神に気に入られて異世界転生した俺は、救世と終焉の神殺しとなる

あざらし

79話 武術大会・ランシェス編 後編



武術大会2日目


今日行われるのは斧術ふじゅつ部門と槍術部門


斧術部門が午前中で槍術部門が午後からとなる


今日も今日とて闘技場席の一角を俺名義で貸し切った占拠






午前中はのんびり観戦


斧術部門に知り合いは出ていないからな


観戦していると、斧術部門唯一の女性が登場する


何となく見ていたのだが






「(あれ?あの娘、強くね?)」






拳闘術の老人は例外として、人類で序列をつけるなら間違いなく、5本の指に入る実力者ではないだろうか






「ヴィルノー先代。あの娘の情報が欲しいんですが」






「おや、珍しい。グラフィエル君もやはり興味が・・・」






そこまで言って、ヴィルノー先代は言葉を噤んだ


俺の婚約者達に思いっきり睨まれ、ティアに手の甲を抓られているのもあるが・・・


一番の理由は、俺が本気で警戒する時のマジ顔だったから


婚約者達も、本気の警戒度におふざけをやめた






「ラフィ様。そこまで、警戒するほどなのですか?」






「今は、俺が勝つ。ただ、10年後はわからない」






「そこまでの・・・。確かに、情報は必要ですね」






今、戦ってる彼女は、間違いなく人間だ


しかし、あのオーラは人以上の者だ






実はミリアも、ある意味では人外認定される側だ


但し、ミリアの場合は戦闘に関してではない


だから、警戒は低めだし、怖さもない


ミリアが人外認定なのは【神託】が聞けるから


ただ、その一点だけなのだから






彼女の情報が来るまでの間、観戦を続ける


彼女の戦い方は豪快で、それでいて繊細であった


一部の隙も無い・・いや、隙ですら罠だと錯覚させられる・・否、実際に戦えばきっと、錯覚させられるのだろう


情報が届く頃には、斧術部門は決勝戦まで進んでいた






「シャリュール・ネデット。16歳。傭兵国出身か」






「ネデット?・・・・・もしや、ネデット傭兵団団長の一人娘か?」






「知っているのですか?ヴィルノー先代」






「有名だぞ。今は6代目団長だったかな。となると・・・あの鬼神の曾孫か」






「鬼神?一体どんな人なんですか?」






「ネデット傭兵団は300年以上続く、歴史ある傭兵団なのだが、4代目団長が鬼神のような強さで、一躍有名になったんだ」






「その曾孫が彼女だと?」






「恐らくな。曽祖父の力を再現できたのか?はたまた、別の何かか」






「その力とは?」






「生前、彼が死ぬ間際にスキル名を明かしたそうだ。確か【デストラクション】だったかな?彼は加護も有名で、破壊神の加護のみしか、持っていなかったらしい」






ヴィルノー先代の言葉が終わると同時に、決勝戦も終わった


結果はシャリュール・ネデットの圧勝


彼女の斧術はどれも洗練されていた


そして、本来は駄目だとわかっているが、万が一を考えた場合、彼女の【ステータス】は知っておいた方が良い


俺は【神眼の鑑定】で、シャリュール・ネデットの【ステータス】を見て・・・・うん、神様~ズの意図を感じた






シャリュール・ネデットの加護


そこにあったのは


戦神の加護Lv.5


武神の加護Lv.5


破壊神の加護Lv.5






称号もおかしかった


一騎当千


指揮者


天なる采配者


どうみても、軍系しかない






スキルにデストラクションはなかったが、代わりに


ウェポンブレイカー


英雄覇気


対群殲滅


大軍指揮






明らかにヤバ目のスキルがいくつかある


俺が持ってないスキルもある


俺がワンマンアーミーなら、彼女は軍を鼓舞する英雄ヒーロー


これはマジで警戒しないといけない


しかし、俺の杞憂は消える


シャリュール・ネデットは大会終了後、直ぐに姿を消した






午後になり、槍術部門の本戦が始まる


槍術部門には、うちのクランから数名が予選に挑み、ウォルドともう一人(Aの試験官だった人)が本戦に上がった


知り合いが出るので、楽しみながら見ている






後、ここまで盛り上がるには訳がある


武術大会は国が管理する、賭け事の一種だからだ


本来行われる賭けの部門は剣術と槍術の二つ






しかし今年は、斧術と槍術になっていた


理由?そんなもの決まっている


剣術部門が賭けにならないから






俺が出る以上、99%は俺の優勝で決まりだからな


唯一の懸念は、拳闘術みたいに眷属神とか本人とか来た場合


そうなると、少しの油断が命取りになる


槍術にはそういった人物は見当たらないので、俺も賭けに参加している






槍術部門の倍率は主に4人に絞られた


一人は前回優勝者


優勝したのに、何処からも誘われなかった可哀想な人


二人目と三人目


これは、うちのクランから出た二人


若干、ウォルドの倍率が高めで俺としては嬉しい誤算だ


ん?当然ウォルド一択賭けですが?


