ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げをしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語。(タイトルに一部偽り有り)
第195話【美声とおっぱい】
スカル姉さんのジャーマンスープレックスで大失恋から見事に立ち直った俺は、ワイズマンに別れを告げてゴモラタウンを出た。
次の目的地は、ゴモラタウンから馬で一日ぐらいの距離に在る町、メルリッヒシュタットと言う町である。
ちなみに今俺は地図に書かれた町の名前を読み上げているのだが、この町の名前は間違いなく覚えられないだろう。
こんなドイツ語みたいな町の名前なんて、俺の記憶にとどまりませんとも。
てか、痛々しくこじらせた厨二病作家がパラレルワールドの訳の分からないモブキャラに付けそうな名前だぞ。
この町に住んでる住人ですら覚えられんのではないのか?
まあ、いいか~。
とりあえず俺は朝早くゴモラタウンを出たので、夕方前にはメリッヒルシュタッドに到着出来るだろう。
あれ、さっそく町の名前を間違えたかな?
確かメグリッドシュタインだっけな?
んー、わからん……。
覚えられん……。
まあ、町までは長いから、その間に反芻して覚えよう。
そんな感じで俺はアキレスを走らせた。
そして昼頃である。
そろそろ昼食にでもしようかな。
俺はアキレスをトロフィーに戻すと転送絨毯を、目立たない道の外れに在る木の陰に引いた。
万が一にも絨毯が盗まれては堪らないからな。
あと、強風で飛ばされても困ってしまう。
転送絨毯は裏返っていたり、丸められていると使えないのだ。
表面が見えてないと、転送されて来ないのである。
そして俺は、転送絨毯の四隅に重り代わりの石を置くとソドムタウンに飛んだ。
俺が瞬間移動でソドムタウンのテント内にテレポートすると、テントの外から賑やかに話す女性たちの声が聴こえて来た。
スカル姉さんとは別の声で、複数の声が聴こえて来る。
聞き覚えの無い声だった。
俺は誰だろうと思いながらテントを出る。
すると焚き火を囲んでスカル姉さんとは別に二人の人物が座っていた。
「あいつらは……」
俺は二人の来客を見て青ざめた。
やな思い出が多い二人だったからだ。
三人がテントから出て来た俺に気付いて声を掛けて来た。
スカル姉さんが言う。
「よう、アスラン。お客さんが来ているぞ」
一人の男性は微笑んでいたが、もう一人の少女はツンツン気味にこちらを見ている。
「グラブルに、アンじゃあないか……」
そう、二人はドラゴン兄妹のグラブルとアンだ。
人間の姿をしているとはいえ、ドラゴンが人間の町に入ってきているなんて怖い話だな。
もしもグラブルが本気を出せば、ソドムタウンは火の海になるだろう。
そして簡単に滅ぶのだ。
そんな存在が火事で更地になった空き地に、俺を訪ねて来ている。
若干だが嫌な予感がしていた。
それにグラブルは正装した貴族男子風の衣装だが、アンの野郎は以前と同じリボンを身体に巻いただけの可笑しな格好である。
やはりこのドラゴン娘は頭のネジが全部緩んでやがるわ。
「やあ、アスランくん。久しぶりだね」
「それにそれにそれに、アンも居るぞ!」
「本当に久しぶりだな……。二人とも……」
微笑みながら述べたグラブルの声に俺は違和感を感じ取った。
前に会った時は男前の声色だったが、今は艶やかな麗しい女性の声に変わっていたからだ。
「グラブル、その声はどうなってるんだ?」
「ああ、これかい。ほら、キミの子を孕むために女体化するって言っただろ。まずは声と乳だけ女体化できたから、審査して貰おうかと思ってね。それで山を下りて来たんだよ」
グラブルの成りは完全に男性のままだったが、声だけ女性の物だった。
だが、確かに胸元を見れば僅かに膨らんで見える。
本当に声と乳だけ女体化してきたらしい。
女体化とか、俺の子を孕みたいって、冗談じゃあ無かったのね。
それにしても……。
「声は凄く綺麗だな……」
「そうか、気にいってくれたか。僕は嬉しいぞ」
ここでスカル姉さんが口を挟んで来た。
