ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げをしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語。(タイトルに一部偽り有り)
第323話【ラミア×3】
また、光の矢が飛んで来た。
矢は俺が隠れている柱に刺さると光を失う。
光の矢を撃って来る敵は、距離40メートルから50メートル先の高さ20メートルほどの位置に居る。
嫌なスナイパーだな。
俺は少し離れた場所にランタンを置いて別の柱に潜んで居たが、スナイパーは的確に俺の位置を把握しているようだ。
おそらく暗くても見えているのだろう。
それに二匹目のラミアは俺の頭上を飛び交っている。
石柱から石柱に跳躍して移動しているのだろう。
飛ぶ度に気配が駄々漏れしてやがるぞ。
さて、もう一つの問題は、三匹目だ。
確かに居る。
気配も有る。
しかし、まだ動きを見せない。
それが不気味だな。
兎に角分かっていることは、こいつらが俺を補食しようと企んでいるのは間違いないだろう。
あっ、光る矢が飛んできたぞ。
あれ?
なんか狙いがだいぶ逸れてないか。
5メートルほど横を光る矢が飛んで行く。
っと、思ったら。
光る矢が直角に曲がって俺のほうに飛んで来た。
「カーブかよ!?」
いや、カーブどころか直角に曲がって来てるから、恐ろしいほどのホーミング機能だわ!!
「ひっ!!」
咄嗟に俺は首だけを傾げて矢を躱した。
俺の耳横の柱に矢が刺さっている。
「ウソだろ~~……」
あの野郎、やーべー武器を持ってるじゃんか……。
矢が直角に曲がってホーミングする弓矢なんて最高だよね!!
欲しいわ!!
あいつ、ぜってーに殺す!!
そして、その面白い弓矢を奪い取ってやる!!
よし、行くぞ!!
俺はロングボウを手に、手前の石柱に走って前進した。
少しずつ間合いを詰めたいのだ。
撃ってこない。
更に一つ分の石柱を前進する。
撃ってこない。
俺の上空で剣盾のラミアが移動しているのが気配で分かった。
あいつは追って来ているな。
俺は更に前の石柱に走った。
そこで光る矢が飛んで来る。
弾道が俺から逸れていいる。
ならば曲がるはずだ。
ほらっ、曲がった。
俺は身を屈めて曲がった光る矢を躱した。
ネタバレした段階でそれまでのギミックだな。
そして石柱の陰に背を合わせた刹那である。
頭上から剣盾のラミアが急降下して来た。
連携攻撃のつもりだろうが、タイミングが浅はかだぜ。
俺は床に転がると、背を床に付けた状態で上に矢を放った。
しかし、俺の矢は鏡のような艶々の盾に弾かれる。
「シャーーー!!」
ラミアは盾を前に俺の上に落ちて来る。
「ぬぅらぁ!!」
だが俺は、両足を揃えて上に向けると盾を両足で受け止めた。
そのまま巴投げの原理で払いのける。
「そりゃあ!!」
「シャシャ!!」
そして直ぐに立ち上がると矢を装填して弦を引いた。
その間にラミアは近くの石柱に巻き付き上に登って行く。
「逃がすか!!」
俺が逃げる剣盾のラミアに矢を放とうとした瞬間だった。
背後で強い殺気を感じる。
近い!?
俺が振り返ると10メートルほど先に三匹目のラミアが居た。
三匹目のラミアはダガーを逆手に持って投擲ホームに入っている。
「やばっ!!」
「シャッ!!」
回避!!
投擲されたダガーを俺が紙一重で躱した。
すると三匹目のラミアが逃げる。
それを俺が弦を引いて狙う。
そこに再び光る矢が飛んで来た。
正面からだ。
見えている。
回避は容易い。
そして光る矢を躱した俺は、逃げる三匹目のラミアに矢を放った。
しかし、柱に隠れられて矢を外す。
まだ、時間が有るのを俺は知っている。
光る矢は弓矢じゃあ無い。
クロスボウだ。
しかも中型か大型のクロスボウだろう。
中型のクロスボウは足で踏む場所が有り全身の筋肉を使って弦を引き直す。
大型クロスボウは人力で弦を引き直せない。
だから巻き上げ機を使って弦を引き直す。
要するに、中型以上のクロスボウは、矢の再装填に時間が掛かるのだ。
光の矢の発射タイミングからして、間違いなく中型以上のクロスボウで俺を狙ってやがる。
だから、まだ、矢は飛んでこないのだ。
だから、まだ、三匹目のラミアを追う時間が有るはずだ。
俺は石柱の陰に入った三匹目のラミアを追った。
隠れた石柱に回り込む。
そして、矢を放つ!