最後は王国近衛騎士団


倍率は2番目となっている






早速1回戦が始まり、近衛騎士が早々に消える


後で、近衛騎士団長から叱責が飛びそうだな


そして、もう一つ予想だにしないことが






1回戦目で同門クラン同士


つまりは、ウォルド達が当たってしまう


何という神のいたずら


二人の実力は拮抗し、ミスした方が負ける戦いへと突入






ウォルドが突きを出せば弾き、もう一人が下段から上段へ上げれば躱し、時に鍔迫り合い


だが、勝負とは時に意外な形で幕を閉じる






相手の攻撃をウォルドが躱し、反撃に出る


しかし、それを読んだ相手がカウンターを仕掛け、それを皮1枚でウォルドが躱し、逆カウンターを仕掛ける


相手がウォルドの逆カウンター攻撃をギリギリ躱す


しかし、躱した先にめくれ上がった石畳があり、躓いて盛大にこける


その際に思いっきり頭を打ち気絶


結果、何とも締まらない形でウォルドが勝利した


勝負は時の運とは言え、なんて不憫な






そして、1回戦で運を味方に付けたウォルドは勝ち進み、決勝戦進出を果たした


賭けの方はかなり番狂わせが起こり、前回優勝者が準決勝で敗退


決勝戦はウォルドVS傭兵国出身者の男冒険者となった






槍術部門決勝戦


ウォルドの対戦相手は冒険者の間でも有名な人物


名はブラガス・ダーバラ


傭兵国冒険者ギルド本部認可のSランク


前傭兵国王の側近中の側近


年齢は40前だが、未だその強さ衰えない生きる伝説と言われている人物


武勇伝は数知れず、彼が育てた冒険者も多い






そんな人物と今、決勝戦の火蓋が切って落とされた


ブラガスは開始直後に先制攻撃


連続槍突を放つ


対するウォルドは防戦し、ブラガスの攻撃を捌く






攻めきれないと判断したのか?ブラガスが下がり、間合いを取る


ウォルドは反撃せずに、体勢を立て直すようだ


お互い睨み合う事、数分


ブラガスが再度、攻めに行く






「連突!三突!柄え撃うち!」






連続攻撃がウォルドを襲う


しかし!その攻撃全てをウォルドは防御し、躱す


再び間合いを取りに下がろうとしたブラガスに、ウォルドが詰め寄り、反撃をする






「四死突!破突!」






四死突


ウォルドが編み出した槍術奥義の一つ


本来は致命傷となる四か所へ同時攻撃を繰り出す技だ






今回は命のやり取りではないので、両肩と両足を狙っていた


しかし、ブラガスも読んでいたようで、難なく防御し・・槍が破壊される






破突


対人槍術の武器破壊技


スキル【選定眼】と【反応速度・高】の複合技


選定眼で武器を壊しやすい場所を選び、反応速度で当てに行く


かなり負荷のある荒業だが、1対1の場合だと使える技だ






ウォルドはブラガスの強さを認めた上で、四死突は確実に防がれると予想し、四死突に破突を重ねて、武器を破壊した


武器を破壊されたブラガスは槍を握っていた手を見て・・その手を広げ、両腕を上げ、降参の意思を示した






「勝者!ウォルド!」






槍術部門決勝戦


数分の試合だったが、息を呑む試合に、観客たちは拍手喝采を贈り、ウォルドの勝利で幕を下ろした










