後方に頭から投げ捨てる。
「バックドロップじゃ!!!」
「ぎゃふんっ!!」
ドゴンっと大地が揺れた。
「決まった──」
完璧なバックドロップだった。
臍で投げてやったぞ!
そのままボルトン男爵からスリーカウントを取る。
ワン、ツー、スリー!!
よっしゃ!!
「少しは怒りが収まったぞ……」
怒りゲージマックスから大投げだ。
まあ、即死だろうさ。
「ふぅ~……」
そして、俺が心を落ち着かせていいると、バックドロップの衝撃がジャイアントサンライズの死体に伝わったのか、更に大きく崩れ出した。
すると死体の中央部に在ったマジックアイテムがコロコロと転がり墜ちて来る。
それは白い球体でサッカーボールぐらいの大きさだった。
それが引き寄せたように俺の足元に転がって来る。
まるで俺に呼ばれたようにだ。
「俺に拾われたいのか……?」
俺は足元の白い球体に両手を伸ばした。
そして、掴み取る。
ジュッ!!
「あチィぃイイイイい!!!」
それはまだまだ熱々だった。
俺の怒りゲージがまた増え始める。
「糞、イライラするなっ!!」
怒りに任せて俺が白い球体を蹴飛ばすと、それはバックドロップを食らった状態でひっくり返っているボルトン男爵の横顔に接触した。
ジュッ!!
「おあっチィぃイイイイい!!!」
あっ、ボルトン男爵が復活したぞ。
「何をするんだ、この糞餓鬼が!!」
「黙れ、白髪頭!!」
「うるせえ、ハゲ!!」
「誰がハゲだ!?」
「お前だよ!!」
「ならば、脱いで勝負だ!!」
「なんで脱ぐんだよ!!」
「えっ………??」
「不思議そうな顔をすんな!?」
【つづく】 
そして、俺の体は火傷だらけだ。
俺はヒールを体に施す。
「これで良しっと……」
着ていた白装束は黒く焦げてボロボロである。
ほとんど消し炭で、かろうじてボロ雑巾のように体にぶら下がっている状態だった。
手で払えばボロボロと崩れ落ちてしまう。
「駄目だな、こりゃあ……」
俺が頭をかくと、被っていた白頭巾も崩れて落ちた。
暑さでイラッとする。
「ああー、もういいや!!」
俺は体にぶら下がっている焦げた布切れを乱暴に剥ぎ取った。
それは簡単に破けてしまう。
「くそっ!」
俺は手にあるボロ雑巾を地面に投げ捨てた。
暑さでイライラするのだ。
兎に角暑いのだ。
それから振り返る。
俺の背後には、赤々と燃えたぎるジャイアントサンライズの死体が横たわっていた。
死んでも燃えるジャイアントサンライズの死体からは、うっすらと魔力が感じられた。
その死体もバリバリと音を立てて崩れ出す。
長くて細い足が、地震で揺れて壊れだしたガラス細工のように崩れ落ち始める。
続いて丸い体に罅が走るとパカリと半分に割れてしまう。
まるで巨大なスイカが自然に割れたようだった。
どうやらジャイアントサンライズは、死んでしまうと燃える体を保ってられないようだ。
どんどんと体が崩れ落ちて行くのだろう。
「んん、なんだ?」
崩れ落ちる体を眺めていると、パッカリと割れたジャイアントサンライズの中央に、強い魔力を感じる。
それは青い光となって俺の目に映った。
「マジックアイテムの光だな──」
何か白い球体が在る。
随分と遠いな。
割れ目の中央に在るぞ。
無理だ。
それが在るのは燃える球体の真ん中だ。
流石に燃え上がる球体の割れ目に入って行く勇気は無かった。
丸焼きになってまうわ……。
諦めるか……。
仕方無いと諦めた俺は踵を返して歩き出そうとした。
するとこちらに向かって人が歩いて来るのが見えた。
白装束姿だ。
たぶんボルトン男爵だろう。
「アスラン殿、お見事ですな!!」
やっぱりボルトン男爵だ。
「焼け死ぬかと思ったぞ。頼むからもうジャイアントサンライズを逃がさないでくれよな。二度と戦いたくないわ……」
「そ、それにしても……、ぷっ」
俺の前まで歩いて来たボルトン男爵が俺を見て含み笑いを堪えていた。
「な、何を笑ってやがる……?」
「いや、なんでもない……。ぷぷぷっ」
イラッ!!