「アスラン、お前も隅に置けないな。まさかドラゴンがお前の子を孕みたいとはな」
あー、グラブルはドラゴンだという正体をばらしているのね……。
しかもスカル姉さんも、グラブルがドラゴンだということを、簡単に受け入れてますがな……。
「スカル姉さん、こいつ、ドラゴンですよ。怖くないの?」
「龍神レベルのドラゴンなら、昔何度か出会ったことが有るからな」
「でも、ドラゴンですよ……。人だって平気でパクパクしちゃうヤツらですよ……」
「私の経験からすると、人間に化けるドラゴンは、だいたい物好きが多いから安全だ。人間を食い物としか考えてないドラゴンは、人間になんか変身しないからな」
「でも……」
「お前だって変身できるなら、餌なんかに好んで変身するか?」
「なるほど……」
確かに餌には変身しないかもしれん……。
まあ、流石は元冒険者だな。度胸が座ってやがる。
それにスカル姉さんの言うことにも一理有りそうだわ。
このグラブルたるドラゴンは、確かに物好きだ。
何せ俺の子が欲しいとか言ってるんだもの……。
「ところでグラブル、今さ、声と乳とか言わなかったっけ?」
そう、乳も女体化しているってことだよね。
「ああ、そうなんだ。昔の話だが、人間が書いた本に、人間の男性は、人間の女性の声と乳の好みでセックスをこなすって書いて有ったからな」
誰だよ、そんなふざけた本を書いた馬鹿は……。
「どうやら人間の男性は、女性の声に官能して、女性の乳に煩悩を抱くとか。それ即ち、子作りに大きな関係が有ると私は思うんだ」
あー、こいつは頭でっかちぽかったもんな。
理屈で考えて理屈で答えを出すタイプっぽいしね。
「アンもアンもアンも、そう思うぞ!」
あー、アンのほうは、直感で考えて直感で答えを出すタイプだもんな。
所謂ところの馬鹿だ。
ドラゴンなのに頭が緩くて可愛そうな子供だもんな……。
妹のアンを無視してグラブルが話を続けた。
「そこで取り急いで声と乳だけを女体化してきたんだけど、声はこんな感じでいいだろうか?」
声の感じは、けっこう大人っぽいけど可愛さも残ってるよな。
うん、悪くない。
それに──。
「女体化が終わっても、口調はそのままなのか?」
「僕の口調が気に食わないかね?」
「いや、そんなことはない。それに声も好きかな……」
「それは良かった」
艶やかで綺麗な声で知的にしゃべるし、自分を僕と呼ぶのだ。
知的な僕っ子キャラですか。
ある意味で、ストライクゾーンに入っていますがな。
外角低めに入って来るカーブのように嫌らしいですわ。
「じゃあ胸なんだがね。このぐらいのサイズでどうだろうか?」
グラブルは突然に着ている服をはだけて胸を見せた。
恥じることなく全開にだ。
そこには見事な形を有したCカップぐらいのおっぱいが二つ並んでいたのである。
「はっ!!!」
やーーべーーー!!!!
心臓がぁぁぁあああがあがががが!!!
俺は突然のおっぱい披露にのたうち回った。
心臓が爆発しそうである。
ぐぅぅぁぁああああ!!!!
マジでヤバイィィイいイイイイ!!!
「あ~、すまなかったなアスラン。そういえばキミは女神に呪われていたんだったよな」
服を戻したグラブルが謝罪していたが、俺の発作は治まらない。
不意を突かれたこともあってか痛みが暫し続いた。
ちくしょう、あれは男のおっぱいだぞ!!
形は良くても、まだ男のおっぱいなんだ!!
俺が苦しむ理由はないんだ!!
そうだ、そうなんだ!!
よし、落ち着いてきたぞ……。
ぜぇはー、ぜぇはー……。
「落ち着いたかい、アスラン?」
「ああ、落ち着いた……」
「でえ、どうだった、僕のおっぱいは?」
「サイズが、ちょっと……」
俺はほどほどに大きいほうが好きなんだよな~。
もうちょっと大きいほうがぁぁあああ……。
やーべー……。
また痛みだした。
おっぱいの話は止めよう……。
「そうかぁ~。サイズが気に食わなかったか」
するとグラブルがスカル姉さんの胸元を指差して言う。
「じゃあアスランは、この程度が好きなのか?」
「それは小さ過ぎるだろ」
俺の返答にスカル姉さんが笑顔のまま固まった。
アンが異常に気が付いて言う。
「なんかなんかなんか、周囲の温度が少し下がったぞ?」
ヤバイ!!