「貴殿は強いな。世界の広さも知ったが、俺も年かね」






「ご謙遜を。今回は勝利の女神が自分に微笑んでくれたに過ぎませんよ。連続攻撃の時、地味に速さを変えてたでしょう?」






「それに気付けるだけでも強者だよ。凌がれたこちらとしては、目も当てられん」






「実は、速くなった攻撃は見えてなかったので、半分は勘で、残り半分は経験則ですけどね」






「だから、勝利の女神は・・か。・・・・弟子になる気はあるか?」






「ははっ。師は間に合ってますね。槍術と剣術という違いはありますが、一生勝てそうにない相手に、たまにですが修練してもらっているので」






「貴殿にそこまで言わせるのか。本当に世界は広いな。・・で、その人物とは?」






「【蹂躙者】って聞いたことありません?」






「・・・なるほどな。一度、戦ってるところを見てみたいものだ」






「見れますよ。剣術部門本戦に出るので」






「・・・ほう。では、予定を変更して見て行くかな」






「席を用意しましょう。うちのボスが一角貸し切ってるので」






「お言葉に甘えるとしよう」








と言うやり取りがあったらしく、ブラガスは貸し切っていた席に姿を見せていた


剣術部門は明日開催なので、客人として、俺の屋敷に泊まることになった






「しかし【蹂躙者】が、まだ14歳だとは」






「甚だ不本意ですが、その二つ名が付いたのって10歳の時なんですよね」






現在は屋敷にて夕食を食べながら談笑中


今日は婚約者にその家族と家臣を含めた全員で夕食中だ


勿論、俺の両親も参加している






「グラフィエル殿のご両親も、さぞ嬉しいでしょうな」






「いや、寧ろ心労が絶えなくて・・・ブラガス殿からも窘めて戴けると」






「窘めるかどうかは、明日の試合次第ですかな。楽しみにしてますので」






談笑しながら続いた夕食会は2時間ほどでお開きとなった








翌日、剣術部門本戦


今日も一角を貸し切り状態にし、俺は控室へと向かう


周りは本戦出場者で未成年は俺だけ


一番若い出場者でも、20代前半で最年長は40手前


本日は王家全員がご照覧する為、警備は厳重であった






「これより、武術大会最終日。剣術部門本戦を開始する!」






審判兼進行役の声が響き、16名の本戦出場者が舞台へ出る


剣術部門だけはランシェス建国に剣が深く関わっているため、少し仰々しい






「陛下。お言葉をお願いします」






「うむ。よくぞ予選を勝ち上がり、ここまで来た。余は汝らの試合を見届けよう!存分に戦うが良い」






陛下の言葉が終わり、抽選が始まる


王家がご照覧の場合は、抽選から見届けられる


それだけ、ランシェスにとっては剣術というのは特別なのだ






抽選の結果、俺は1回戦第5試合に決まる


相手は・・・王国騎士団の騎士


対戦相手を見ると・・うわっ・・・死んだ魚の目になってる


観覧席には非番の兵士や騎士も見に来ているが、全員が






「「「(((・・・なんて運の無い奴・・・)))」」」