「なれ………??」
居ない?
確かにこの石柱の後ろに隠れたはずのラミアが消えていた。
何故???
あん、光の矢が飛んで来た。
俺は最寄りの石柱に隠れて光の矢をやり過ごした。
しばし沈黙が流れる。
戦場が静まり返っていた。
向さんも攻撃を止めて潜んでやがる。
ここて仕切り直しか……。
周囲から蠢く殺気が消えていた。
作戦タイムでも取っているのかな?
ならば、俺も作戦タイムだわ。
まずは情報を整理するか。
敵は三匹──。
一匹目は、光の矢を放つクロスボウ使い。
二匹目は、シミターと鏡の盾のラミア。
そして三匹目は、投擲ダガー使いのラミアだ。
おそらくクロスボウのヤツもラミアだろう。
ラミア三姉妹なのかな?
ラミアなんだもの、お約束で三姉妹だよね。
それはいいとして……。
なぜ、三匹目のラミアが柱の陰から消えたかだ?
それが疑問だ。
候補として、インビシブルの魔法、それかテレポーテーションの魔法ってところかな?
もしくは柱と同化したとか?
まあ、この辺が有力だろう。
ならば、それなりの対処を行えばいいだけだ。
あと、気になるのは二匹目のラミアだな。
クロスボウは曲がる。
三匹目は消える。
ならば剣盾のラミアも何か隠しネタを持ってても可笑しくないだろう。
あの鏡の盾で攻撃魔法を反射するとかかな?
ありふれているな~。
まあアニメもラノベも無い世界だ。
その程度の作戦でも上等なのかな~。
まあ、だいたい敵の戦力が予想できたぞ。
敵の戦術が推測通りなら、負けないだろう。
あっ、敵が動き出した。
前方に沸いた殺気が三方向に広がったぞ。
よしよし、第二ラウンドの開始かな。
【つづく】
矢は俺が隠れている柱に刺さると光を失う。
光の矢を撃って来る敵は、距離40メートルから50メートル先の高さ20メートルほどの位置に居る。
嫌なスナイパーだな。
俺は少し離れた場所にランタンを置いて別の柱に潜んで居たが、スナイパーは的確に俺の位置を把握しているようだ。
おそらく暗くても見えているのだろう。
それに二匹目のラミアは俺の頭上を飛び交っている。
石柱から石柱に跳躍して移動しているのだろう。
飛ぶ度に気配が駄々漏れしてやがるぞ。
さて、もう一つの問題は、三匹目だ。
確かに居る。
気配も有る。
しかし、まだ動きを見せない。
それが不気味だな。
兎に角分かっていることは、こいつらが俺を補食しようと企んでいるのは間違いないだろう。
あっ、光る矢が飛んできたぞ。
あれ?
なんか狙いがだいぶ逸れてないか。
5メートルほど横を光る矢が飛んで行く。
っと、思ったら。
光る矢が直角に曲がって俺のほうに飛んで来た。
「カーブかよ!?」
いや、カーブどころか直角に曲がって来てるから、恐ろしいほどのホーミング機能だわ!!
「ひっ!!」
咄嗟に俺は首だけを傾げて矢を躱した。
俺の耳横の柱に矢が刺さっている。
「ウソだろ~~……」
あの野郎、やーべー武器を持ってるじゃんか……。
矢が直角に曲がってホーミングする弓矢なんて最高だよね!!
欲しいわ!!
あいつ、ぜってーに殺す!!
そして、その面白い弓矢を奪い取ってやる!!
よし、行くぞ!!