俺は逃げようとして腰を上げた。
だが、俺よりも速く立ち上がっていたスカル姉さんが俺の腰に組み付いて来た。
「不味い、まずい、マズイ!!」
まるで万力で挟まれたかのように動けない。
そして、スカル姉さんが叫びながら俺を持ち上げた。
「ゴー・トゥー・ヘヴン!!!」
「今度は天国かい!?」
「死ね、糞ガキ!!」
俺の視界が逆さまになった。
またジャーマンスープレックスで投げられる。
そして、ドスンと鼓膜に衝撃音が響いた。
それで俺は意識を失う。
【つづく】
次の目的地は、ゴモラタウンから馬で一日ぐらいの距離に在る町、メルリッヒシュタットと言う町である。
ちなみに今俺は地図に書かれた町の名前を読み上げているのだが、この町の名前は間違いなく覚えられないだろう。
こんなドイツ語みたいな町の名前なんて、俺の記憶にとどまりませんとも。
てか、痛々しくこじらせた厨二病作家がパラレルワールドの訳の分からないモブキャラに付けそうな名前だぞ。
この町に住んでる住人ですら覚えられんのではないのか?
まあ、いいか~。
とりあえず俺は朝早くゴモラタウンを出たので、夕方前にはメリッヒルシュタッドに到着出来るだろう。
あれ、さっそく町の名前を間違えたかな?
確かメグリッドシュタインだっけな?
んー、わからん……。
覚えられん……。
まあ、町までは長いから、その間に反芻して覚えよう。
そんな感じで俺はアキレスを走らせた。
そして昼頃である。
そろそろ昼食にでもしようかな。
俺はアキレスをトロフィーに戻すと転送絨毯を、目立たない道の外れに在る木の陰に引いた。
万が一にも絨毯が盗まれては堪らないからな。
あと、強風で飛ばされても困ってしまう。
転送絨毯は裏返っていたり、丸められていると使えないのだ。
表面が見えてないと、転送されて来ないのである。
そして俺は、転送絨毯の四隅に重り代わりの石を置くとソドムタウンに飛んだ。
俺が瞬間移動でソドムタウンのテント内にテレポートすると、テントの外から賑やかに話す女性たちの声が聴こえて来た。
スカル姉さんとは別の声で、複数の声が聴こえて来る。
聞き覚えの無い声だった。
俺は誰だろうと思いながらテントを出る。
すると焚き火を囲んでスカル姉さんとは別に二人の人物が座っていた。
「あいつらは……」
俺は二人の来客を見て青ざめた。
やな思い出が多い二人だったからだ。
三人がテントから出て来た俺に気付いて声を掛けて来た。
スカル姉さんが言う。
「よう、アスラン。お客さんが来ているぞ」
一人の男性は微笑んでいたが、もう一人の少女はツンツン気味にこちらを見ている。
「グラブルに、アンじゃあないか……」
そう、二人はドラゴン兄妹のグラブルとアンだ。
人間の姿をしているとはいえ、ドラゴンが人間の町に入ってきているなんて怖い話だな。
もしもグラブルが本気を出せば、ソドムタウンは火の海になるだろう。
そして簡単に滅ぶのだ。
そんな存在が火事で更地になった空き地に、俺を訪ねて来ている。
若干だが嫌な予感がしていた。
それにグラブルは正装した貴族男子風の衣装だが、アンの野郎は以前と同じリボンを身体に巻いただけの可笑しな格好である。
やはりこのドラゴン娘は頭のネジが全部緩んでやがるわ。
「やあ、アスランくん。久しぶりだね」
「それにそれにそれに、アンも居るぞ!」
「本当に久しぶりだな……。二人とも……」
微笑みながら述べたグラブルの声に俺は違和感を感じ取った。
前に会った時は男前の声色だったが、今は艶やかな麗しい女性の声に変わっていたからだ。
「グラブル、その声はどうなってるんだ?」
「ああ、これかい。ほら、キミの子を孕むために女体化するって言っただろ。まずは声と乳だけ女体化できたから、審査して貰おうかと思ってね。それで山を下りて来たんだよ」
グラブルの成りは完全に男性のままだったが、声だけ女性の物だった。
だが、確かに胸元を見れば僅かに膨らんで見える。
本当に声と乳だけ女体化してきたらしい。
女体化とか、俺の子を孕みたいって、冗談じゃあ無かったのね。
それにしても……。
「声は凄く綺麗だな……」
「そうか、気にいってくれたか。僕は嬉しいぞ」
ここでスカル姉さんが口を挟んで来た。
「アスラン、お前も隅に置けないな。まさかドラゴンがお前の子を孕みたいとはな」
あー、グラブルはドラゴンだという正体をばらしているのね……。
しかもスカル姉さんも、グラブルがドラゴンだということを、簡単に受け入れてますがな……。
「スカル姉さん、こいつ、ドラゴンですよ。怖くないの?」