みたいな顔で騎士を見ていた






そしてもう一人、ある意味死神の鎌を首に掛けられた者が


王国近衛騎士団の騎士だ


お互い勝ち進めば、2回戦で俺と当たる


勝つも地獄、負けるも地獄とは、正にこの事を言うのだろう


勝てば俺と戦い、負ければ鬼畜な訓練が確定


観覧している兵達からすれば






「「「(((一回戦は突破してくれ!)))」」」






これが本音だろうと思う


そういう顔をしていたから


そして、剣術大会本戦が開始される






1回戦第1試合から第4試合だが、第1試合の20代前半の傭兵が鬼強かった






「(まさか・・な。)」






とある可能性が、俺の頭を掠める


だが、考える時間もなく、俺の試合が来る






「1回戦第5試合!両者前へ!」






審判兼進行役に呼ばれ、舞台へと上がる


相手は王国騎士団の騎士


剣は両刃の片手剣


相手の顔は・・あ、吹っ切れてるわ


手を抜くのは失礼なので、予選と同じく双剣で戦う






「試合開始!」






合図と共に、先手必勝!と、突っ込んでくるが


左の剣で攻撃を受け流し、右手の剣を首元に当て、あっけなく終了


騎士は項垂れながら、舞台を後にした






2回戦第3試合


相手は近衛騎士団の騎士


剣は両刃の両手剣


こちらは幾分か冷静だった


試合開始と同時に、両手持ちで上段の構え






受け止めるのも、受け流すのも結構難しい


振り下ろす速度も速いが、連続攻撃には不向き


相手の速度を上回れば、回避も可能


と言う事で、一気に懐に入り込み、相手が剣を振り下ろし、俺は焦らず左に回避


そのまま背後から剣を当て、勝負を決めた






お互い礼をした後






「流石ですな。やはり、お強い」






「いえ。そちらも素晴らしい剣技でした。体が反応出来ても、回避には運も関わってくるような素晴らしい速さでした」






「クロノアス卿にそう言ってもらえるとは。今後の励みにさせていただきます」






そう言葉を交わし、舞台を後にした


その後は、危なげなく勝ち進み、予想した通り、20代前半の傭兵が勝ち上がってきた


兜などは装着不可だが、仮面は認められているので性別は不明


ただ何となく、女性のような体格っぽい






「決勝戦を開始する!両者前へ」






最後の呼び出しが行われ、両者舞台へ上がる


そこで対戦相手が仮面を取る






「げっ!」






対戦相手・・・それは、認識疎外を世界規模で行っていた戦神メナト


何故下界にいる!?いや、そもそも降りてきて良いのか!?


決勝戦なのに激しく動揺し、混乱する中、試合開始の合図






「さぁ!どのくらい強くなったか、見せてもらうよ!」






そう言って構えるは、大剣の二刀


大剣の双剣術に片手直剣での双剣術とかどうなよ!?


更に相手は戦神だぜ!?事実上の師匠だぜ!?


動揺し、混乱しながら心の中で愚痴りつつ、双剣を構える






「まずは小手調べだ。行くよ!」






そう言って、左手の大剣を上段から振り下ろす


更に右手の大剣は突きの構え


受け止めるか?受け流すか?