俺はロングボウを手に、手前の石柱に走って前進した。
少しずつ間合いを詰めたいのだ。
撃ってこない。
更に一つ分の石柱を前進する。
撃ってこない。
俺の上空で剣盾のラミアが移動しているのが気配で分かった。
あいつは追って来ているな。
俺は更に前の石柱に走った。
そこで光る矢が飛んで来る。
弾道が俺から逸れていいる。
ならば曲がるはずだ。
ほらっ、曲がった。
俺は身を屈めて曲がった光る矢を躱した。
ネタバレした段階でそれまでのギミックだな。
そして石柱の陰に背を合わせた刹那である。
頭上から剣盾のラミアが急降下して来た。
連携攻撃のつもりだろうが、タイミングが浅はかだぜ。
俺は床に転がると、背を床に付けた状態で上に矢を放った。
しかし、俺の矢は鏡のような艶々の盾に弾かれる。
「シャーーー!!」
ラミアは盾を前に俺の上に落ちて来る。
「ぬぅらぁ!!」
だが俺は、両足を揃えて上に向けると盾を両足で受け止めた。
そのまま巴投げの原理で払いのける。
「そりゃあ!!」
「シャシャ!!」
そして直ぐに立ち上がると矢を装填して弦を引いた。
その間にラミアは近くの石柱に巻き付き上に登って行く。
「逃がすか!!」
俺が逃げる剣盾のラミアに矢を放とうとした瞬間だった。
背後で強い殺気を感じる。
近い!?
俺が振り返ると10メートルほど先に三匹目のラミアが居た。
三匹目のラミアはダガーを逆手に持って投擲ホームに入っている。
「やばっ!!」
「シャッ!!」
回避!!
投擲されたダガーを俺が紙一重で躱した。
すると三匹目のラミアが逃げる。
それを俺が弦を引いて狙う。
そこに再び光る矢が飛んで来た。
正面からだ。
見えている。
回避は容易い。
そして光る矢を躱した俺は、逃げる三匹目のラミアに矢を放った。
しかし、柱に隠れられて矢を外す。
まだ、時間が有るのを俺は知っている。
光る矢は弓矢じゃあ無い。
クロスボウだ。
しかも中型か大型のクロスボウだろう。
中型のクロスボウは足で踏む場所が有り全身の筋肉を使って弦を引き直す。
大型クロスボウは人力で弦を引き直せない。
だから巻き上げ機を使って弦を引き直す。
要するに、中型以上のクロスボウは、矢の再装填に時間が掛かるのだ。
光の矢の発射タイミングからして、間違いなく中型以上のクロスボウで俺を狙ってやがる。
だから、まだ、矢は飛んでこないのだ。
だから、まだ、三匹目のラミアを追う時間が有るはずだ。
俺は石柱の陰に入った三匹目のラミアを追った。
隠れた石柱に回り込む。
そして、矢を放つ!
「なれ………??」
居ない?
確かにこの石柱の後ろに隠れたはずのラミアが消えていた。
何故???
あん、光の矢が飛んで来た。
俺は最寄りの石柱に隠れて光の矢をやり過ごした。
しばし沈黙が流れる。
戦場が静まり返っていた。
向さんも攻撃を止めて潜んでやがる。
ここて仕切り直しか……。
周囲から蠢く殺気が消えていた。
作戦タイムでも取っているのかな?
ならば、俺も作戦タイムだわ。
まずは情報を整理するか。
敵は三匹──。
一匹目は、光の矢を放つクロスボウ使い。
二匹目は、シミターと鏡の盾のラミア。
そして三匹目は、投擲ダガー使いのラミアだ。
おそらくクロスボウのヤツもラミアだろう。
ラミア三姉妹なのかな?
ラミアなんだもの、お約束で三姉妹だよね。
それはいいとして……。
なぜ、三匹目のラミアが柱の陰から消えたかだ?
それが疑問だ。
候補として、インビシブルの魔法、それかテレポーテーションの魔法ってところかな?
もしくは柱と同化したとか?
まあ、この辺が有力だろう。
ならば、それなりの対処を行えばいいだけだ。
あと、気になるのは二匹目のラミアだな。
クロスボウは曲がる。
三匹目は消える。
ならば剣盾のラミアも何か隠しネタを持ってても可笑しくないだろう。
あの鏡の盾で攻撃魔法を反射するとかかな?
ありふれているな~。
まあアニメもラノベも無い世界だ。
その程度の作戦でも上等なのかな~。
まあ、だいたい敵の戦力が予想できたぞ。
敵の戦術が推測通りなら、負けないだろう。
あっ、敵が動き出した。
前方に沸いた殺気が三方向に広がったぞ。
よしよし、第二ラウンドの開始かな。
【つづく】
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