「龍神レベルのドラゴンなら、昔何度か出会ったことが有るからな」
「でも、ドラゴンですよ……。人だって平気でパクパクしちゃうヤツらですよ……」
「私の経験からすると、人間に化けるドラゴンは、だいたい物好きが多いから安全だ。人間を食い物としか考えてないドラゴンは、人間になんか変身しないからな」
「でも……」
「お前だって変身できるなら、餌なんかに好んで変身するか?」
「なるほど……」
確かに餌には変身しないかもしれん……。
まあ、流石は元冒険者だな。度胸が座ってやがる。
それにスカル姉さんの言うことにも一理有りそうだわ。
このグラブルたるドラゴンは、確かに物好きだ。
何せ俺の子が欲しいとか言ってるんだもの……。
「ところでグラブル、今さ、声と乳とか言わなかったっけ?」
そう、乳も女体化しているってことだよね。
「ああ、そうなんだ。昔の話だが、人間が書いた本に、人間の男性は、人間の女性の声と乳の好みでセックスをこなすって書いて有ったからな」
誰だよ、そんなふざけた本を書いた馬鹿は……。
「どうやら人間の男性は、女性の声に官能して、女性の乳に煩悩を抱くとか。それ即ち、子作りに大きな関係が有ると私は思うんだ」
あー、こいつは頭でっかちぽかったもんな。
理屈で考えて理屈で答えを出すタイプっぽいしね。
「アンもアンもアンも、そう思うぞ!」
あー、アンのほうは、直感で考えて直感で答えを出すタイプだもんな。
所謂ところの馬鹿だ。
ドラゴンなのに頭が緩くて可愛そうな子供だもんな……。
妹のアンを無視してグラブルが話を続けた。
「そこで取り急いで声と乳だけを女体化してきたんだけど、声はこんな感じでいいだろうか?」
声の感じは、けっこう大人っぽいけど可愛さも残ってるよな。
うん、悪くない。
それに──。
「女体化が終わっても、口調はそのままなのか?」
「僕の口調が気に食わないかね?」
「いや、そんなことはない。それに声も好きかな……」
「それは良かった」
艶やかで綺麗な声で知的にしゃべるし、自分を僕と呼ぶのだ。
知的な僕っ子キャラですか。
ある意味で、ストライクゾーンに入っていますがな。
外角低めに入って来るカーブのように嫌らしいですわ。
「じゃあ胸なんだがね。このぐらいのサイズでどうだろうか?」
グラブルは突然に着ている服をはだけて胸を見せた。
恥じることなく全開にだ。
そこには見事な形を有したCカップぐらいのおっぱいが二つ並んでいたのである。
「はっ!!!」
やーーべーーー!!!!
心臓がぁぁぁあああがあがががが!!!
俺は突然のおっぱい披露にのたうち回った。
心臓が爆発しそうである。
ぐぅぅぁぁああああ!!!!
マジでヤバイィィイいイイイイ!!!
「あ~、すまなかったなアスラン。そういえばキミは女神に呪われていたんだったよな」
服を戻したグラブルが謝罪していたが、俺の発作は治まらない。
不意を突かれたこともあってか痛みが暫し続いた。
ちくしょう、あれは男のおっぱいだぞ!!
形は良くても、まだ男のおっぱいなんだ!!
俺が苦しむ理由はないんだ!!
そうだ、そうなんだ!!
よし、落ち着いてきたぞ……。
ぜぇはー、ぜぇはー……。
「落ち着いたかい、アスラン?」
「ああ、落ち着いた……」
「でえ、どうだった、僕のおっぱいは?」
「サイズが、ちょっと……」
俺はほどほどに大きいほうが好きなんだよな~。
もうちょっと大きいほうがぁぁあああ……。
やーべー……。
また痛みだした。
おっぱいの話は止めよう……。
「そうかぁ~。サイズが気に食わなかったか」
するとグラブルがスカル姉さんの胸元を指差して言う。
「じゃあアスランは、この程度が好きなのか?」
「それは小さ過ぎるだろ」
俺の返答にスカル姉さんが笑顔のまま固まった。
アンが異常に気が付いて言う。
「なんかなんかなんか、周囲の温度が少し下がったぞ?」
ヤバイ!!
俺は逃げようとして腰を上げた。
だが、俺よりも速く立ち上がっていたスカル姉さんが俺の腰に組み付いて来た。
「不味い、まずい、マズイ!!」
まるで万力で挟まれたかのように動けない。
そして、スカル姉さんが叫びながら俺を持ち上げた。
「ゴー・トゥー・ヘヴン!!!」
「今度は天国かい!?」
「死ね、糞ガキ!!」
俺の視界が逆さまになった。
またジャーマンスープレックスで投げられる。
そして、ドスンと鼓膜に衝撃音が響いた。
それで俺は意識を失う。
【つづく】
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