ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げをしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語。(タイトルに一部偽り有り)

ヒィッツカラルド

第133話【祝レベル20達成】

うむ、こりゃあ派手に転がったな、あの大怪球わさ。

結構いろんな物がペチャンコだぜ。

俺はショートソードにマジックトーチを掛けると辺りを捜索した。

周りにはスケルトンの残骸が散らばっている。

よーし、マジックアイテムの回収だ。

あっ、ウォーハンマー発見。

でも、折れてますわ……。

魔法感知でも引っ掛からないな、光らないぜ。

もうこのマジックアイテムは死んだのか、南無南無南無~。

さて、他には魔法感知に引っ掛かる物は無いかな。

おっ、このレザーアーマーは輝いてますね。

おおっ、このショートソードも光ってるぞ。

おおおっ、このダガーも光ってますね。

おおう、ドンドン出て来ますね。

あっ、部屋の隅で何かが光ってるぞ。

とりあえず見てみようか──。

あ~、居たわぁ~~。

ジャイアントグールさんが居ましたわ。

もう、ほとんど潰されてますね。

残っているのは頭部と左腕だけだわ。

他の部位は完全にミンチですよ。キモイ……。

それでもジャイアントグールさんは生きてますね。

何とも逞しいことだわ。

流石はアンデットだね。

頭が生きていれば死なないんだね。

ジャイアントグールは俺が述べた通り、頭部と左腕だけを残して動いていた。

他の部分はペシャンコである。

魔法の甲冑もペシャンコだ。

残っているのは左腕部分だけである。

ヘルムも脱げて見当たらない。

それでも残った左腕の甲冑が輝いていた。

この部分だけでもマジックアイテムとして生きているようだ。

「成仏してくれ、勇者様……」

俺はショートソードを逆手に持ってジャイアントグールにとどめを指す。

頭にショートソードを突き立てた。

ザックリと刀身が頭を貫くと、ジャイアントグールは動かなくなる。

うし、これで英雄クラスのアンデットを一体倒したぞ。

残るは二体だ。

【おめでとうございます。レベル20に成りました!】

おおう、レベルアップだぜ!

しかもレベル20だわ。

これで二回目のボーナスタイムだ。

すると有り得ない高さの場所に光の扉が輝き出す。

その位置は明らかにダンジョンの天井部分を越えていた。

これは空間を歪めているな。

だから重なっているんだ。

そして光の扉から階段が伸び降りて来る。

「出て来るな、糞女神……」

俺は強くショートソードを握り締めた。

すると光の扉が開いて乙女のシルエットが浮かび上がる。

俺はダッシュで階段を駆け上がると糞女神にショートソードを突き立てた。

「おおらっ!!」

『な~に~!?』

ガシッと俺の繰り出した刀身が真剣白羽取り去れる。

この糞女神、やりやがるな!?

「ちっ、畜生!!」

『ちょっと何するの~!?』

「ちょっとあんたを殺そうと思ってな!!」

『もう、やだぁ~。信じらんない~』

俺の身体が軽々と持ち上げられる。

「ぬおっ!!」

『も~、飛んでけ~』

俺は糞女神に投げ捨てられた。

滑空する、俺。

「ひぃーーーー!!」

そのまま階段の下まで放り投げられると床に背中から激突した。

「ごぱっ!!」

痛い!?

なんかどこかの骨が折れる音が聞こえましたよ!!

こ、骨折したよ、絶対!!

「この糞女神がぁ~……」

俺は悪鬼羅刹の表情で立ち上がる。

『あなたはどこまでも反抗的ね。もう、さっさと願いを言ってよ。私も速く帰って録画したドラマを見たいんだからさ~』

「この糞女神が。俺と録画積みドラマと、どっちが好きなんだよ!」

『堂々と剣を突き立てて来る信者なんて好きなわけないでしょう~』

「誰が信者だ、この糞女神が!」

『じゃあ~、さっさと願いを言ってよね~』

「俺の呪いを解いてくれ!」

『あなたに呪いなんか掛かって無いわ~?』

「ペナルティーだよ、ペナルティー!!」

『それはレベル100まで無理ですってばさ~』

「畜生、なんも考えてなかったぜ。上手く行けば暗殺できるかなってことばかり考えていたせいでよ……」

『もっと前向きに考えましょうよ~。ほら、パッピーライフをエンジョイしましょうね♡』

あー、もー、こう言うところが超ムカつくんだよな。

さて、それはそうと、願いはどうしよう?

マジで考えていなかったわ。

『考えてなければ、私が勝手に選ぶわよ~♡』

あっ、心を読みやがったな!?

『私は女神ですよ~。人の心ぐらい読めますわよ~。それじゃあこれを差し上げますわ~。やったね♡』

「えっ、選択肢無しかよ!!」

『もたもたしているからですわ~♡』

そう言い残すと糞女神が踵を返す。

今だ!

俺は異次元宝物庫からロングボウ+1を取り出すと矢を引いた。

間に合え!!

だが、俺が矢を放った時には糞女神の光は扉ごと消えてしまっていた。

放たれた矢は天井に跳ね返って落ちて来るだけである。

俺は糞女神を逃がしてしまつった。

畜生が──。

レベル30になった時には確実に殺せる作戦を考えておこうかな。

おや、何か置いてあるぞ?

俺は露骨な感じで床に置かれた置物を見つける。

それは金の馬がヒヒ~ンっとやっているトロフィーだった。

何これ?

これがレベル20の祝い物ですか?

どうやらマジックアイテムのようだな。

んん~……。

まあ、いいか。

とりあえず貰っておこう。

俺は金馬のトロフィーを異次元宝物庫に入れた。

その後にジャイアントグールが身に付けていた左腕の甲冑を外すと回収する。

左腕だけになっちゃった。

残念だわ。

まあ、よしだ。

今日は疲れたし、そろそろ帰ろうかな。

午後からダンジョンに入ったからさ、あまり長居も出来ないだろう。

俺は坂道を下って引き返す。

あれ、出口が大玉に潰されて、通れないぞ……。

これは遠回りしないと……。

俺はもう少し捜索しながら出口を目指した。


【つづく】

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