ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げをしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語。(タイトルに一部偽り有り)

ヒィッツカラルド

第4話【追い剥ぎプレイ】

俺が、だだっ広い草原を全裸で歩いていると、一体のスケルトンに出くわした。

最初は遠目に見ていて人が歩いているのかと喜んだが、近付いてみると、それは骸骨だった。

本当にガッカリした。

草むらを進むスケルトンは俺に背を向けて居る。

後方から近付いた俺には気付いていない様子だった。

俺は少しばかりスケルトンを観察しながら後を追う。

数は一体だ。

ボロボロの服を着ているだけで、武器や防具は一つも身に付けていない。

ならば勝てるかも知れない。

素手同士だ。

しかも今はアンデッドが弱まる昼間だ。

背後からの不意打ちを仕掛けられそうだし、きっと勝てると思う。

ザコでも経験値に成る。

少しでも強く成れるチャンスだ。

何よりも、服が欲しい!

アンデッドが着ていたボロボロの服でも、この際だから構わない。

全裸よりマシだ。

決意を固めた俺は、背後からスケルトンに忍び寄る。

あと3メートルの距離まで近付いたところで俺は攻撃を仕掛けた。

走りよりスケルトンの後頭部にラリアットをぶちこんでやった。

するとスケルトンの頭部だけが飛んで行って、近くの岩に当たって砕け散る。

胴体のほうも力無く崩れ落ちた。

魔力が無くなったのか、バラバラと成る。

俺の勝利だった。

初勝利である。

俺は溜め息の後に、早速スケルトンの遺体からボロボロの服を剥ぎ取り着こんだ。

サイズは問題ない。上着もズボンも丁度良かった。

初勝利のお祝いプレゼントが、ボロボロの服でも嬉しかった。

スケルトンの骨の山に目をやると、金貨が一枚だけ落ちていた。

俺が金貨に手を伸ばすと『チャリン!』と音を鳴らして手の中に吸い込まれて行った。

ステータス画面をチェックしてみると、1Gと増えている。

経験値も10と成っていた。

その数値から武器無しスケルトンの経験値の低さを知る。

とりあえず俺は、スケルトンの遺体から、一番太くて固そうな骨を一本拾い上げた。

こんな物でも武器に成るだろう。

アイテムスロット欄に『ボーンクラブ(装備中)』と『ボロボロの服(装備中)』と表示されていた。

これでやっと全裸から解放されたのだ。

少し文化人に近付いた思いである。

次は水だな。

兎に角、水だ!

既に喉が渇きだしている。

早く水を見つけて休みたい。

【つづく】

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