そう考えた瞬間、頭の中で警報アラートが鳴り響く






「(あ、駄目だ。受け止めたら折られるし、受け流したら刃が欠けまくるわ)」






そして咄嗟に動いたのが、右側への回避


しかし、ただ回避しただけでは間に合わないので、右に飛んだ後に、左足で大剣の腹を蹴り飛ばし、突きの範囲からも逃げる


今の攻防を認識できた者はいない


しかし、回避したという事だけは理解した


この事実に陛下は思わず






「あのグラフィエルが、全力で回避した・・だと?」






「陛下・・・やはり、そうなのですか?」






陛下の呟きに、思わず確認する王妃


グラフィエルの力を知る者からすれば、信じられない出来事だった






「(あ・・あっぶねぇ!マジ、ギリギリだったわ)」






そう思った矢先






「ちゃんと鍛錬はしているようだね。次はもう1段階上げていくよ!」






戦神から死の宣告






「ちょ!もう少し考える時間を・・・」






そんな俺の抗議も虚しく、追撃が来る


次は双大剣による突きのラッシュ


一手ミスしたら終わり


俺の中で何かがブツンと切れた






「あー!やってやるよ!!」






双剣が壊れぬように、突きのラッシュをギリギリで受け流し、剣を握ったままの拳でカウンター


しかし読まれていたようで間合いを取られる






「あの状態からカウンターか。あの頃にはなかった返しだね」






「人は成長するんですよ」






そう返すも、服は所々破れ、薄皮が切れている


息は上がっていないが、ほとんど防戦一方だ






「(このままじゃ、じり貧だな)」






2度の攻防で、動揺も混乱も無くなり、冷静になった


しかし、今の攻防で剣の耐久値は恐ろしく削られている






「(武器破壊は不可能・・・ならば!)」






いつ壊れてもおかしくない剣で攻勢に出る


左右に動き、少しでも相手のミスを誘う






「(神としての力は使えないはず。恐らく武器も神器じゃない)」






この考えは半分正解なのだが、神界で鍛えられた武器ではあった


故に、結末は必然と






パキーン!






上段から振り下ろした左手の剣は、半ほどから砕けて折れる


誰もがグラフィエルの敗北を予想した


その直後






「うぐっ!」






対戦相手からの呻き声


見れば左足の蹴りが相手の鳩尾に決まっている


戦神は一歩引き、間合いを取ろうとするが






「させるかよ!」






そう言って砕けた剣を捨て、相手の左手首を掴み、無造作に地面へと投げ、叩きつける


その間に左手首へとダメージを与え、大剣を手放させる


その大剣をすかさず拾い、間合いを取って再び対峙する






「いたた。いや、強くなったね。師としては嬉しい限りだよ」






「それはどうも。普通ならこうはいかないでしょうけど」






「今回は、範疇の中でだからね。それでも、私に敵う者はいないんだけどね」






会話しながらも、お互い構えて、間合いを図る


じりじり詰め寄りながら






「(もったいないけど・・仕方ないか)」






そう吹っ切って俺は、一気に間合いを詰めに行く


お互い大剣で鍔迫り合いをし、弾き飛ばし、再度鍔迫り合いに・・はならなかった


戦神の大剣に対し片手直剣で受ける俺


剣は当然砕け、斬られる距離は僅か数十センチ


だがそこから、相手の右手大剣の腹に俺が持つ左手の大剣を当て、反動を利用して回避


右肩の服が破れるも、ギリギリ回避しながら反転


折れた右手の剣をうなじに当てる






舞台の時は止まったまま


はっ!と気付いた審判が、慌てて勝者を告げる






「勝者!グラフィエル!!」






水を打った静けさから一転、ワアァァァ!っと歓声が巻き起こる


その歓声を聞きながら、俺の心臓はバクバクしていた






「(後で絶対に怒られるだろうなぁ)」






違う意味でバクバクしていた


一方戦神は、悔しそうでもあり、嬉しそうでもあった


お互い剣を収め、握手し






「まさか、負けるとはね。これであの方ゼロに勝てれば、名実ともに世界1位なわけだ」






「あいつゼロには、いつか勝つ予定なので、既に1位ですね」






「言う様になった。そんなグラフィエルにご褒美だ。後で屋敷に行くから」






「・・・わかりました。色々と説明してくださいね」






「わかってるよ。それじゃ、後でね」






そう言って舞台を後にする






全ての試合が終わり、表彰式に移る


全部門の優勝者が並び、賞金と感状が贈られる


あ、ちゃんと服を着替える時間は与えられた






全てが終わり、席に戻ると、緊張が解けたせいもあって、一気にへたり込む






「ら、ラフィ様!?」






思わずミリアの膝の上に頭を乗せたので驚いているようだ


とは言え俺は、席の上で寝転がり、膝枕してもらっている






「ごめん・・少しこのままで」






そう言って、俺は意識を落とした

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