「この白髪オヤジが。何を笑っていやがる。ムカつくな!!」
「いや、だって、お前が俺の髪を笑うなんて可笑しいぞ。ぷぷっ」
「俺が白髪頭を笑えないってことか……?」
なんだろう?
何が起きているんだ?
「おい、ヒルダ。鏡なんて持っていないか!?」
異次元宝物庫内からヒルダが返答する。
『わたくしも女なので手鏡ぐらいなら持ってますが』
「それでいい、ちょっと貸してくれ!!」
『どうぞ──』
異次元宝物庫から手鏡を持った腕が伸び出た。
俺はその手鏡を覗き込む。
そして、仰天!!
「な、なんじゃあこりゃあ!?」
か、髪の毛が無いぞ!?
坊主だ!!
スキンヘッドだ!!
タコ頭だ!!
眉毛まで無いぞ!!
「ど、どうなってるんだ!?」
「わっひゃひゃひゃひゃ~~」
ボルトン男爵が腹を抱えながら笑っていた。
爆笑である。
『アスラン様、たぶんですが、ジャイアントサンライズのファイアーブレスで焼け落ちたのではないでしょうか』
「あ~れ~か~!!」
確かに冷却水で冷やした白装束がボロ雑巾になるほどの火力だ。
俺事態は耐火スキルやマジックアイテムで強化されているが、髪の毛は別なのか!?
燃えちゃうのか!?
てか、リアルなら燃えるがファンタジーならそこは燃えないだろ!!
詐欺だ!!
インチキだ!!
ボルトン男爵が俺の頭に手を乗せて前後に擦りながら言う。
「こんだけ禿げると俺の白髪を馬鹿にできる状況じゃあねえな。若ハゲだぞ、ツルッパゲだぞ。 わっひゃひゃひゃひゃ~~!」
「ぬぬぬぬぬ………」
『アスラン様、わたくしは坊主頭でも好きでございますよ』
「黙ってろ、ヒルダ……」
『はい、畏まりました……』
調子に乗ったボルトン男爵が俺の肩に手を回して首を引き寄せた。
「さぁ~、村に帰って皆に報告だ~。笑いが存分に取れるぞ、絶対によ! わっひゃひゃひゃひゃ~~」
「テメー、この野郎……。笑いすぎだ!!」
怒りが臨界点まで達した俺のからだが勝手に動いていた。
「うりゃーーーー!!!」
「ええええっ!!!」
俺はボルトン男爵の腰に腕を回して持ち上げていた。
そのまま反り投げでボルトン男爵を後方に頭から投げ捨てる。
「バックドロップじゃ!!!」
「ぎゃふんっ!!」
ドゴンっと大地が揺れた。
「決まった──」
完璧なバックドロップだった。
臍で投げてやったぞ!
そのままボルトン男爵からスリーカウントを取る。
ワン、ツー、スリー!!
よっしゃ!!
「少しは怒りが収まったぞ……」
怒りゲージマックスから大投げだ。
まあ、即死だろうさ。
「ふぅ~……」
そして、俺が心を落ち着かせていいると、バックドロップの衝撃がジャイアントサンライズの死体に伝わったのか、更に大きく崩れ出した。
すると死体の中央部に在ったマジックアイテムがコロコロと転がり墜ちて来る。
それは白い球体でサッカーボールぐらいの大きさだった。
それが引き寄せたように俺の足元に転がって来る。
まるで俺に呼ばれたようにだ。
「俺に拾われたいのか……?」
俺は足元の白い球体に両手を伸ばした。
そして、掴み取る。
ジュッ!!
「あチィぃイイイイい!!!」
それはまだまだ熱々だった。
俺の怒りゲージがまた増え始める。
「糞、イライラするなっ!!」
怒りに任せて俺が白い球体を蹴飛ばすと、それはバックドロップを食らった状態でひっくり返っているボルトン男爵の横顔に接触した。
ジュッ!!
「おあっチィぃイイイイい!!!」
あっ、ボルトン男爵が復活したぞ。
「何をするんだ、この糞餓鬼が!!」
「黙れ、白髪頭!!」
「うるせえ、ハゲ!!」
「誰がハゲだ!?」
「お前だよ!!」
「ならば、脱いで勝負だ!!」
「なんで脱ぐんだよ!!」
「えっ………??」
「不思議そうな顔をすんな!?」
【つづく】 
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